高橋圭先生
中央ライズアクロスグループ グループCEO
司法書士法人中央ライズアクロス代表社員司法書士
<沿革>
平成28年8月 ライズアクロス司法書士事務所創業
平成29年7月 渋谷一丁目内にて本社移転(増床)
平成29年12月 司法書士法人ライズアクロス設立
平成30年4月 ライズアクロスグループ誕生 渋谷区内にて本社移転(増床)
平成30年12月 司法書士法人ライズアクロス 新潟支店設置
平成31年3月 司法書士法人ライズアクロス 札幌支店設置
令和元年10月 東京本社 港区虎ノ門へ移転
令和元年12月 司法書士法人ライズアクロス 世田谷支店設置
令和2年4月 司法書士法人ライズアクロス 札幌支店移転(増床)
令和2年6月 司法書士法人ライズアクロス 大阪支店設置
令和2年6月 司法書士法人ライズアクロス 鹿児島支店設置
令和2年7月 司法書士法人ライズアクロス 仙台支店設置
令和2年7月 司法書士法人ライズアクロス 名古屋支店設置
令和2年7月 司法書士法人ライズアクロス 福岡支店設置
司法書士試験を目指したきっかけを教えてください。
私は司法書士というより、起業家になりたいという思いが強くありました。雇用される側ではなく雇用する側、経営者として組織をマネジメントすることを目指しました。そして、自分には特別な才能がないだろう、ならば資格を取得するのが近道ではないかと考え、起業のための切符として資格を検討しました。さて、どんな資格をと考えましたが、ちょうど高校の時にロースクール構想が立ち上がり、司法試験も考えましたが一人前になるまでストレートにクリアしても20代後半、それなら合格後すぐに活躍できる資格と考えて司法書士を目指しました。調べてみると、業務の幅も広がっているので将来性も感じ、大学卒業の年に2回目の受験で合格しました。
合格後はどのようにキャリアを重ねていったのですか。
将来的に起業したい、独立したいという気持ちがありましたが、まずは司法書士としての実務能力を高めるのが重要と事務所に就職しました。入所したのは4拠点50人程度の法人で、基本的に不動産登記を中心に行う事務所でした。しかし配属になったのは会社登記や事業承継の部署で担当は二人だけでした。今でこそ事業承継はブームですが、当時はまだ手探り状態で、不動産登記を覚える前に、事業承継対策に起因する各種手続、商業登記のさまざまなケースについて学びました。自社内での事業継承を検討する企業が基本的なお客様でしたが、持ち株会社や資産管理会社の設立など、さまざまな提案を考え、そこで決定したことを会社法そして登記という手法で実行する、そのような業務を中心に司法書士実務力を鍛えました。東日本エリア全域を担当し、普段はなかなかお会いできないような地元の名士、経営者の方との会話はとても楽しく、自分自身も研鑽でき、このころの経験は大きな糧になりました。
そこから法人の代表になりましたがどのような経緯でしたか。
前述のように、不動産登記中心の法人だったのですが、リーマンショックの影響で仕事は激減しました。不動産部門はまさに瀕死状態で大打撃を受けました。一方で私が担当しておりました会社登記部門は、特に大きな影響はなくむしろ忙しい毎日が続き仕事も安定しいて、そんな時に「東京支店長としてパートナー司法書士としてやってみないか」と誘いがありました。ちょうど司法書士試験に合格して3年目26歳のころです。
そこから独立して現在のライズアクロス誕生までを教えてください。
支店長のポジションになってからは、自分自身でコントロールできる時間も増え、司法書士実務のほかにも営業的な観点からさまざまなことを考えられるようになりました。ある日、大阪本社に「営業費用などの経費は自分たちで負担するので利益の歩合制を検討してほしい」と提案しました。本社としては、大変有難いことに、この提案を受け入れてくれました。今でも前職のボスには心から感謝しております。独立採算の経営、ここが私の分岐点で、今のライズアクロスの原点になりました。そこからは、売上・人員共に、リーマンショック後の焼け野原の中で拡大し大阪本社と同等の規模まで成長することができました。その後、当時のボスの勧めもあり、東京事務所の私が管掌していた部門を独立させ、ライズアクロスが誕生致しました。本社は“東京事務所は私が大きくした”ということも理解していただき、分割自体がとても円満にすすみました。東京支社の他のメンバーについても、すべて本人の意思に任せてくれました。これがライズアクロスのスタートになりました。
その後ライズアクロスは成長を続けていますが何が原動力ですか。
私は“日本一の司法書士法人を創る”ことを目標に決めました。そのために今、何をすべきかを考えて行動しています。どれだけ自分の収入を上げられるかには興味がなく、どのようにして日本一の法人にしていくかを考えました。ほとんどの事務所は、10人くらいで目が届く範囲のユニットを構築して、今のお客様にしっかりと対応し1億くらいの売上を挙げる、これがゴールと考えています。そして、ここまで成功している事務所も全国的にはそう多くはないでしょう。しかしそれは“司法書士先生”の範囲を超えず、私はそこに魅力を感じません。私は起業家になりたい、売り上げた利益を投資し、新しい事業をつくり、それを繰り返して成長していく、これが企業として運営するということだと考えています。“司法書士事務所から企業への昇華”ですね。そのためには優秀な司法書士を集めることが大事です。私自身人脈が大事だと考え、弁護士や税理士が参加する異業種交流会には積極的に参加し、同年代の思いを共有できる友人がたくさんできました。集まってくれた優秀な司法書士には「ライズアクロスは日本一になって在籍司法書士が300人を超える総合ファームになります」と言い続けています。いい続けて思いを共有することで、「本当に実現できるのではないか」と思うようになり、自身の行動も変わっていきます。目標を共有することで、夢を見させてあげる、こうすればこうなるよと具体的に明示する、ゴールを共有して本気で実行していくと、みんなも目標に向かって進むようになります。
なるほど、でもそれだけでは人は成長していかないですよね、どのような工夫をされていますか。
社員が成長できるステージを意識的につくるようにしています。たとえば、ナンバー2だった共同創業メンバーは驚くほど優秀でしたが、私と同じ拠点にいると私が重要案件を決めてしまうので、優秀な実務家司法書士の枠から突出することができません。もちろん実務はもちろん、部下のマネジメントもこなし優秀なのですが、大きなビジョンやスケールを考えることはありません。私と一緒にいることで彼の成長を止めてしまっていたのです。そこである事務所をM&Aで買収し、今まで考えなかったような、資金繰り、営業活動、採用、事務所の内装まで権限委譲しすべてをお任せしました。これからは今までと異なるフィールドの仕事を経営者の視点ですることになります。すると彼は今までにない経営能力を身につけ、すべての発想が変わっていきました。一件の仕事の重みや痛み、苦労がわかることで人間が成長するのです。このように、社員が成長するステージをつくり、実践してもらい承認欲求を高めるようにしています。
新たなステージをつくり続けるのは大変ではないですか。
そのためにはM&Aを活用して社員のステージを広げるようにしています。また徹底的な権限委譲にもこだわっています。「任される」というのは責任も増しますが、それによりメンバーの承認欲求も高まります。実は私たちはこのM&Aのスキームも確立させています。M&Aは会社を売却する、経営権を引き継ぐことの総称として使われていますが、経営権を引き継ぐ手法はさまざまあります。株式譲渡、事業譲渡、吸収合併、組織再編、それぞれの状況にあった方法を確定し、その手続きを担うのが司法書士ですが、この業務にも積極的に関与しています。不動産登記と異なりM&Aはひとつとして同じケースはありません。私たちはいままで相当数のケースをこなしているので、それぞれの業種、それぞれの状況に応じたアドバイスを的確に準備することができます。また単に手続きだけでなく、公開のタイミングや具体的手法もデリケートな問題を含みます。それをふまえ、会社法上の施策を法律的に実行していく、責任は重いですがやりがいもあります。
ライズアクロスの今後の展望を教えてください。
日本一になる!そして、司法書士を憧れの職業にすることですね。かつて私が合格した時代に3万人いた受験者が今は半分以下に減少しました。魅力がなくなっているんですね。この司法書士法人で働きたい、未来を共有したい、そのように考える人が増えて、本当の司法書士人口が増えていく、司法書士を志す方が増えていく未来をつくることが最終的な目標です。司法書士は面白くない、食べていけない、そんな思い込みは払拭したいです。私自身が山形の田舎町から何のコネもなく東京に出てきて、ただひたすら毎日毎夜、目の前のお客様と弊社の社員に何ができるか。を考え続けてきました。ここまでやれるんだ、夢があるよね、将来性があるよね、面白そうだよね、ライズアクロスのような、伸びている法人があるから、そういうところで働きたいよね、そんな憧れの事務所にしていきたいです。
最後に受験生のみなさんにメッセージをお願いします。
私は大学卒業後すぐに司法書士試験に合格し、何のコネもなく、実務経験後にライズアクロスを5年前に創業しました。司法書士はやりがいもあり、夢のある仕事です。また、経験のない私でも組織をつくり進んでいける、夢あふれる業界です。司法書士試験は、特別な才能も必要なく、あきらめずに一つ一つ丁寧にこなしていけば必ず合格に結びつく試験です。司法書士の世界でお待ちしています。ぜひがんばってください!