本番で勉強した知識を使うことができたのも実践的な演習メインのゼミのおかげ
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厚生労働省 |
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公務員を目指したきっかけ

もともと国家公務員には興味がありました。年金問題や政権交代があった頃に、国の将来に危機感を持ち、小学校の高学年くらいには目指したいなと漠然と思っていました。ただ、国家公務員になって何をしたいのかが決まっていませんでした。大学2年の秋くらいから大学卒業後の進路についてきちんと考え始めるようになった際、ちょうど塾の講師をしていたこともあり、教育の分野で社会の課題を解決するために、国家公務員を目指したいと改めて思うようになりました。

対策スタートのタイミング

国家公務員を本格的に目指そうと考えたのが、大学2年生の1月でした。ちょうど前年度の学園祭の活動や大学が春休みに入ったので、一区切りついて将来について考えていた頃でした。その時は、教養区分ではなく、法律区分で合格することを念頭に、予備校を選んでいました。その中で、①司法試験で定評があること、②内定までサポートがあること、③教養区分の対策もしっかりしている、④受講料が割引されることという点から、伊藤塾を選びました。

伊藤塾のここが良かった!

他の予備校がどのようになっているのか詳細に知っているわけではありませんが、全体を通して実践的な演習が多かったことが良かった点ではないかと思います。例えば、過去問演習や模擬面接などの実際の試験に近いものを体験できることです。ただ、それ以上に試験に合格するだけ、内々定を得るだけではなく、それ以降の行政官として働くところまで見ていることが良かったなと思います。総合論文対策や志望動機のブラッシュアップで感じる行政官として必要な素養や考え方は、今後の職業人生で活きるものだと思うので、この経験を糧に国家公務員として働ければなと思っています。

私がとった勉強方法

◇基礎能力試験(多肢選択式)・教養試験(択一式)について
春夏学期は総合論文対策だけで精一杯だったのであまり進められず、夏休みから本格的に対策をはじめました。基本的には伊藤塾の過去問集を解いて準備していました。
知能分野は、数的処理と判断推理にほとんどの時間を割きました。解き方としては、一度問題を解き、間違えた問題は再度解き直すないし確認するといった具合に勉強して、解き方のパターンを身につけていきました。文章理解の問題は、教養区分の単年度過去問を解いた際に、載っていれば解いていました。インターンや学園祭の準備と重なり、順調に勉強できない時期もありましたが、暇なときは大学の図書館に行って勉強するなどして、短時間で集中して勉強するようにしていました。
知識分野は3月に社会科学や自然科学分野の講義動画を見ていましたが、本格的に対策をはじめたのは夏休みの後半(8月中旬)からでした。こちらも伊藤塾の過去問集を解いて準備していました。社会系の問題が比較的多い印象を受けていたので、人文科学(世界史・日本史)や社会科学(政治経済・地理・倫理)の問題に重点を置いて解いていました。特に文化史・倫理の思想が苦手だったので、その分野は塾のテキストや高校の倫理の参考書で補いました。一方、自然科学は高校時代に化学基礎と生物基礎をとっていて物理基礎も少しだけ習っていたこと、しかも地学部だったこともあり、ある程度は解けると考えてあまり時間を割きませんでした。解き方としては、一度解いた後に、解き直すのではなく解説を確認するのに時間を割きました。解き方ではなく、知識そのものが問われているので、解説とテキストを利用して、新たな知識の獲得を目指したからです。
◇総合論文試験、一般論文試験、教養論文試験などの記述式について
4月から総合論文対策のゼミを受講していました。ゼミでは、総合論文の過去問を解き、政策課題検討討議の練習も兼ねたグループディスカッションをゼミ参加者と行って問題の理解を深め、そのうえで、解答の仕方や解答に必要な知識について講師の解説を聴いていました。このゼミを受講することで、総合論文の書き方の構成や問題文の分析の仕方、論文を書くうえで必要となる知識を得る資料を提示していただけるので、効率的に勉強することができました。本来はこの後復習するべきなのですが、時間がなかなか取れなかったので、自分は夏休みから復習をはじめ、資料の見直しやゼミを受講したうえでどんな内容を書くべきかについて考えていました。また、総合論文、特にⅠ部で必要な知識(政治学・行政学・財政学など)は、4月から講義動画を見ることで対応することができました。実際に出た問題で、勉強していた知識を使うことができたので、伊藤塾のゼミを利用することができてよかったと思っています。
◇企画提案試験・政策課題討議・面接・集団討論などの人物試験について
(企画提案試験)
企画提案試験では、事前に試験問題に関連する資料が公表されるので、それを読み込んだうえで、企画提案試験で書けるような政策を考えるようにしました。伊藤塾からは、公表されている資料の解説と、予想される試験の問題例や読んでおくべき資料を挙げていただき、試験で書く政策の作り方を知ることができました。
二次試験の1週間前に自分が実行委員を務める学園祭があり、準備が最も忙しい期間だったためなかなか二次試験の準備に時間を割けませんでしたが、空いている時間を利用して何個か箇条書きで作成し、模擬試験の際や大学の先輩から、用意した政策についての講評をいただき、修正していきました。本来ならば、実際の試験同様文章にして書き起こしておきたかったです。
また、伊藤塾では模擬を実施してもらいました。模擬では、質疑応答まで実施していただけるので、実際の試験のイメージを掴むことができました。かなり突っ込んだ質問をされるので、それを事前に体験しておくことができてよかったです。
(政策課題検討討議・人物試験)
模擬試験を伊藤塾で1回、政策課題検討討議については大学内の有志の公務員志望のグループでも1回行いました。そのたびに、先生や内定者の方からフィードバックをいただきました。実際の試験に近い問題・質問を使って、レジュメの書き方や話の仕方、時間配分について確認することができました。
他にも、総合論文のゼミで、政策課題検討討議をイメージして、総合論文についてグループディスカッションをする時間がありました。ここでは、話す内容について講師の方が講評を付けていただけるので、どういう内容がよいコメントになるのかについて知ることができました。内容についても評価されるこの試験においては有効な練習だと思います。
人物試験では、面接カードの添削や模擬面接において丁寧なフィードバックが本番のわかりやすさ、対応力という点で役に立ちました。
自分はなかなかしゃべりだせないタイプだったので、まずはとにかくしゃべるように心がけるべきだったと反省しています。一方で、レジュメは上手に書けたので問題なかったですが、もし書けない場合は、事前に時間を測って練習しておくといいのではと思いました。
◇官庁訪問について
対策としては①面接で話せるようになることと、②自分の思いに沿って答えられるようにすることの2つなのかなと思います。前者は伊藤塾やキャリア支援室の模擬面接や民間就活の面接を活用しました。後者は伊藤塾の志望動機のブラッシュアップを通じて、「本当にやりたいこととは何か」を探す作業がとてもよかったです。40年働くかもしれない職場なので、志望動機の思いの部分に対して考える機会やフィードバックをいただけたことで、より自分の公務員像がはっきりしたと思います。このおかげで志望省庁を確定させることができ、本番でも内々定を得ることにつながったと思っています。

普段の生活と試験対策の両立について

公務員試験の勉強をしていた際にやっていたことは、アルバイトと学園祭の実行委員です。夏休みに少しだけインターンシップにも参加しました。アルバイトと学園祭の実行委員は、省庁の説明会や塾の模擬試験の際に、先方と調整して休みの融通を利かせてもらっていました。また、筆記試験は、短い期間で効率的に勉強する必要があったので、試験日から逆算してどの勉強がどれだけ必要かをある程度予測しながら勉強することを意識していました。ただ、教養区分の2次試験と学園祭実施日が同じ週だったので、11月はあまり両立できませんでした。繁忙期を予想して早め早めに対策をすることが必要だなと感じました。

モチベーションの維持の図り方

大学3年生のときは学園祭の実行委員をしていたので、試験勉強と両立することで、ある意味自動的に気分転換にはなっていたと思います。実行委員を辞めてからも、時々友達と旅行に行ったり映画を見に行ったりご飯を食べたりしていました。まずは、とにかく買い物でも何でもいいので家から出ること、遠出をすることが気分転換につながると実感しました。また、一人よりも誰かと一緒にいることで話し相手を確保することで、一人で抱えている不安な気持ちを解消することができるので、長い試験勉強を乗り切るうえで重要だと感じました。

民間企業の就職活動について

民間就活をした理由としては、一つ目に官庁訪問に向けた面接練習になると思ったこと、二つ目は官庁訪問が失敗した際のバッファーを確保することが挙げられます。見ていた業界としては、介護、教育、金融、保険業界です。「生活に余裕と安心感をもたらすことで望む人生を歩めるようにする」という軸のもと、高齢や病気、挑戦というリスクに対応する観点から見ていました。民間就活を経験して思うのは、どこであれ志望の強さが低いと落ちるということです。併願によって中途半端になるよりは、優先順位や受ける企業を定めてしっかりと企業研究をすることが大事だと思いました。

最後に

自分にとって国家公務員とは、自分が思う「理想」を叶える仕事だと思っています。それは、これまでの問題意識からこうあってほしいという「理想の社会」を追い求められる仕事という意味と、現実と戦いつつも「全体の奉仕者」として一部ではなくすべての国民のために働くという「理想の人格者」になるという意味があると思っています。一つの行動が国民生活に大きな影響を及ぼすからこそ、責任感を持ち、大局的に物事を見つつも、すべての国民の痛みに寄り添える国家公務員でありたいです。
国家公務員という仕事は試験だけでも大変なので、それだけ大変な仕事なのだろうと思います。官庁訪問が終わるまでの時間は終始自分との戦いだと思います。だからこそ「国家公務員になるんだ」という強い思いを持って臨んでほしいです。その思いはきっと行政官としての軸につながるのだろうと今は思っています。