公務員ゼミで学んだ知識や意見は民間就活でも十分通用するものでした
N.Nさん
◆ 受講講座 : 司法試験入門講座、地方上級・国家一般職対策講座
◆ 最終合格 : 神戸市
◆ 内 定 : 神戸市役所
◆ 予定進路先: 神戸市役所
※プロフィールは、2019年合格時点のものです。
はじめに
私は大学1年生の5月に法曹を目指して、伊藤塾の司法試験入門講座で学び始めました。1年生という早い時期での入塾を決めたのは、やはり学び始めるのに早すぎることはないと思ったからです。また2年生になってから入塾した大学の先輩方の話によると、塾よりも大学の授業が先行してしまい、テストや授業の中で何度も歯がゆい思いをしたと聞いたからです。
そこから2年ほど司法試験の勉強をしました。しかし何度復習しても、問題を解いても勉強した内容が身につかず、「こんなに勉強しているのに進展しないなんて…自分は法曹に向いてないかもしれない」と、焦りや挫折感を感じました。
そして大学3年生の終わりの春頃に、法曹になりたいという理想と自分の実力不足という現実に何とか折り合いをつけ、社会に貢献するには他にも様々な手段があると考えられるようになりました。
そこで私は地元である神戸市の公務員になりたいと考えるようになりました。もともと友人を神戸案内した時や、杖や車いすが必要な祖父母と神戸に出かけた際、外出先で困ったことや良かった点など気づくことが多かったです。そのように気づいたことを記録として残していました。このように神戸に興味があり、神戸が好きであり、地元に貢献したいという思いを活かしたいと思い、神戸市職員を目指しました。
公務員試験の一次試験では、民法や行政法など法律科目の問題が出題されますが、私は大学1年生の時から法律の勉強をしていたので、かなり余裕をもって公務員試験対策をすることができました。やはり法律を学び始めるのに早すぎることはなく、何事も無駄にはならないと感じました。
私がとった勉強方法
専門試験(択一式・多肢選択式)について
「これ完」を反復・継続して解きました。最初はそれぞれ問題をじっくりと解き、2度目からはスピード感をもって各科目を1日30~50問というペースで進めていました。はっきりと理解できない分野も、実際の問題をこなし解説を読むことで効率よく把握することができます。1年生からの司法試験入門講座での学習の効果もあり、法律科目の択一問題はスムーズにこなすことができました。
さらにゼミ演習のあとには、講師が頻出分野や受験生が間違えやすい問題などを重点的に解説してくださるので、自分では気づかない落とし穴を見つけることができました。
基礎能力試験(多岐選択式)・教養試験(択一)について
これも「これ完」を反復・継続して解きました。数的処理は定期的に解いて頭を動かしておかないとストレスを感じる分野でした。本番ではじっくり解く時間はないので、時間配分を決めて解いていました。何度も解くうちに問題や解答を覚えてしまい、意味があるのかわからないと感じ、講師にも相談しました。しかし、覚えているということはそれだけ繰り返し問題を解いており、内容が定着している証なので何も問題はないとアドバイスをくださり、安心したのを覚えています。
また国内外、その自治体の動向を把握しておかないとわからない時事問題も出題されるので、時事の講義の配信もしっかり学習しました。ニュース番組やネット記事などにも目を通し、神戸市関連のSNSをフォローし常に情報を取り入れるようにしていました。
一般論文試験・教養論文試験(記述式)
ゼミに必ず出席しました。佐藤講師のご指導の通り、「問題文を読み込み、設問に沿って、形式を守って」回答することを意識していました。自分の知識に頼らず、思い込みで論文を書かないよう、冷静に内容を組み立てるようにしました。
また良い回答を思いつかず自信がなかったとしても、時間内に最後まで書き上げるスピードや度胸も必要でした。
様々な課題に対する自身なりの考えを持つこと、書く力や時間管理能力など、論文の答案を書くにあたって必要な力は、ゼミに出席することで向上させることができます。
面接・集団討論について
グループワークのゼミでは、発表者・話し合う内容区分・時間配分を最初に決めるよう心掛けました。最初に発表者を決めておくと、心の準備ができます。また内容区分や時間配分を決めることで、議論にメリハリが生まれ、意見をまとめる流れを作ることができます。
また出た意見を収束していくだけでは不十分で、意見に対する反論や掘り下げをしないと意味がないという指摘もいただきました。本番で反論をするのは少し勇気が必要でしたが、確かに議論に深みを持たせるのに大いに役立ったと思っています。
面接に関しては、大学4年生の4月から模擬面接に10回ほど通いました。模擬面接をする度に予想しなかった質問を様々にされるので、毎回改善点が見つかりました。練習を積み重ねるうちに、神戸市の抱える問題に対する自身の意見もはっきり発言できるようになりました。
面接カードの内容も5月には完成させていました。面接カードはやる気や志望度を面接官にアピールするための一つの手段なので、趣味や気になる時事の欄もみっちり書くように学習しました。
普段の生活と試験対策について
大学の授業には出席していました。通学時間や授業の合間に「これ完」を解いて、少しでも効率アップを図っていました。大学に行くと友達とも話ができるので気分転換になりました。また大学の学期末テストの直前はそちらを優先して勉強しました。やはり単位を取って卒業しないと就職できないので。
また様々な業界を覗いてみたいという興味もあり、民間企業のインターンシップにもいくつか参加しました。グループワークや集団討論などが必ずあるので、公務員試験の練習にもなりました。また様々に就職活動をしている学生と交流するので、民間企業に関する情報も収集できました。
民間企業との就職活動について
佐藤講師が「民間企業を受けるなら2社がちょうど良い」とご指導くださったので、公務員に併行して商社を2つ受けました。なぜ商社という業界を選んだ理由としては、商品の川上から川下まで携われるのが魅力的だと感じた点が大きかったです。あとはスタイリッシュでカッコいいというイメージもありました。
公務員と比較して民間企業の面接は「幸せを感じる瞬間はいつか?」「嫌いなタイプの人間は?」などの人格面を問う質問が多かった印象です。なので、いくつかの面接を経て、どのような変化球の質問をされてもスムーズかつ適切に打ち返す柔軟性が身に付きました。やはり面接は場数を踏むことが大切で、公務員試験でもこの柔軟性は役立ちました。
逆に公務員ゼミでは、AIの動向や課題、良好な職場環境の整備の仕方など、民間企業も関わりの深い内容を学習していたので、その知識や意見は十分に通用しました。客観的に現状を分析できる力があるというアピールにも繋がり効果的でした。
民間企業を併願するデメリットとしては、エントリーシートを作成するために公務員試験の勉強をする時間が少し削られることです。また採用の電話がいつ掛かってくるかわからないので、いつかいつかと気になりストレスが溜まります。
どのようにモチベーションを維持したか
どうしても勉強するのが嫌な日が何度かありました。その時は「今日だけは遊んで良い」と決めて、好きなことをして発散しました。買い物に行く、イラストを無心で描く、ゴルフの打ちっぱなしに行く、好きなアーティストのDVDを観る、ずっと気になっていたお店で食事する等、様々な方法で息抜きをしました。
また大学4年生の5~7月頃は、周りの友人が民間企業から内定をもらい、自分よりも早く就活を終えていく状況に焦りを感じる時期でした。その時には、公務員ゼミで講師が公務員の仕事の良さや公務員になろうと思った動機を喚起してくださったことを思い出し、気持ちを落ち着けることができました。
最後に
現在、神戸市は人口減少、特に若者の転出超過という大きな問題を抱えています。私は神戸を、高齢者が健康に暮らせる、子育てのしやすい、若者に選ばれる街にしたいというビジョンを持っています。
祖父母や友人を神戸案内しデータを収集したときのように、神戸をより良くしたいという強い思いを持ち続け、神戸市のために仕事に取り組んでいきたいと考えています。
公務員試験は勉強始めから内定獲得まで、約1年半に及ぶ長期戦です。継続・反復して問題を解くだけでなく、面接や集団討論のためにスムーズにはっきりと物事を述べる練習も必要です。ただ手と頭を動かして問題を解いていただけの大学受験とは異なります。その点も踏まえて、伊藤塾の先生方が適切なご指導をくださるので、それに従っていれば自ずと結果は付いてきます。
最後に、私が公務員試験に合格できたのは、伊藤塾の先生方をはじめ、相談に乗り寄り添ってくださった事務員の方、公務員ゼミで一緒に頑張ってきた仲間、そして家族のおかげです。感謝してもしきれません。本当にありがとうございました。