真の法律家・行政官を育成する「伊藤塾」
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伊藤塾の講義で官僚として法律を作るうえでのリーガリマインドが形成

総務省

Xさん
 

合格者イラスト
◆ 出身大学 : 国公立大学文系学部 4年
◆ 受講講座 : 司法試験入門講座本科生、国家公務員総合職(法律・教養)対策講座
◆ 最終合格 : 国家総合職 教養区分
◆ 内    定 : 総務省
◆ 内定(民間) : 外資系コンサルティングファーム、日系投資銀行、日系コンサルティングファーム
◆ 予定進路先: 総務省

※プロフィールは、2019年合格時点のものです。

はじめに

国家公務員を目指したきっかけは、小学生の時に親戚から緑のパスポートを見せられて、当時緑が好きだったので漫然と憧れをもったことである。その後、中高時代に国家を動かしている官僚という職業が、なにをしているのかはわからないが、なんとなくかっこいいと思い続けた。そのなんとなくの思いのままとりあえず試験を受けたという感じである。国家公務員試験に合格したあとに、真面目に職業について考え始めたので、職業を選ぶという観点で官僚を見たのは大学23年になってからだった。理想とする官僚像は、正直特に明確なものがあるわけではない。というのも、これからの時代は官僚として生きるだけではなく、マルチキャリアが中心となると確信しており、既存の官僚がロールモデルとはなりえないと思っている。組織人としての1番の目標は仕事で成果を出し続けることである。仕事で成果を出すことが、社会において唯一の自分の存在基盤になる。官僚として、民間事業者として、国際機関の職員として、研究者として、様々な役割が今後とも求められるが、その全てで成果を出し次の世代にとってのロールモデルとなり、日本あるいは社会、それだけでなく自分の利益に資する人間になりたい。
数ある中で、伊藤塾を選んだ理由は、国家公務員の法律区分で高い席次を修めようとすると、司法試験の対策を行うことが1番の近道であると考えたからである。そのために、予備試験で最も良い実績を出している司法試験対策の講座を選んだ。目標は大学3年の教養区分あるいは4年の法律区分で合格することで、勉強のみに集中する期間を作りたくない私は大学2年の頭という早めの時期に勉強を始めることに決めた。結果、大学2年次の秋の教養区分で合格したため法律区分は受験しなかったが、これから官僚として法律を作るうえでリーガルマインドの一部が形成されたと感じている。これは非法学部の私にとって、伊藤塾に通い伊藤塾長からの講義をはじめとし様々な講義を受け法律の世界に触れなければわからなかったことなので、意義深いことだった。また、大学2年で試験に合格したことで、民間も含め様々な将来の可能性を検討することができた。それにより、自分の将来・就職についての考えが深まったように思う。

私がとった勉強方法

試験の合格にあたっては、教養区分2次試験の面接と企画提案試験のみを重点に、1次試験後から2次試験までのみの期間、1ヶ月ほど集中して真剣に勉強をした。1次試験の択一試験に関しては、司法試験入門講座を受けていたため、法律の短答を正解することはできた。また論文は伊関講師のゼミで2回ほど答案を見ていただき、リーガルライティングの基礎を学んだので、それである程度のものを書くことができた。2次試験の面接は、民間就活を全くしたことがない中、初めて臨んだので最初の出来はかなりお粗末だった。伊藤塾の講師にESの書き方や面接指導をしていただき何回も指摘を頂いたことで、その都度指摘されたことを修正し改善した。その結果、大学2年で研究や学生時代頑張ったことなどを語ることが少ない中でも、まずまずの評価をいただけた。政策論文試験も全く同様であり、どのような答案を書けばよいのかわからない中で、最初はほとんどなにも書いていないものを講師に提出した。そこから、方法論をお伺いし、どのような形で書けば説得力のある答案が書けるかを、修正を重ねることで学んでいった。その結果、当日は非常に良いパフォーマンスが発揮でき、面接官の方に褒めていただいた。
官庁訪問に関しては、普通の企業の面接と同様、マッチングの問題であるため、事前期間から人事としっかりコミュニケーションを取ることを最優先した。説明会や人事との対話を通じ、どこの省の空気感が合いそうでどこの省ではあわなさそうか、どの分野の政策に興味を持っているのかの具体化をし続けた。その結果、人事課面接でも事前に自分がどのようなことを考えているのかを理解してもらっていたので、お互いの共通意識をもとに話しすることができたと思う。また、原課面接でも説明会に参加していたことで、政策内容にもある程度詳しくなっていたため、的はずれな質問をすることは少なかったように思われる。官庁訪問では、様々な省で様々なデマが流れている。そのデマの一つひとつに騙されることなく乗り切るのは非常に困難である。このデマに流されて、訪問する順番を変えたり志望度を変えたり、色々見失う人が非常に多い。結局正しい情報を持っているのは各省の人事だけなので、人事と常に対話し信頼することが重要だ。信頼できない人事がいる省に入ることは、そもそも不幸であると思うので、信頼できる人事がいる省を受ける必要があると思う。
民間就活と併願のポイントは、試験に早く受かることである。公務員試験がある中で、民間就活にも力を入れることはかなり難しい。そもそも、民間就活同士の業種をまたぐ併願でもなかなか大変だ。なので、早めに就活を始めて、常に受けている企業を5社以内に調整する、そして試験に早く受かる、行ってもいいなと思う会社に早めに内定をもらう。これらが重要になると思う。

普段の生活と試験対策について

試験勉強は1ヶ月のみ集中して行ったため、その期間は大学にも行かずバイトもせず国家公務員の試験のみに向き合っていた。その期間、周囲の友達にも協力してもらい、自分の性格などの自己分析をした。また、夏休みに政策立案コンテストに参加し、現役の官僚に政策を見てもらった。その結果として、政策立案イメージにも繋がり、実際の試験での採点ポイントが予測できた。
大学の授業では、財政学と国家公務員就職セミナーみたいなものを受講したのが役に立った。国家公務員セミナーでは、毎回各省の現役の職員が省についての講演を行っていた。そこで、感じの良かった人、悪かった人、面白いと思えたトピック、つまらないと思ったトピックがなんとなく絞れた。財政学は、政策立案で財源を説明する際に、どのような税金で確保すればよいのかをなんとなく念頭に入れて話した。結果的に、それほど意味のあるとは思えなかったが、質問で税のことが聞かれることがあれば教養として役立つと思う。
内定に一番影響したと思うのは、インターンシップと業務説明会である。1回1回が選考対象になっていて人事から見られているという強い意識を持って臨んだ。説明会に20回ほど参加したが、それに常に全力で臨むことで、本気度や優秀さをアピールできたと思う。

民間企業の就職活動について

民間就活の選定軸は、日本の国際競争力にどれだけ貢献できるか、社会的インパクトがどれだけあるか、給料の高さ、新卒カードを切って入る価値がある企業かである。自分は、経済官僚になりたかったこともあり、社会の構造を知るために主要な人気業界は全て自分の目で見た。
その中で、コンサル・投資銀行・総合商社への入社を真剣に検討した。コンサルは経営という観点で、クライアントに対し提案を行う。一つひとつの企業の改善をすることで、社会の改善を図ることができるのではと考えた。投資銀行は、M&Aの提案やリスクの高い分野でのリスクマネーの供給ができることに意義を感じた。非常に社会的影響力が大きいうえ、スキルが最も身につくと思った。そして、総合商社は事業投資が自ら主体性を持ってできることに意義を感じた。
民間就活のために行った、面接アピールの慣れとブラッシュアップ、多様なステークホルダーの利害の認識は、官庁訪問で非常に役立ったと思う。面接で適切に自分の能力をアピールするという能力を身につけるのは、結構難しい。これを他者から常に評価され続けることで、身につけられたという意味でも民間就活は大きい。また、正直民間就活のほうが公務員での面接よりも評価がシビアで困難だった。事前に内定を数社もらっていることで、自信にもなると思う。
公務員の就活で誤解だと感じていることは、官庁訪問は民間での就活とは異なる特殊なものであるという発想である。民間と官庁で見ているものは基本的に同じで、一緒に働きたいかどうかである。民間と官庁で見ているものが違うとか、官庁が特殊だと思い、アピールを間違えないためにも民間就活はするべきであるしデメリットはないと感じる。

どのようにモチベーションを維持したか

モチベーションの維持は非常に困難だった。特に、民間企業の内定後、初任給がオファーレターで提示されたときに正直心が揺らいだ。官庁で課長補佐になったときの給料とほぼ同額が初任給でもらえるからだ。お金はないよりある方が良いし、自活したことがない中でお金がどれだけ重要かもまだわかっていない。それのありのままを省庁の人事に相談した。そのときに、お金は大事だがそれよりも大事にしたいものがあるのではないかという話を受けて、言葉にすると陳腐だがこの人達と一緒に働きたいと思った。民間の就活が早く終る中で、官庁訪問はなかなか始まらないし、やる気は薄れていくし、不安感だけが募る。そのときにも、説明会に継続して参加する習慣をつけて、人事とその都度話すことでモチベーションを維持し続けられたと思う。

最後に

これから就職活動をはじめるみなさんが、一人でも納得のできる選択肢を選べることを祈っております。役所で働くことだけが社会貢献ではなく、自分が最も社会に提供できる価値が大きいところで働くことが最も社会貢献につながると思っているからです。民間企業や役所など幅広い選択肢をみて、最善の選択肢を選んでください。一方で、ぜひ優秀な皆さんに役所に来てほしいと思っています。日本をより良い国にするためには、当然優秀な公務員がたくさんいることが必要だからです。また、僕自身も優秀な後輩の方々と一緒に働きたいと思っています。
諸先生方には面接指導や講義など大変お世話になりました。ありがとうございます。
では、みなさんと同じ職場で働けることを心から楽しみにしております。試験や官庁訪問などストレスもたまると思いますが、頑張ってください。応援しております。