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ご存知ですか?大学院修了者を対象とした公務員試験の概要

院卒者(院卒程度)試験と大卒程度試験について

公務員試験には「試験区分」が設けられています。同一の自治体等を受験するにしても、受験者の年齢,最終学歴等の要件によって、受験する「試験区分」が定められています。
大学4年次あるいは大学卒業後に受験する場合は、「大卒程度試験」を受験するのが一般的です。
また、法科大学院など専門職大学院を含む大学院修了者を対象として、「院卒者(院卒程度)試験」区分が設けられている試験もあります。

大卒程度試験
受験生として、大卒者が想定されている試験。ただし「大卒程度」とは大学卒業程度の学力を有していることを指し、受験要件として大学卒業が求められることはないのが通常。
 
院卒者(院卒程度)試験
受験生として、大学院修了者が想定されている試験。大卒程度試験とは違い、院卒が要件とされる場合と、されない場合がある。大学院修了が要件とされる場合は「院卒者試験」、そうでない場合は「院卒程度試験」とされているようであるが、要件については受験先の受験案内等によって確認すること。

 
なお、「院卒者(院卒程度)試験」が設けられている自治体等であっても、大学院修了者が「大卒程度試験」を受験することは可能です。ただしその場合は、「大卒程度試験」の合格者として取り扱われますので、同じ院卒者であっても、「院卒程度(院卒者)試験」の合格者と待遇が異なる場合があります。
「院卒者試験」と「大卒程度試験」では、試験内容や待遇において違いが生じることがありますので、その一例を紹介します。

国家総合職試験  

院卒者試験と大卒程度試験の違い

※2023年度のもの。2024年度より試験制度の変更があります。
政策の企画立案など、高度な知識・技術または経験を必要とする業務に携わる係員を採用するための試験です。
試験内容の違いとして、一次試験における基礎能力試験の解答題数が異なります。また、二次試験においては、専門試験の選択科目数が異なる他に院卒者試験がプレゼンテーション能力やコミュニケーション力などについての「政策課題討議試験」の実施、大卒程度試験が政策の企画立案に必要な能力その他総合的な判断力及び思考力についての「政策論文試験」が実施されます。

  院卒者試験(行政区分) 大卒程度試験
受験資格
※一次試験がおこなわれる年度の4月1日における年齢を指す
30歳未満で大学院修了および大学院修了見込みの方 21歳以上30歳未満の方
※大学卒業および卒業見込みの方は21歳未満で受験可
一次試験 基礎能力試験
(多肢選択式)
30題(30題出題)
2時間20分
40題(40題出題)
3時間
専門試験
(多肢選択式)
40題解答(49題出題)
3時間30分
40題解答(49題出題)
3時間30分
二次試験   専門試験
(記述)
3題 4時間
政治学、行政学、国際関係②、公共政策②、憲法、行政法、民法、商法、刑法、民事訴訟法、国際法、経済理論、財政学、経済政策から3科目選択
3題 4時間
憲法、行政法、民法、国際法、公共政策②から3科目選択
  政策課題討議試験
おおむね1時間30分
政策論文試験(記述)
1題 2時間
人物試験 人柄、対人能力などについての個別面接
英語試験 英語の能力の程度に応じて加算:TOEFL(iBT)、TOEIC等

仕事内容について

院卒者試験と大卒程度試験において、どちらの試験で合格したかによって仕事内容が変わることはありません。
本府省に勤務し、将来の幹部候補として短期間に様々な部署を経験することになります。日本のグランドデザインを描く、スケールの大きな仕事です。
国家レベルの政策決定に関わるポストを多く経験する中で幅広くスキルを磨き、第一線で活躍することができます。
 
各省庁の仕事内容がわかる!実務家行政官からのメッセージ LinkIcon
 

待遇について

院卒者試験    約259,200円
大卒程度試験    約227,640円

※行政職員として東京都特別区内に勤務する場合における2023年4月1日の給与例

国家総合職 院卒者試験 合格者の声

Gさん

Gさん

私立大学法科大学院修了
最終合格:国家総合職試験(院卒・行政区分)
進路:中央省庁
 
法科大学院卒業後、公務員の仕事に興味を持ち、思い切って、今まで学んでいた伊藤塾で講師カウンセリングを受けました。講師カウンセリングは、講師の方は、本当に親身に指導してくださいました。
弁護士は個別の対応で依頼者の問題を解決する仕事ですが、公務員は、個別ではなく、国民全体の利益のために働ける仕事なので、自分の性格に合っていると思い、転進しました。

(2018年記)
Dさん

Dさん

私立大学法科大学院修了
最終合格:国家総合職試験(院卒・行政区分)
進路:国税庁
   
公務員試験受験当初は、司法試験と両方に合格した場合には法曹の道に進もうと考えておりましたが、 説明会や官庁訪問を通して公務員としての働き方、職員の方々の人柄に惹かれ、最終的に国家公務員としてキャリアをスタートする決断をいたしました。
 伊藤塾では、面接カードの添削をしていただいたり官庁訪問の様子を報告、対応を相談させていただいたりといった形でお世話になりました。自分の経験を面接にどう結びつけるかを具体的にアドバイスしてくださったことが大きな助けになったと考えております。 

(2018年記)

裁判所事務官(総合職試験)  

総合職試験における院卒者区分と大卒程度区分の違いについて 

※2023年度のもの。2024年度より基礎能力試験の出題数等の変更があります。

政策の企画立案等に係る高い能力を有するかどうかを重視して行う採用試験で、裁判所事務官として採用されます。
第1次試験の基礎能力試験(多肢選択式)では、院卒者区分は知識分野からの出題が大卒程度区分より10問少なくなっていて、試験時間も35分短くなっています。さらに、第2次試験の専門試験(記述式)では、院卒者区分は、大卒程度区分と共通の必須問題(憲法・民法・刑法)に加え、訴訟法1題(民事訴訟法又は刑事訴訟法)が出題されます。


  院卒者区分 大卒程度試験
受験資格 
※一次試験がおこなわれる年度の4月1日における年齢を指す
30歳未満で大学院修了および大学院修了見込みの方 21歳以上30歳未満の方(21歳未満で大学卒業及び卒業見込みの方も受験可)
一次試験 基礎能力試験
(多肢選択式)
30題(30題出題)
2時間25分
★特例希望者 ※1 40題3時間
40題(40題出題)
3時間
専門試験
(多肢選択式)
30題解答(40題出題)
1時間30分
必須20題/憲法⑦、民法⑬
選択10題/刑法⑩または経済理論⑩ 
30題解答(40題出題)
1時間30分
必須20題/憲法⑦、民法⑬
選択10題/刑法⑩または経済理論⑩
二次試験   論文試験 ※2 
(小論文)
1題 1時間 ★特例希望者のみ
文章力による表現力、課題に対する理解力などについての筆記試験
専門試験
(記述式)
憲法 1時間 ※2
民法・刑法 2時間
訴訟法 1時間
憲法 1時間 ※2
民法・刑法 2時間
 政策論文試験 組織運営上の課題を理解し、解決策を企画立案する能力などについての筆記試験
人物試験 人柄、資質、能力などについての個別面談
三次試験 人物試験 人柄、資質、能力などについての集団討論及び個別面接
※1 「特例」とは、総合職試験の各試験種目を有効に受験すると、同試験に加え、一般職試験の受験者としても合否判定されます。
※2 二次試験内 小論文および記述式 憲法は一次試験日に実施します。
 
なお、一般職試験においては大卒程度区分のみとなります。
 

仕事内容について

 院卒者試験と大卒程度試験において、どちらの試験で合格したかによって仕事内容が変わることはありません。
 裁判所の組織は、大別すると、裁判部門・司法行政部門に分けられます。裁判部門では、各種事件を裁判官が審理・裁判しますが、その裁判を支える職種のひとつとして、裁判所事務官があります。司法行政部門においては、事務局(総務課、人事課、会計課等)が設置されており、人や設備などの面で裁判部門を支援する職務を裁判所事務官等が担っています。
 裁判所事務官に採用されると、各裁判所の裁判部や事務局に配置され、裁判部では裁判所書記官のもとで各種裁判事務に従事、事務局では総務課、人事課、会計課等において司法行政事務全般に従事します。
 また、裁判所事務官として一定期間在留すると、裁判所書記官となるための裁判所職員試験を受験することができます。裁判所書記官になると、法律の専門家として固有の権限が付与され、それにより、法定立会、調書作成、訴訟上の事項に関する証明など、裁判の円滑な進行を確保することも大きな役割の一つです。
 総合職試験として裁判所事務官に採用されると、裁判所書記官になるための試験を受験する場合、原則として、採用初年度に限り院卒者区分合格者は筆記試験が免除、大卒区分合格者は筆記試験の一部が免除されます。
 

待遇について

  それぞれの初任給を比較すると以下の通りです。
この初任給のほか、扶養手当、住居手当、通勤手当及び実績に応じ超過勤務手当などが支給されます。

院卒者区分 約259,200円
大卒程度区分 約227,640円
※2023年4月1日現在。
※金額は、東京都特別区内に勤務する場合の例。

裁判所職員 院卒区分 合格者の声 

 

S.Hさん

私立大学法科大学院修了
進路先:裁判所
S.Hさん

司法試験から公務員に切り替えてからは、月に 1回はカウンセリングを受けました。また、直前期には週に 1回は校舎に行き、模擬面接やカウンセリングを受けていました。カウンセリングでは、学習の進め方や気持ちの面でのアドバイスをいただくことで、悩みや不安を 1人で抱え込まず、溜め込まずに済み、気持ちに余裕がうまれました。
裁判所の業務説明会に参加したことで、なりたい自分をイメージすることができました。 WEBやパンフレットではつかみにくいことも、実際に働いている方からの話を聞くことで、具体的に考えられるようになったことが、内定に近づけたきっかけなのではないかと思います。
(2018年記)

東京都職員

東京都Ⅰ類AとⅠ類Bについて

※2023年度のもの

東京都の上級職採用試験には、Ⅰ類AとⅠ類Bの2種類があります。Ⅰ類Aは大学院卒や専門分野の社会人経験がある方を対象とした試験でありⅠ類Bは大学卒業程度の試験です。
Ⅰ類Aは、大学院修了が受験要件とはなっていませんが、受験案内等を見る限り、大学院修了を想定しているといえるでしょう。

 

Ⅰ類A

Ⅰ類B
受験資格
※一次試験がおこなわれる年度の4月1日における年齢を指す
24~31歳
※大学院(専門職大学院を含む)を修了あるいは修了見込みであれば、24歳未満でも受験可
22~29歳
※大学(短期大学を除く)を卒業あるいは卒業見込みであれば,22歳未満でも受験可
1次試験 基礎能力試験
(多肢選択式)
40題(必須)
2時間10分
40題(必須)
2時間10分
論文 1題 1時間30分 1題 1時間30分
専門試験
(記述試験)
5題から1題選択解答 2時間30分
高度な専門知識についての記述式」
-公法(憲法、行政法)
-民事法(民法、民訴法)
-経済理論(ミクロ経済学、マクロ経済学)
-財政学(財政学)
-公共政策(法学、政治学、行政学、経済学等を基礎とした公共政策)
10題から3題選択解答 2時間
職務に必要な専門知識についての記述式」
憲法、行政法、民法、経済学、財政学、政治学、行政学、社会学、会計学、経営学





2次試験   口述試験 職務に関連する専門知識および人物についての個別面接 主として人物についての個別面接

 

仕事内容について

どちらの試験で合格したかによって仕事内容が変わるということはありません。
東京都が扱う幅広い事業領域、各局の機能や役割を担っていきます。
首都をフィールドとして行政を担う東京都職員は、変化に満ちた現場から、スピード感を持って、新しい政策を発信していかなければなりません。その牽引するリーダーを採用するための試験が東京都Ⅰ類試験です。
 

待遇について

それぞれの初任給を比較すると以下の通りです。
この初任給のほか、扶養手当、住居手当、通勤手当及び実績に応じ超過勤務手当や休日給、仕事の性質により特殊勤務手当が支給されます。

Ⅰ類A 約244,400円
Ⅰ類B 約225,400円
※2023年1月1日現在。地域手当(20%地域勤務の場合)含む。職種により異なる。

東京都職員Ⅰ類A 合格者の声

Nさん

Nさん

私立大学法科大学院修了
進路先:東京都庁
 
公務員の面接対策講座を受講しましたが、模擬面接では実際の面接にかなり近い緊張感のある中で行なうことができました。質問されると思われる箇所を具体的に指摘していただいたことで、直前には重点的に絞って対策することができました。
学習に使用するテキストは1つのテキストで学び続けました。大学生のときに司法試験の学習を始めるために伊藤塾を入塾してから法科大学院時代も含め、常にこのテキストを使って学習していました。都庁の対策の中では、専門試験の対策は司法試験講座の論証テキストを使って知識を固めました。

(2018年記)

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