約15年分の過去問から作られている「これ完」。繰り返し解くことで法律区分に特化した演習を相当こなせました。
Cさん
◆ 受講講座 : 国家公務員総合職(法律・教養)対策講座
◆ 最終合格 : 国家総合職 法律区分
◆ 内 定 : 国土交通省
◆ 内定(民間) : 独立行政法人
◆ 予定進路先: 国土交通省
※プロフィールは、2019年合格時点のものです。
はじめに
大学進学をきっかけに上京しており、地元での生活と東京での生活を比較する中で、これからの地方と都市のあり方を始めとした日本の社会問題について、漠然とではありますが関心を持っていました。国が抱える課題に少しでも貢献できればとの思いから、様々な進路を検討する中で、社会のあるべき姿を考え、現状をそこに近づけていくことをも担う公務員の仕事は、使命感を持って頑張っていけるものだろうと考えたことが、公務員を志望するきっかけとなりました。
公務員試験の受験を決めてから官庁訪問まで1年を切っており、受験指導校に通った方が良いだろうと考えていました。なかでも伊藤塾は法曹志望の友人が多く利用していたため、法律学習については安心感がありました。また、公務員試験の実績を見ていたところ、伊藤塾は内定にフォーカスを当てており、国家公務員の就職活動において官庁訪問を重視していた私に最も合っていると思ったため、入塾を決めました。
私がとった勉強方法
専⾨試験(多肢選択式)について
教養区分(一次落ち)の受験後に対策を始めました。時間がなく、一次試験重視で勉強を進めました。
憲法・民法・行政法は「これ完」の繰り返しと並行して条文の確認やテキストの復習を行いました。選択科目は国際法・労働法・経済事情・財政学を選択し、「これ完」とテキストを繰り返しました。
「これ完」は約15年分の過去問から作られており、繰り返し解くことで法律区分に特化した演習を相当こなせたと感じました。また、Web版の「これ完」も活用することで、電車移動の時間なども無駄にすることなく勉強できました。
始めのうちは問題が解けず、試験までに解けるようになるのか不安になると思いますが、苦手な科目でも2〜3度解くと、勉強したことが身についてきていることに気がつくはずです。
私は4度目からは間違った問題や不得意な分野に絞りましたが、最終的に憲法・国際法・労働法は5回、行政法は6回、苦手な民法は7回繰り返し、試験までに十分な知識を身につけることができました。
試験対策のペースについてですが、私の場合はとても遅く、民法と行政法は大学の期末試験後の2月頃から、国際法と労働法は3月の頭に1週間くらいで講義を聴き終えてから「これ完」を解き始めたため、非常にギリギリなものとなりました。この反省を踏まえると、目安としては、必須科目については年内に「これ完」を1回、選択科目については年明けには「これ完」を解くことがポイントになると思います。
専⾨試験(記述式)について
記述試験の対策は一次試験の受験後に始めました。対策としては、事例問題の論述の組み立て方を押さえたうえで、過去問集や予想問題などを利用し、論点抽出と論点の記憶を繰り返しました。答案を毎回作成する必要はありませんが、各科目一定のペース(週一など)で実際に書くことがポイントです。
一次試験に比べ倍率は低いものの、記述試験は取り組んだだけ得点につながるため、十分対策した受験生とそうでない受験生で差がつきます。私は一次試験の得点である程度貯金があったため、記述試験は平均点を確実に取って守るプランを立てたのですが、対策の不十分さから大きく点を落としてしまいました。伊藤塾は記述対策に力を入れており教材も豊富なため、添削などを利用しながら、なるべく早く対策を始めましょう。
基礎能力試験(多肢選択式)について
専門8割、教養5割を一次試験の目標としていたため、教養科目は20点を死守することを目指しました。教養科目についてはこれまでの受験経験で勉強したことのある科目が多かったことと、時間がなかったことから、時事に絞って対策を行いました。時事のテキストは詳細かつコンパクトに作られており、官庁訪問までに近年のニュースにひと通り触れることができたという意味でも、非常に役立ちました。
一般論文試験(記述式)について
政策論文についても、一次試験の受験後から対策をしました。差がつきにくく、基準点を下回ることもあまりないため、論述の組み立て方や時事のテキストで近年のニュースを確認するなど、最低限の対策に留めました。普段から時事問題などに対して自分なりの考えを持つようにしていれば、本番でも同じような思考ができれば問題ないと思います。ただし、稀に答案を作りづらい出題も見られるため、講師の方々に何度か答案を見てもらうと安心ではあると思います。
面接・集団討論について
人事院面接対策では春に面接カードの添削をしていただきました。また、当日の流れなどでわからないことがないよう、面接対策の教材を読み込み、事前に雰囲気などを把握するようにしました。そのため、あまり緊張せずに臨むことができました。
官庁訪問について
試験で良い結果を出したものの、官庁訪問では残念な結果に終わったという人を複数知っていたため、官庁訪問を何よりも重視して対策していました。第一志望については夏と冬に2回インターンシップに参加しました。また、説明会やイベントなどは、第一志望と第二志望の省庁については、9月から官庁訪問前までそれぞれ20回ほど参加しました。
11月頃からは官庁訪問を意識し、伊藤塾の官庁訪問体験記を読み込んだり、説明会に参加して考えたことを踏まえて自分なりに志望動機や各省庁の違い、政策分野に対する見方などをブラッシュアップしたりしていました。
官庁訪問直前に柳原講師にカウンセリングをしていただいたのですが、「国家公務員としてどのような社会にしていきたいか、自分なりのビジョンを持って官庁訪問に臨んでほしい」という言葉をいただき、身が引き締まりました。このアドバイスをもとに、最後にもう一度考えを整理し、嘘偽りのない自分の言葉で志望動機を組み立て、官庁訪問に臨むことができました。
普段の生活と試験対策について
年内までは省庁の説明会、大学の授業、ゼミ論作成、サークル、アルバイト、ボランティアと並行して試験対策をしていたため、勉強する時間が十分にあったとは言えませんでした。そのため、アルバイトの休憩時間や説明会で霞ヶ関まで移動する電車の中など隙間時間を利用し、勉強をしていました。また、どれだけ忙しくても夜に2〜3時間は公務員試験のための勉強時間を確保するようにしていました。年明けからは省庁の説明会に参加する以外のときは勉強をするような生活を送っていました。
民間企業の就職活動
民間企業はパブリックな業界を中心に4社ほどエントリーしていました。ESは全て通ったものの、公務員の志望度が高く、試験勉強との兼ね合いで2社の面談を辞退しました。残りのうち1社は4月に一次面接で落ちてしまったため、最終的にインターンに参加していた1社だけ選考を受け、内定をいただきました。その企業の選考は1時間ほどの個別面談を複数回繰り返すというものだったのですが、これは官庁訪問までの面接慣れという意味で非常に良い経験となりました。社会人と長時間しっかりとコミュニケーションを取る能力というのは一朝一夕には身につかないため、官庁訪問までに色々な機会を利用した方が良いと思います。
どのようにモチベーションを維持したか
試験勉強の傍ら参加し続けていた省庁の説明会やイベントで、後の入省同期や霞ヶ関同期となる多くの友人と出会うことができ、そのことがとてもモチベーションになりました。また、志望省庁の政策やお互いの志望動機について大学の友人と意見を交換し合っていたことも、モチベーションを維持することができた大きな要因でした。
二次試験の直前に民間企業から内定をいただいたときには、就職活動をやめようと思えばやめられる状況ができてしまい、モチベーションが削がれそうになったことがありました。そのような時も、国家公務員を目指す中で出会うことのできた友人たちの存在が、自分を奮い立たせてくれたように思います。
最後に
かねてから第一志望であった国土交通省に内定をいただいて嬉しくもあり、同時にこれから国家公務員として気を引き締めて頑張っていこうという思いも抱いています。
学生生活や就職活動を通して、世の中には色々な人がいて、それぞれの立場から色々な見方をすることができ、その見方一つひとつが一定の正当性を持っているという考えを持つようになりました。色々な考え方がある中で、公務員は世の中全体で見たときの正しさを追求していく必要があるため、多様な価値観に対する理解をこれからも持ち続けたいと思っています。
また、世の中を良くしたいと考えているのは決して公務員だけではないということも痛感しました。たくさんの方々のおかげで様々な分野や地域が支えられているということを忘れず、そういった方々と一緒に頑張っていきながら、多くの人に頼っていただける社会人になっていきたいと考えています。