10年後の自分がどのような人間になっていたいかという観点から国家総合職を志望しました。
T.S さん
◆ 受講講座 : 国家総合職(法律区分・教養区分)コース 本科生
◆ 最終合格 : 国家総合職(教養区分)
◆ 内 定 : 経済産業省、民間企業(総合商社、銀行)
◆ 予定進路先: 経済産業省
※プロフィールは、2018年合格時点のものです。
はじめに
経済産業省のインターンに参加し、国レベルで課題に取り組むダイナミックさと所掌分野の広さ、また大胆かつ立派な職員の方々を目にしたことで、10年後の自分がどのような人間になっていたいかという観点から進路として考えはじめました。民間就活も行いたいと考えていたので、秋の教養区分の合格を目指して教養区分対策も行っている受験指導校で勉強しようと思い、また、法学部の友人が多く通っていたことと実績から伊藤塾を選ぶことにしました。
私がとった勉強方法
基礎能力試験(多肢選択式)について
科目数が多いことから、いくつかは勉強せずに臨むことも考えたのですが、幸い大学受験の時の知識が抜けきっておらず、覚えている分野も多かったため、理科や芸術分野を重点的にインプットして幅広く点数を取ることにしました。数的処理や英語など、過去に培ってきた経験を活かすことで得点が期待できる科目と、法律や経済のようにテキストを読むことで頭に叩き込む科目との違いを明確化させ、一ヶ月弱という短い時間でしたが集中して準備したおかげで悪くない点数で終えることができました。
伊藤塾の対策テキストを活用し、読みやすい解答を書くことを心がけました。どのようなテーマが出題されるかが本番にならないとわからない状態なので、どのような出題でも最近のトレンドを押さえられるように新聞を読み込んだりテーマごとにインターネットでリサーチしたりと、日々の情報収集に努めました。
一方で、伊藤塾の講義では「知識を書き連ねるだけではダメで、流れを構成して主張の形にすること」というのを教えられていたので、本番は頭の中の情報から取捨選択し、論文として一貫したものとなるよう心がけました。
政策課題討議・企画提案について
政策課題討議試験については、民間企業就活のグループディスカッションがいい経験にもなったので、積極的にインターンシップの選考などを受けるようにしていました。一方で、公務員試験独特の出題や時間設定などもあるため、政策テーマを仮定して友人とディスカッションを行うこともしていました。伊藤塾の講義でも討議試験時の注意すべきポイントなどを教えてくれていたため、メモをしておき当日会場で読み込んでいました。
企画提案試験は事前にテーマが判明しているため、リサーチして自分で発表のための資料を作成し、友人とお互いの政策についてコメントし合うというのを繰り返していました。政策の着眼点や出口は人によってバラバラなので、正解を探すというより自分が何を重視してそのような政策になっているのかという一貫性を強固なものにしていくことが必要だと思います。
面接・集団討論について
伊藤塾の直前対策で模擬面接を行いました。とにかく場数を踏みコメントをもらうことは大事だと思っていたので、民間企業就活の面接や友人同士での面接練習などを有効活用しました。また、面接の映像を録画して自分で見返すことで、姿勢やジェスチャーなどを見直していました。面接は評価基準も曖昧ですが、対策しておくことは損にはならないと思い、他の試験と同様に時間を割いていました。
官庁訪問について
省庁の説明会などには何度か出席したため、官庁訪問でもあまり緊張することなく終えられたと思います。官庁訪問では多くの職員の方が仕事の話をしてくださるので、会話を楽しめるように、同時に知性や自分らしさを出せるように普段通りのスタンスで臨むことが大事と伊藤塾で教えていただきました。
どのような形式でどのような基準で評価されるのかなどの情報収集はしておくに越したことはないので、伊藤塾の内定者の方のお話(相談会や講演会)や省庁の秘書課の職員様との会話などで積極的に準備をすれば本番も充実した状態で官庁訪問ができると思います。
普段の生活と試験対策
教養区分の1次試験は夏休み明けだったので、9月ごろから本格的に勉強をはじめました。民間企業のインターンなどとも併行して行っていたのでハードでしたが、計画を立てて着実に進めたので結果に結びついたと思います。
2次試験はそこから時期が空いたので、大学の授業やアルバイトを行いつつ、友人と対策を進めていました。1次試験はどれだけ時間を注ぎ込めるかが大事だと思います。特に、民間企業の就活も思い切りやろうという場合にはスケジュールの組み立て方が難しく、もう少し計画的に行っていれば良かったかなと今になって感じています。
民間企業の就職活動について
社会や国のために貢献したいという思いはありつつも、公務員はそのための手段にすぎず、さまざまな企業がさまざまな形で貢献していると感じたため、業界を絞らずに広く企業のインターンシップに参加していました。公務員という選択は公務員試験という壁を乗り越えねばならず、最初は躊躇していましたが、インターンシップと併行して教養区分に合格できたことで選択肢として考えることができるようになり、以降省庁の説明会などに参加して志望度を高めていきました。
さまざまな選択肢を考慮したうえで最後に決断できたことは、民間就活と並行したメリットであり、仕事をするうえでも視野が広がることにつながるのかなと感じていますが、忙しい学生生活で全てを両立させるのは簡単ではなく、公務員への志望度が高い人は多少選択を絞ってでも官庁訪問に集中するのが良いとも思います。
内定と進路決定の理由
魅力的な企業、社員、職員の方に多くお会いし、出会いに恵まれた就職活動だったと思っています。
最後は、官僚という選択が今しかできないこと、人材へ惜しみなく投資するという経済産業省の器量と覚悟、そして激務とされる環境で培われるタフネスさ、働いてらっしゃる方々への憧れなどから公務員の道を選ぶことにしました。
どのようにモチベーションを維持したか
疲れたら眠る、時間を区切って集中する、リフレッシュのために映画を観るなど、これまでの受験戦争で培ってきた自分のルーティンを維持していました。また、大学受験などもそうですが「落ちても人生が終わるわけではない」と肩の力を抜く方が、結果としてパフォーマンスも上がるように思います。その意味でも様々な企業を見てみることは公務員試験へのモチベーションにも良い影響を与えていました。