自分を
見つめ直して
私は何をするにも根気がなく、これまで何度も三日坊主を繰り返してきました。中学、高校と夏休みの宿題は、最初の1週間で終わらせようと心に決めながら、結局はギリギリになって手をつけるというのが毎年のことでした。そんな、追い込まれないとやらない自分が嫌いで仕方ありませんでしたが、30代半ばになり、ようやく、そのままの自分を受け入れることができるようになりました。自分の性格を「追い込まれたらやるんだ」と肯定的に捉え直し、自分を鍛え直すことにしました。
自分を変える
チャレンジのはじまり
そこで考えたのが資格試験への挑戦です。まず最初は簿記2級、次に英検2級を目標とし、それぞれ合格しました。そして、かつて大学を中退していたため、ちゃんと卒業しようと、改めて別の大学の通信課程に3年次編入し、毎月のようにレポートと試験に追われる日々を続けながら2年で卒業しました。このように、自分が跳べるギリギリのハードルを設定し、それを超えることで、少しずつ自分に自信をもつことができるようになりました。卒業後は、せっかく大学で法律を勉強したのだからと、行政書士試験にチャレンジし、これも合格することができました。ここで次のステップをどこに設定するか悩みましたが、結局は司法書士試験を選択しました。伊藤塾を選択したのは、法律資格での知名度や実績が高く、法律を基本から学ぶことができると感じたからです。また、伊藤塾長のマインドに共感できたことも理由の一つです。仕事をしながらの受験勉強であったため、通学は厳しいと考え、Web受講を選択しました。山村クラスを選択したのは、あまり深い理由はありませんでしたが、結果的には大正解の選択でした。
10月ショックを
乗り越えて
入門講座の受講を始めた当初は、行政書士の受験経験もあったため、ある程度の余裕をもって受講できていましたが、徐々に司法書士試験の厳しさを感じるようになっていきました。そして、10月になって2つの衝撃が私を襲ってきました。
入門講座では10月に入るあたりから不動産登記法の記述の演習講義が開始します。いきなり答案が書けるとも思っていなかったので、書けないこと自体は特にショックではありませんでした。私が衝撃を受けたのは、山村講師からの受講生への質問です。山村講師は受講生に対して、具体的に質問を投げかけます。私は在宅学習でしたが、在宅の人も自分があてられたように考えるようにとおっしゃるので、考えました。最初の質問をいまでも覚えていますが、私には全く答えられるものではありませんでした。しかし、その質問を当てられたライブクラスの方は即答されていました。その時、体に冷たい汗が流れるような感覚がありました。これまで民法、憲法、刑法を受講し、不動産登記法もなんとか乗り越え、講義にはついていけているものだと思っていました。それが、もしかすると大きな勘違いをしているのではないか、ライブクラスの方々に比べれば、私は底辺の存在ではないのかという焦りが生まれました。
そして、10月は商法の講義が開始する時期でもあります。これまでの科目は、難しいけれどもなんとかついていけているという感覚はありましたが、商法はいま何の話をしているのか全く見えないという状態でした。
この記述演習と商法の講義で受けたショックに打ちのめされた自分は、いろいろ理屈をつけて合格目標を1年先延ばしにしようと考えました。しかし、学習の原点である「追い込まれたら自分はやるんだ」という気持ちを思い起こし、 一発合格を目指すことを改めて決意しました。それ以来、本試験まで、そして本試験中も心が折れるようなことはありませんでした。学習期間の中盤で、しっかり自分と向き合ったからこそ、本試験まで気持ちがブレることがなかったのかもしれません。
山村クラスが
教えてくれたこと
また、山村講師はよく、イメージトレーニングの重要性を訴えておられました。私は、他の受講生に比べ、特別な知識があったわけでも、解法の技術があったわけでもなかったと思っていますがイメージトレーニングだけは誰にも負けていなかったと思っています。毎日のように、「どうやったら合格できるか」だけではなく、「どんな司法書士になりたいか」を考えていました。もはやイメージトレーニングを超えて、妄想ともいえるような思い込みで、合格後の自分を想像していました。そのおかげで、模試の点数が悪くても、テキストの中で理解できないことがあっても動揺せず、最終的には合格するんだという信念を保つことができたのだと思っています。
司法書士試験に
合格した今