後悔のない進路選択をするためには、自分は何を重視するのか、何が自分にとって大切なのかを意識しておくことが大事
Mさん
◆ 受講講座 : 国家公務員総合職(法律・教養)対策講座
◆ 最終合格 : 国家総合職 教養区分
◆ 内 定 : 総務省
◆ 予定進路先: 総務省
※プロフィールは、2019年合格時点のものです。
はじめに
家族が公務員であることや社会の様々な問題に関心があったことから、公務員を目指すことにしました。その中でも国家公務員総合職を目指そうと思ったのは、最前線で日本の課題に取り組めること、形に残る仕事がしたかったことなどが理由です。自分の住む国である以上良い国であってほしいという思いから、自らそれを実現しようと国家公務員総合職について、大学2年生の頃から本格的に調べ始めました。
指導校については、周囲に受講者が多かったため伊藤塾を選択しました。周囲は司法試験講座の受講者がほとんどだったのですが、伊藤塾のパンフレットを見た際に公務員講座も内容が充実していそうだと感じたため、受講を決めました。内定を獲得できたのは、講師の先生方が試験合格・内定獲得に特化したノウハウを直接教えてくださる豊富な講座やサポート体制のおかげだと思います。試験についての充実した情報が本番でも役に立ちました。
私がとった勉強方法
はじめは教養区分と法律区分の両方を受験する予定で、そのうち他の併願も考えようという感じだったので、3年生の7月頃までは、春から始まったゼミに参加して教養論文対策を2週間に1回程度行っていました。それ以外は法律区分の一次試験対策として、配信された憲法や行政法の講義を見て該当範囲の「これ完」を一度解いてみるくらいで、本格的な勉強はまだしていませんでした。この時期はゼミで教養論文の具体的な書き方や念頭に置くべき実際の政策、時事問題などについて非常にわかりやすく解説をしていただいたおかげで、抽象的な提案で終わらない論文を書ける素地が身についたと感じます。
教養区分の基礎能力試験対策を本格的に始めたのは一次試験の一か月くらい前でした。過去5年分以上の過去問を時間内で解くのを何度も繰り返して正答率が上がるようにしました。特に数的処理・資料解釈や、知識が足りなかった自然科学・人文科学・社会科学は「これ完」と「スーパー過去問」(実務教育出版)も一通り見ました。数学に抵抗があまりなかったので比較的楽でしたが、一番力を入れたのはやはり数的処理対策だったと思います。間違えた問題を正解するまで解き直すことを、徹底して繰り返しました。
一次の合格がわかるまでは民法の択一対策をしていましたがあまり身が入らず、10月末に合格がわかってからは、一か月後の二次試験に向けた対策に急いで取り掛かりました。伊藤塾では企画提案、個別面接、政策課題討議の模擬にそれぞれ一回ずつ参加して対策をしました。いずれも実際に人の前で話す練習になっただけでなく、自分の詰めの甘い部分や改善すべきポイントが明確になり、何を準備すればよいかを講師の先生方にアドバイスしていただけたのは非常にありがたかったです。模擬を一通り受けた後は企画提案対策とエントリーシートのブラッシュアップに力を入れました。前者では、提示されていた資料の全体を通しで読んで自分の論文に使えそうな部分をピックアップしたり、出そうな問題を3つくらい予想してそれぞれについての模擬解答を作ったりしました。後者では特に志望動機に具体性を持たせることを意識して深堀りを徹底しました。本番でもこれらの準備が活かされ、合格につながったと思います。
官庁訪問対策でも直前のカウンセリングにお世話になりました。希望省庁の資料はたくさん持っていたものの具体的に自分の中の志望分野として語る要素が弱かったことがわかり、そもそもなぜ公務員か、なぜ国家総合職なのか、なぜその省庁なのか、興味のある分野は何かを一つずつ一緒に検討してくださったおかげで動機をしっかり言語化することができました。また自分でも志望省庁の出している白書や興味分野の資料を調べ、具体的な問題意識や政策の実際をざっくりと頭の中に置いておきました。
普段の生活と試験対策について
教養区分一次の勉強を始めるまでは大学の授業やゼミの課題の方に比重を置いていましたが、8月に参加した省庁のインターンを通して教養区分対策に力をいれようと奮起し、以降はアルバイトの量も減らし試験対策をしました。秋以降は大学の授業などが重ならない限り業務説明会やワークショップに参加し、志望省庁の情報はよくチェックしていました。サークルの係の仕事と教養区分の二次対策の時期が重なった時が一番忙しかったですが、その時のサークルの仕事も後々官庁訪問の中で話す材料になったので、乗り切ってよかったと思います。
民間企業の就職活動について
教養区分合格後、官庁訪問までにもし内定がもらえれば安心材料になると思い、民間就活も少ししました。ですが、情報収集が不十分だったりESを数社しか出さなかったりと本気で臨まなかったため、内定にはつながりませんでした。金融系の一社は選考が進んで5月~6月に頻繁に面接や面談をしました。そこでのメリットとしては、一対一という官庁訪問の原課面接と似たような形で面接官と話す練習ができたことや、逆に国家公務員の志望動機の掘り下げができたことです。デメリットは、モチベーションが低い中での就職活動がシンプルに気乗りしない点でした。面接の場で「公務員には興味がない」と言うことができていれば、もしかしたら内定につなげられていたのかもしれませんが、アピールできる自分の能力と民間へのモチベーションがそこまでだったんだろうと逆に吹っ切りました。面接の中で気づけたことや身についたことがあったので、民間就活をしておいてやはり良かったです。
どのようにモチベーションを維持したか
始めは教養区分での合格は厳しいだろうから法律区分に向けて勉強しようと思っていましたが、8月の終わりに省庁のインターンに1週間参加した際職員の方々に応援していただいたことをきっかけに、教養区分での合格を目指して基礎能力の勉強に本腰を入れました。それ以降も定期的に第一志望の省庁の職員の方々とは連絡をとったり自分も説明会に参加したりすることで、そこでお会いする職員の方々と自分も一緒に働きたいという思いを確認し続けていました。
最後に
自分はどんな部署においても、物事の本質を常に見極める姿勢を忘れない公務員を目指したいです。そのためには社会に出てからも、様々な人とコミュニケーションをとることを常に意識したいと思います。また自分の就活を通して、どのような進路をとるにせよ後悔のない進路選択をするためには、自分は何を重視するのか、何が自分にとって大切なのかを意識しておくことが大事だと気付きました。アドバイスできることがあるとすれば、自分がいいなと思った省庁、職種、業界があれば、どうしてそこを良いと思ったのかを具体的に話せるようにすることと、積極的にそこに関する情報収集をして足を運ぶことの2つをお伝えしたいです。