忘れるのも、予定通りにいかないのも合格までの大事なステップです
T.Uさん (26歳)
関西大学法学部政治学科卒業 受験回数:3回 【受講講座】
〔入門講座〕司法書士入門講座本科生
※プロフィールは、2010年合格時点のものです。
私はこうして司法書士を目指す決意をしました
わたしがとった学習方法
1回目
私は法学部でも政治学科でしたので法律に関してはほぼ初学者に近い状況でした。ですので法律に馴染むまでには大変な時間を要しました。講義は丁寧でとてもわかりやすく説明して頂けたのですが、何度も聞き直してしまったり、また、初めて解く過去問はとても難しく1問に30分以上かかってしまうこともありました。更に学部の試験が重なる時期には講義を全く聞くことができずどんどん予定から遅れて行ってしまいました。今思えばこの時期こそが一発合格、あるいは2回目での合格を狙うために最も重要な時期だったのだと思います。この試験を本当に短期でクリアするためには、「どんなに忙しくても必ず講義のペースに喰らいつき片時もこの試験から目をそらさない」そんな姿勢が必要です。結局私は、4回生の夏の初試験はすべての講義を消化することができず復習もままならい状態で受験し、結果も目に見えたものでした。
2回目
2年目の択一式対策は残っていた入門講座を最後まで受講し、あとは過去問を繰り返すことに決めました。ここで気が付いたことはスピード感を持って勉強することの大切さです。私は前述の通り、講義は大分遅れながら進んでいたため、前に勉強したときから同じ科目に戻ってくるまでに時間が空きすぎて、もう一度同じ箇所を学習する際にはサッパリ忘れてしまっている状況でした。これはとても効率が悪かったです。はじめのうちはできるだけ忘れない様に講義から2日以内に該当箇所の問題を解き、同じ問題を3日後に解き、次は1週間後、次は3週間後といった感じで進めて行けば良かったのだと思います。11科目もありますから、さすがに全科目を完璧に把握しながら講義を進めて行くことは勉強量が増えすぎて不可能ですが、せめてはじめのうちは、1度はしっかり定着するぐらいまで繰り返すことが必要です。そうすれば少しぐらいなら期間が空いてもまたすぐに思い出すことができます。膨大な知識量を要求されるこの試験の勉強では、むしろその程度の忘却は大切なステップの一部であり、受け入れなければならないものだと思います。それを繰り返すことによって初めて知識や理解を自分のものにすることができるからです。
次に記述式対策では中上級講座を受講しました。蛭町講師の「記述式スキルアップ講座」では毎日時間を計って問題を解くことで、手続判断と書くスピードを上げ、「とける!記述式」では合格に必要な論点を網羅的に学習し、そして山村講師の「できる!記述式」」ではそれらのスキルを現場で使えるよう解法手順を構築することができました。また講座終了後も同じ問題を何度も何度も繰り返すことで徹底して情報処理を迅速化・合理化していきました。これにより2度目の試験では自己採点ですが基準点を超えることができました。記述に関しては市販の問題集等は一切使っていません。
(2)直前期
緊張感が高まってくる4~5月に気を付けていたことは集中力を切らさないことです。やるべき事がたくさん溢れてくるこの時期に計画が遅れたりすると、不安になったり、もうだめかという思いが頭をよぎったりもしましたが、それでも折れずに試験の合格に今一番必要なものは何かを常に考え続けました。
私は時間に不安があり3月頃からタイムを計測しスピードを意識していたのですが、いつもの使い古した過去問では臨場感を持てず、あまりスピードを上げられなかったので、6月には慌てて予定を変更し、スピード強化のみの練習をしました。そのため当初の予定の一部はできなくなってしまいましたが、このトレーニングのおかげで不安のあった本試験の午前択一では何とか65分で解き、ゆっくり見直しをすることができました。
直前期には自分でも驚くほどの集中力とスピードを持って勉強することができました。あっという間に1日が終わるそんな中で毎日必死でした。最後の3日間、暗くなった帰り道を、ひとりでキャリーを引きながら歩いていると今日までよく頑張ってきたと目頭が熱くなりました。直前の計画変更等もあり理想の7割程度までしか到達していませんでしたので満足には程遠かったのですが、それでも何故か満足感で一杯でした。
そして迎えた本試験当日。
試験では無駄な集中力をつかわないように気を付けようと考えていたのですが、午前択一に不安のあった私は前半で力を出しすぎてしまい午後は少し苦戦しました。午後が始まる段階で既に頭が相当疲れており、いつもなら60分で解ける択一に70分かけてしまいました。記述の記載量がそれほど多くなかったのですべてを解ききり、見直しもできたのですが、先入観や安易な判断による間違えなど、いつもならしないミスをしてしまい、全体を通して9割程度の力しか出せませんでした。結果、思ったより基準点は高くなく、自己採点より高く採点されていたため合格することができましたが、本試験で全力を答案に反映させることの難しさを痛感しました。
最後に
この試験の突破に必要な要素の一つとしてバランス感覚が挙げられると思います。本試験での配点や出題可能性、自分の苦手意識や残された時間などを常に考え続けなければなりません。本当に今、ベストな配分とそして高い集中力を持って勉強できているのか。それだけを毎日真剣に考えていれば必ず合格に近づいているはずです。そもそもこの試験に完璧な準備というものは不可能ですが、「それまでの努力」が「できなかったことに対する不満」を超えることができたときには、きっと満足感を得ることができ、その自信こそが合格に導いてくれるのだと思います。周りの人の勉強時間や勉強方法は関係ありません。ただひたすら自分と向き合いながら頑張ってください。
最後になりましたが、講師の皆様、スタッフの皆様、そして自分をそばで支えてくれた人達、本当に感謝しています。そんな方々に恩返しをし、そして社会に貢献できる法律家となれるようこれからも頑張っていきたいと思います。本当に有難うございました。