プレイヤーとしてではなく、ルールを作る人間として国民の生活を守りたい。その想いに気づき、公務員を真剣に考えるようになりました。
D さん(26 歳)
◆ 受講講座 : 司法試験入門講座 本科生+リーガルトレーニング
◆ 最終合格 : 国家総合職(院卒・行政区分)
◆ 内 定 : 国税庁
◆ 予定進路先: 国税庁
※プロフィールは、2017年合格時点のものです。
はじめに
私は司法試験を3回受験し、3回目の受験の年に国家公務員総合職試験に合格しました。
司法試験対策においては学部生時代から伊藤塾にお世話になっておりました。業界最大手であり、受験界のスタンダードを知るためには伊藤塾での学修が最適解であると考えたからです。
公務員試験の受験を考え始めたのは、2回目の司法試験受験の時になります。その時は、司法試験のすべり止めくらいにしか考えておらず、特に対策もしなかった結果、最終合格に至りませんでした。
そして2回目の司法試験に不合格となり、自分がリスクをとって司法試験を受け続け、弁護士を目指し続ける意義を考えるようになりました。結果、弁護士になることそのものが目的となってしまっていた事に気づき、またプレイヤーとしてではなくルールを作る人間として国民の生活を守っていくことが自分のやりたかったことなのではと考えるようになりました。そこで、3回目の司法試験受験はするものの、国家公務員の受験にも真剣に取り組もうと考え、今年の受験に臨みました。
公務員試験受験当初は、司法試験と両方に合格した場合には法曹の道に進もうと考えておりましたが、説明会や官庁訪問を通して公務員としての働き方、職員の方々の人柄に惹かれ、最終的に国家公務員としてキャリアをスタートする決断をいたしました。
伊藤塾では、面接カードの添削をしていただいたり官庁訪問の様子を報告、対応を相談させていただいたりといった形でお世話になりました。大変親身に、かつ昼夜を問わず対応してくださったこと、自分の経験を面接にどう結びつけるかを具体的にアドバイスしてくださったことが大きな助けになったと考えております。
私がとった勉強方法
専門試験(多肢選択式)について
司法試験の対策以上の勉強はしていませんでしたし、それで合格に必要な点数は取得可能だと思います。ただ、会社法、行政法といった司法試験の短答式試験で問われない科目の知識も要求されますので、その点意識して司法試験の勉強にも取り組むと良いと思います(当該知識は司法試験でも全く無駄にはならないと思います)。
専門試験(記述式)について
こちらも司法試験の対策以上の勉強はしていません。司法試験よりも基本的な知識を正確に書けるか否かが重要になってきますので、あまり気負わずに知識を吐き出してくる、という意識でかまわないと思います。
基礎能力試験(多肢選択式)について
これは人によるかと思うのですが、私は基礎能力試験プロパーの勉強はしていませんでした。司法試験の片手間で勉強して劇的な伸びが期待できる科目ではなく、かつ最低限の点は勉強せずとも獲得できるため、コストパフォーマンスが悪いと考えたからです。
政策課題討議試験、企画提案試験について
特段の対策はしていませんが、グループディスカッションの作法について、薄い本を一冊買って読んでいきました。
面接・討論について
面接カードについて、自分で書いたドラフトを伊藤塾の講師の方に添削していただき、それを直す、という過程を2度ほど経て完成させました。
また公務員試験の人事院面接では決まった質問が決まったとおりに問われるので、その通りの質問形式に沿って想定問答を用意しておきました。半信半疑でしたが8割方は本当にその通りに問われたので有効な対策だったと思います。
官庁訪問について
実態が見えず、かつ公務員の職務についての知識がないため不安が大きいところだったので、説明会には積極的に参加しました。また伊藤塾の直前カウンセリングなどを通して、自分の経験をどう志望官庁のミッションに結びつけるかのアドバイスをいただきました。
普段の生活と試験対策について
ロースクール卒業後、社会経験として一般企業のインターンに参加していました。
その際に国家公務員試験の対策を意識していたわけではありませんでしたが、結果的にはそのおかけで合格できたと言っても過言ではないかなと思います。
というのも、ロースクール卒業生としては「法律の勉強しかしていない」というレッテルをいかに剥がすかというのが重要になってきます。そこでは、いくら法律の勉強を頑張ったアピールをしても(マイナスにもなりませんが)有効打にはならないと考えます。その中で、社会人経験に近い職業体験を通してコミュニケーションスキルを身につけていること、ビジネスに対する考え方を持っていること、社会に対する興味関心を示せることは、大きな助けになったと思っています。
「内定と進路決定」の理由
前述もしましたが、内定に至ったのは、一般的なロースクール卒業生と異なり、インターンを通してビジネス上で必要なコミュニケーションはいかなるものか、社会に対する興味関心を得られたことが非常に大きいと思います。実際、法律的なモノの考え方を自己アピールとして積極的に使用することは一切ありませんでした。
進路決定においては、官庁訪問で出会った職員の方々の人柄、国税庁の業務に法律知識が活かせそうであること、自分という人間を評価してもらったことが大きく寄与したと思います。
どのようにモチベーションを維持したか
自身の10年後を考え、将来への危機感を持つこと、に尽きると思います。
最後に
正直なところ、明確なビジョンは見えていない部分が多いです。ただ、法律を専門的に学び、またIT業界でインターンシップをしたという経験を活かして日々の業務に取り組み、様々な人と出会う中で見えてくる部分があると信じています。これは官庁訪問でも同様なのかなと思いますので、是非積極的に説明会に行き、色々な人の話を聞いてみてください。皆様の将来にとって良い選択が出来ることを心からお祈りしております。また、お世話になりました講師の方々にこの場をお借りしてお礼申し上げます。皆様の親身なアドバイスが大きな助けになりました。誠にありがとうございました。