真の法律家・行政官を育成する「伊藤塾」
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政策というツールのある国家公務員は社会問題に対して責任と影響を持つやりがいある仕事

厚生労働省

I.I さん
 

◆ 出身大学 :東京大学法学部4年 ◆ 受講講座 :国家総合職(法律区分)コース 本科生(演習付)
◆ 最終合格 :国家総合職 法律区分
◆ 内  定 :厚生労働省
◆ 予定進路先:厚生労働省

※プロフィールは、2017年合格時点のものです。

はじめに

国家公務員を第1希望の進路にしようと考えたのは、2年生の秋頃です。その頃はまだ、自分なりに考える社会問題に対して政策で解決できたらよいという漠然とした思いでのスタートでした。そのような中、いろいろな省庁の話を聞く中でやりたいことを見つけていきました。結果的に一番理念に共感した厚生労働省で内定を貰うことができたので、当初は漠然とした思いではありましたが、国家公務員を目指してよかったと思います。法律区分での受験を考えたので、伊藤塾に入ることに決めました。 伊藤塾を選んだのは、法律の勉強をするのにあたり、講義・教材(特に過去問集)ともに一番充実している受験指導校だと思ったからです。またWeb講義を利用して自分のペースで勉強できるのも、魅力の一つでした。

私がとった勉強方法

専門試験(多肢選択式)について

問題数の比重を考えても、まずは憲法・民法・行政法だと思い、講義を一通り聴き、あとはひたすら過去問集の「これで完成」を繰り返し解きました。講義は Web 受講で、1.5 倍~2倍の速度で聴き、学校の空きコマの時間を利用するなどして、こまめに進めました。「これで完成」を最低限3周、確実にしていくためには4~5周していれば仕上がると思います。選択問題については、手を付けてから試験まで少ししか時間がなかったので、比較的コスパが良いと先輩にすすめられた労働法・国際法と、あとは自分の興味分野で経済学・財政学を選びました。時間がなくて「これで完成」を3周することは難しかったのですが、その分憲民行で安定して点をとることを目指しました。

専門試験(記述式)について

試験までの準備期間がやや短めで、また民間就活もしていたこともあり、2次試験の記述式対策は1次試験が終わってからのスタートになりました。知識量としては1次試験のレベルで問題なかったので、法律の論述の書き方や頻出テーマを押さえることを重点的に意識して勉強しました。基本的には伊藤塾の過去問演習と予想問題演習を自分で答案構成までしたうえで、講義を聴いて、しっかり復習する、という勉強の仕方をしていました。

基礎能力試験(多肢選択式)について

数的処理・判断推理はやや苦手意識がありました。試験本番では1問あたりにかけられる時間が短いので、解法パターンを身につけることが重要だと思いました。専門試験を重視していたので、社会・人文・自然科学などの知識分野はあまり対策を優先しなかったのですが、時事問題は市販の教材でざっと学びました。

政策論文・総合論文試験について

法律の論述問題対策をメインでしていたので、政策論文はとにかく論文の書き方を学ぶことだけ気をつけました。伊藤塾の過去問数年分を見て、試験問題にある参考文献の使い方や論文の体裁を学びました。

面接・集団討論について

人事院面接は、予想されるQ&Aを用意しながら、伊藤塾の模擬面接で練習しました。

官庁訪問について

自己分析や志望動機、入省したらどういう政策を作りたいか、大学時代の経験など、官庁訪問で聞かれるであろう質問に対しては、事前に自分で準備しました。また友達とも面接の練習・面接カードの添削を行いました。訪問する官庁の政策についても、ある程度は知っておく必要があり、かつどのような問題意識を持っているのかは重要だと思ったので、今までに参加した説明会の資料を振り返ったり、公務員白書や関連する本を読むといった勉強もしました。また、同じ志望官庁の友人と勉強会も行いました。単純に知識として学ぶのではなく、自分の立場の場合にどういう問題意識をもって、どうしたいかを考えることが重要だと思います。

普段の生活と試験対策について

大学での法律の授業はそれなりに勉強したので、ある程度は法律の見取り図のようなものが頭の中にできたのは、法律区分の勉強の手助けになったと思います。ただ、公務員試験対策となると大学の授業だけだと不足してくるので、3年生の後半は伊藤塾での試験対策に比重を移しました。大学のゼミで政策について勉強していたのは、官庁訪問で議論するうえでもよい経験でした。サークルは発展途上国関係の活動をしていました。自分がどのような問題意識をもって、どのように主体的に活動し、何を学んだのか、という話は官庁訪問でも聞かれるので、学生生活において、積極的に何か(社会的活動でも部活でもなんでも)に打ち込むことは大事だと思います。3年生の夏以降には、官庁や民間のインターンシップや説明会に参加したりしていました。第 1 志望は官庁でしたが、民間企業にもいくつか興味のある企業があったので、民間就活もしていました。結果的に視野が広がったので、民間就活はやって良かったと思います。ただ、法律区分の勉強が佳境になるにつれて説明会やインターンシップの参加がある程度制限されてきてしまうので、早めに法律区分の勉強を始めて余裕があればよかったなという反省はありました。

「内定と進路決定」の理由

内定にかけて一番重要だったのは官庁訪問でした。単に官庁訪問直前期に付け焼刃で政策を学ぶだけでは足りず、自分の今までの経験から得た問題意識や取り組みたいことを問われました。そういう意味で、実際に法律区分の試験対策で忙しくなる前の大学生活において、自分なりに関心のあることに取り組んでみることは非常に大事でした。私の場合、障害者福祉施設でのボランティア経験や、母子家庭の貧困をテーマにしたゼミから学んだことについて話すこともありました。自分の志望動機を具体的に話し、どうしてその省で働きたいのかを熱意をもって伝えることを意識していました。厚生労働省に決めた理由は、自分の力ではどうしようもないような 状況(病気、障害、要介護状態、貧困など)に置かれている人たちが、「自己責任だよね」と放置されるような社会ではなくて、社会や行政が自立に向けて支援するような社会であってほしいという思いが自分の根底にあり、また、そのうえで厚生労働省の理念や雰囲気、人に一番惹かれたからです。

どのようにモチベーションを維持しましたか

法律区分の勉強がそれなりに大変な中、民間企業にも魅力を感じることはあったので、迷う時期もありました。ただ、そういうときは、省庁の説明会・座談会に参加したり、一緒に官僚になるために頑張っている友達と話したりして、自分がやりたいことを再確認していました。

最後に

厚生労働行政分野は、課題が山積している分野でもありますが、人々の生活に一番密接にかかわる分野でもあります。大変なこともあるとは思いますが、最後まであきらめずに責任感をもって政策形成をする国家公務員でありたいと思っています。
国家公務員を考えていらっしゃる皆さんへ。国家公務員は、政策というツールがあるので、社会問題に対して責任と影響力を持つ仕事だと思います。やりがいのある仕事だと思うので、ぜひ自分が取り組んでみたい分野を探してみてください。