合格年度は受験生全員にそれぞれ用意されている
だから続けていればその日は必ずやってきます
私はこうして司法書士を目指す決意をしました
大学卒業後商社で働いていましたが、20代後半に差し掛かった頃、働き方について疑問を持ちました。勤務時間が長く、大きな組織の中で希望通りの仕事ができず、働きがいを見つけられずにいました。転職も考えましたが、大して状況は変わらないのではないかと悩みました。そんな時に沸いてきたのは、誰かの役に立つことをしたい、ということでした。漠然とした思いでしたが、そこからは実行に移すためにどんな職業についたらいいだろうかとすんなり考えることができました。組織に属すのではなく自分自身の力で、直接的に誰かの役に立てる仕事とは、士業として独立することでした。数ある資格の中で司法書士を選んだのは、認知症の祖母がいた環境から後見制度に興味を持ったことが入り口でしたが、調べていくうちに、相続・不動産の得失など、人生の節目の重要な場面に立ち会う重要な職業だということを知り、人に寄り添える仕事ができると感じたからでした。
伊藤塾を活用した私の学習方法
①中上級段階の勉強法について
年明けの「演習コース」を利用しました。山村拓也講師の「記述式答案構成力養成答練」の評判を聞き、申込をしました。伊藤塾の記述の問題は、ストーリーがあって修得すべき論点がわかりやすいです。他の受験指導校の問題より印象に残り、繰り返し解く価値があると思います。演習の時間は、教室全体に緊張感があり、毎回心して臨んでいました。回答後、すぐに解説の講義があるので、面倒になりがちな記述の採点・復習も流れで効率的にこなすことができました。時には挙手によって教室内での出来不出来を知ることができ、他の受講生の多くが合っていた論点を間違えていると焦り、帰りに落ち込んでしまうこともありましたが、試験本番までに学んだことを完璧にすれば良いのだと気持ちを切り替えて、講義には休まず出席するようにしていました。又、講義中の講師と前に座っている受講生のやりとりを聞きながら、自身でも一生懸命回答を出すようにしていました。受け身になるのではなく積極的に考えることによって、この講座をよりよく利用することができると思います。
そして伊藤塾はこの講義に限らず全国模試等も含めて解説冊子が見やすく、重要な点が表でまとまっているので、間違えた論点や、試験の直前に見たい知識は、ページを切り貼りして別にノートを作っていました。
②直前期の勉強法や試験当日について
直前期(5月6月)は、大手の受験指導校の模試は全て受講しつつ、極力基礎的なことを繰り返すようにしていました。原則過去問をベースに、できるだけ本試験の形式を意識しながら解き進めました。直前に解いた知識はどこかに残っているものです。模試で出た新しい知識に焦り、やみくもに手を広げるよりも、再出題の可能性のある過去問を見ておく方が得策だと思います。過去問の中には、よくわかっていないけれど答えは出せる、というものが正直あると思います。この時期まできたらそれで十分です。他の受験生の目にも触れている過去問を誰よりも自分のものにすることが、試験当日の自信につながります。(合格した年は、最も過去問を重要視して勉強した年でした。)
試験当日は全て淡々とこなすよう事前に決めていました。起床、会場までの道順、昼食、会場での過ごし方など、模試を通じてシミュレーションし、無駄に焦る必要がないようにしました。といっても、本番では予想外のことが起こります。私は当日、午前が異様に寒く、午後が異様に暑い席に当たってしまいました。ありがたいことに近くの席の方が試験官に申し出てくださりことなきを得ましたが、試験中困ったことが起きた場合には躊躇なく申し出るようにしてください。
最後に
私は勉強をはじめた当初の計画より受験期間が長くなってしまいました。ただ、合格年度は受験生それぞれに用意されていると思います。一番大事なことは、「続けること」です。親しくしていた受験生が先に合格していく、そしてその逆もあります。こんなに努力しているのにどうして報われないのだろうと、私も思ったことがありました。ただそのような気持ちでい続けることは翌年への合格にプラスには働きません。保証のない合格にネガティブな感情を少しも持たないことは無理ですが、「何を変えたら合格できるのか」、という視点で再挑戦していっていただきたいです。そしてその答えは受験生それぞれ異なっているはずです。周りに流されることなく、自分に必要なことだけを精査したらあとは信じてやり抜くだけです。皆様のご健闘をお祈りいたします。