子どものころは読書が好きなおとなしい性格だったのですが、なぜか木登りが大好きでした。木の上に登ると、そこには登った人しか見ることのできない、地上とは違った新しい世界が広がっていました。

いつだって、“ ここではないどこか”に
憧れて一歩ふみ出していました

 私は郊外の静かな町で育ったのですが、” ここではないどこか”、海外に憧れを抱いていました。卒業後は両親にも相談してオーストラリアで英語の教授法学ぶために留学をし、その後は香港で現地採用の旅行関連企業で働きました。あこがれていた、ここではない” どこか”。海外での生活はとても充実していて勉強になりました。楽しい日々だったのですが、体調を崩したことをきっかけに帰国。その後はメーカーで海外からのお客様などに商品をご説明する仕事に就きました。ずいぶんと専門知識も勉強したのですが、結婚後諸事情により家庭に入りました。家庭に入り、子どもが生まれて子育てに追われる様になってからも、いつかは社会に戻りたいといつも考えていました。
 社会に戻りたいと言っても、当時の私には「自分にはこれがある」と言えるものがありませんでした。そんな時、行政書士を題材にしていた漫画を読んで、「これだ!」と思い、まずは行政書士試験にチャレンジしました。受験勉強をはじめてみると法律の学習はとても楽しく、合格すると、もう少し深く法律を勉強したくなりました。また社会復帰には行政書士より強固な資格が必要だと思い、司法書士試験の受験を決意しました。

新たなステージに向けて、
受験勉強を入門講座でスタート

 学生時代から法律資格なら伊藤塾と聞いていたので、受験勉強は「入門講座」山村クラスを、育児と両立するため、便利なインターネットクラスで受講を始めました。当初は講座の回数も多く、テキストの量にも圧倒されました。しかしタウンページのような厚さのテキストでも講座に沿って勉強をしていくと気がついたら学習がどんどん進んでいきました。山村拓也講師の講義は明瞭で滑舌がいいのでインターネット受講でも聴きやすく、スピードを早くしてもメモを取りながら受講できるので不安は全くありませんでした。
 受験勉強は講師に言われたとおり、「講義を聴いた後にテキストを読みこむ」、「確認ドリルと過去問を解いて再度テキストに戻る」、「時間が出来たら以前指摘された箇所を再び確認する」、この繰り返しでした。まだ子どもが小さいので病気など、イレギュラーのスケジュール遅れがうまく解消できず、つらい時もありましたが、講義の配信スケジュールにあわせて講義を受講するように努力していました。

徹底的にタイムマネジメント、
そして家事の効率化

 子どもを生んで以来、自分の時間は以前と比べてずっと少なくなっていたこともあり、自分のために勉強できること自体がとてもありがたく、充実した毎日でした。それでも勉強時間は娘が幼稚園に行っている間と寝た後しか集中してとれません。講義の中で可処分時間を把握するように指示があり、計算してみると、無駄な時間はほぼありませんでした。ならば、いま必要だと思っている時間を圧縮するしかない、と考え家事の時短を徹底的に検討しました。たとえば、買い物の時間を節約しネットスーパーを活用するなど家事時間の節約をしました。タイムマネジメントや、時間を生み出す方法なども勉強し、効率化を検討しました。このようにして実際に有効な時間ができると楽しくなり、自分で工夫をしたことが自分にかえってくるので、ますます時間の節約を工夫しました。また合格体験記で主婦の方やフルタイムの方が1回の受験で合格していることを知り、私も有効な時間を確保することによって1回で合格することも夢ではないと思いました。

「できない」とは
絶対に言わない!

 当初、学習すべき分量を考えると「1回の受験で合格するのは難しいかもしれない」と思いましたが、「できない」と言ったら絶対にできないので、「最大限に行けるところまで行くんだ」というふうに心に決めて、ネガティブな考えは極力排除しました。試験直前期は、昨年度の合格者の体験を参考に勉強時間を早朝に変えました。朝は余計な音がなく静かで誰にも邪魔されることがなく、集中できるので本当に学習がはかどりました。また講師の指示は徹底して実行するようにしました。講師の言葉は的確なもので、その場ですぐに真意がわからないようなことでも必ず意味がありました。

言われたことをやる。
やらない選択肢はない

 私が1 回の受験で合格できたのは、講師に言われたことを素直に実践したからとしか言いようがありません。よく「なぜ、言われたことをしっかり実践できたのか」聞かれますが、言われたことをやらない選択肢は私にはありませんでした。試験範囲が膨大な司法書士試験で、何を学習すべきかを入門生の私が判断できるわけもなく、その道のプロである山村講師の指示を忠実に実践することが合格に一番近いことだと自覚していたからです。

まだ見ぬ新しい世界、
そして新たなステージへ

 私にとって合格は、人生の新たなステージに進むパスポートです。人生にはさまざまな選択肢がありますが、私は社会復帰を望みそのために司法書士資格は絶対に必要でした。子どものころ、今見ている世界が全てだと思っていましたが、年齢を重ねるにつれて新しい世界が見え、その世界はとてもすばらしく感じました。経験できる世界がひとつだけではないということはとても素敵だと思います。家庭も育児も素敵な世界、でも新しい世界も私にとってすばらしい世界なのです。子どものころ、木登りをして見えた新しい世界のように・・・
 これからは家庭と子育てと司法書士の仕事を両立していきたいと思っています。そして留学時代に多くのトラブルから救ってくれた海外の皆さんのように、私も日本で困っている人を助けられるような法律家を目指していきます。