明日の行政書士講座 バックナンバー

明日の行政書士講座 第76回

【タイトル】

「どうしてこんなに仕事の依頼が舞い込んでくるのか」

【日時】

2016年12月4日(日)11:00~13:00

【講師】

塩田英治先生

先生のプロフィール

 

 
行政書士しおた事務所 代表行政書士
 

 
平成7年登録開業22年目。
東京都庁で許可相談員を14年務め、
建設業者約200社をサポート。
 

【実施報告】

行政書士事務所が維持・発展していくために必要不可欠な、人的資産・構造資産・関係資産の3つの資産を構築していくにはどのようにしていけばよいのかというお話を、海事代理士でもある行政書士の塩田英治先生からうかがいました。

【事務所を経営していくための『3つの資産』】

事務所を経営するためには、自分の強み(資産)を知ることが大切であるということで、まず、3つの資産の内容について教えていただきました。
3つの資産のうち、人的資産とは社員のことで、塩田先生の事務所では、取扱い業務が大変幅広く、膨大な仕事の全てを一人ではやることは出来ないために、その仕事を効率よくこなしてくれる大変有能なスタッフを採用されているということでした。そして、その方達を賃金、労働条件等によってモチベーションを上げ、気持ちよく仕事をしていただくと共に、人的資産の喪失を防ぎ、長く働いていただくためには、条件だけではなく、経営理念を共有することがとても重要だというお話でした。
次に、構造資産である事務所経営ですが、依頼者から仕事を引き受けて、単に業務を行うということだけで終わらせずに、依頼者の事業の発展を考えていくということが大切だということでした。
依頼者の事業の隠れた資産である「知的資産」の中にも、人的資産(社員のスキル)・構造資産(理念など)・関係資産(ネットワーク)があり、目に見えにくいそれらを依頼者にコンサルティングして、依頼者の企業価値を高めていくことが出来るような能力を持つ行政書士になることが依頼者からは求められているそうです。
最後の関係資産は、人脈の重要性についてでしたが、本来なら業務とは関係のない、先生の趣味のボウリングやアイドルの話題で繋がった人脈からの仕事がとても大きいそうです。これに関しては、お話をうかがっていく中で、それは先生のお人柄に惹かれての人脈の広がりということなのではないかと思われました。業務として、依頼者と1点だけのかかわりで終わるのではなく、依頼者に寄り添い、その企業の成長に寄与出来る関わりを持っていくことが大切だということです。

【「発信」し、「参加」すること】

それでは、自分は行政書士として具体的に何をしていくべきなのか、についてのお話では、異業種交流会に参加する、メーリングリストを始める、支部活動に参加するなど、とにかく「発信」し「参加」することが重要であると繰り返しおっしゃっていました。何も仕事が無いときでも、視野を広め、人と交流し、書士会にも貢献し、出来ることなら何でもやって「参加」し、情報を「発信」し続けることが大切なのだそうです。
常に新しいものに目を向け、どんな分野でもよいから一番になることが必要で、塩田先生の事務所は旅行業に関しては日本一の行政書士事務所であり、旅行業や協会に登録されるなどしているそうです。その分野でのスペシャリストになるためには、徹底して切り込んでいらっしゃるそうです。また、塩田先生は大好きなアイドルの歌を引用されて「想像しないと夢は見られない」という話もされていました。5年後10年後20年後に自分の事務所がどのようになっているのかを思い描くのはもちろん、お客様にいかに花を咲かせることができるかを考えていく必要があるのです。
仕事をただ漫然と行うのではなく、その先を見据えて想像力豊かに「発信」「参加」をしていくことで、仕事の依頼は自ずから舞い込んでくるようになるという、塩田先生の実体験から得られた、ユーモアに溢れる貴重なお話をうかがうことができました。
以上