現在・未来の課題に対し、法改正も含め様々な政策を打てる国家公務員の仕事に魅かれた
Wさん
◆ 受講講座 : 司法試験入門講座本科生
◆ 最終合格 : 国家総合職 法律区分、国家一般職、衆議院事務局総合職
◆ 内 定 : 中央省庁
◆ 予定進路先: 中央省庁
※プロフィールは、2019年合格時点のものです。
はじめに
国民一人ひとりの生活を支えたいとの思いと、日本のプレゼンスを少しでも維持・向上することに貢献したいとの思いを叶えるため、公務員を志望しました。法曹と迷いましたが、法曹は所与の法律を解釈・運用することで過去の権利救済を図る仕事である一方、国家公務員は現在・未来の課題に対し、法改正も含め様々な政策を打てる仕事である点に魅かれ、後者を選択するに至りました。
学んできた法律を活かせる仕事として、漠然と公務員や法曹を意識していました。進路を迷っていたため、予備試験・司法試験で実績のある伊藤塾であれば、どちらになるにしてもきめ細やかな指導を受けられると考え、入塾しました。
私がとった勉強方法
試験勉強について
勉強を始めて間もない時期に、まず過去問を2年分ほど解いて、自分はどの分野で得点をしやすいか、またどの分野を重点的に勉強しなければならないかを把握しました。そのうえで勉強計画を立て、弱点をつぶしていきました。
私は、短答試験よりも論述試験のほうに比重を置いて勉強をしていましたが、短答試験を通らないことには何も始まらないので、4月は短答プロパーの知識を詰め込んでいました。過去問演習においては、できなかったところを振り返ってから、また演習を繰り返すことを意識しました。量より質を重視し、自身が忘れやすい知識や間違いやすい箇所をまとめたノートを科目ごとに作って見直していました。
私は、伊藤塾での公務員試験対策としては、ゼミを利用していました。このゼミでは、時間内で実際に論述問題を解き、簡単な解説のほか添削をしていただけます。短答試験よりも論述試験のほうを得点源にすることができたのは、ゼミでアウトプットを意識したインプットの仕方を学び、勉強を効率化できたからだと考えます。受験指導校に通うメリットの一つは、出やすいところを把握し勉強の効率を上げられることだと考えており、その点このゼミに通ったことは合格に近づけた要因だと思います。
人事院面接・官庁訪問について
まず、両者に共通のこととして、(1)自分の言いたいことを明確にすることと(2)それをいかに相手にわかりやすく伝えるかの工夫を意識して対策しました。それは、例えば「学生時代に力を入れたこと」について同じエピソードで話していても、苦労したこと、達成感を得たことなど、話の切り取り方や重点を変えれば、そのエピソードを通して伝わる「私」も変わることになると考えたからです。そのため、(1)相手に伝えたい事が伝わる適切なエピソードを選び、(2)自分がそのエピソードで何をアピールしたいのかが伝わる話し方、論理を掘り下げることをお勧めします。面接はその時々の状況に合わせたキャッチボールであることには留意しつつ、私は伊藤塾で面接カード見ていただく形で、特に相手に自分が意図した通りに伝わっているかの点を確認していました。結果、内々定をいただいたところ以外からも、「3クール目に来てくれれば一緒に働くことができる準備をしておく」とのお言葉を頂いた省庁もあったので、多少は有用な対策だったのではないかと振り返っています。
次に、相違点について、人事院面接ではなぜ国家公務員を志望するのかという核を聞かれます。一方、官庁訪問では訪問する省庁ごとに自分がそこで何をやっていきたいか、なぜそれに携わりたいのかというレベルまで深堀りをする必要があります。官庁訪問は日程上3つの省庁を回ることができますが、違う省でもできることではなく、その省でしかできないことは何かや、どの省のアプローチが自分の仕事を通じて社会に働きかけたいアプローチと近いのかを、熟考することが肝要です。このプロセスがその省を知り己を知ることにつながり、ひいては内々定につながるのだと考えます。
普段の生活と試験対策について
大学の授業はできるだけ出席するようにしていました。試験だけに集中仕切らず、趣味やサークル活動も続けるほうが、メリハリがつきますし、ストレスをため込まず有意義に時間を過ごせると思います。
民間企業の就職活動について
面接慣れのため、数社受けました。働きたいと思えるところから内々定を一つでも頂いておくと精神安定上よいことは言うまでもありませんが、あぶはち取らずにならないよう十分に注意してください。自分がもしも官庁から内々定を頂けなかった場合に、働きたいと思える民間企業があるのか、大学院進学も念頭に入れて官庁訪問をするのかなどをよく考えたうえで、民間企業の就職活動を進めることをお勧めいたします。
どのようにモチベーションを維持したか
自身が数年後働いている姿をイメージしていました。また、国家公務員になるとの選択が正しかったのかと悩むこともありましたが、やると決めた以上は、この選択が正しかったと思えるような努力をしなければならないと考えることで、モチベーションを維持しました。家にこもらず、学校に行くなどメリハリをつけて生活を送ることが有意義だと思います。
最後に
自分自身、これまでの経験を無駄にすることなく、また内々定を頂けたことを新たなスタートとし、これからも研鑽を続けていく所存です。加えて、初心や「国民目線」を忘れることなく日々の仕事に邁進したいと思います。
最後に、国家公務員、特に総合職の志望者が年々減少している事実がある中、この体験記を手にとり関心を持っていただいていることは、一内定者である私にとっても大変嬉しいことです。最終合格をしても、内々定をいただくことができる人は本当に一握りであることは数字が物語っています。国家公務員に限らず皆さんが真に働きたいと考える職場から内々定をいただけることを祈念しつつ、その職場が霞が関であればなお喜ばしいです。いつの日か、皆様と一緒に働けることを心待ちにしております。