もともと伊藤塾では旧司法試験の受講生だったのですが，試験制度の改革以降は法律の学習からは遠のいていました。
司法書士試験の受験をはじめたのは，10年ほど前，父が亡くなり，自分で自宅の相続登記を申請したことがきっかけでした。同期のスタートからは半年近く遅れてはいましたが，入門速修生のコースで受講をはじめました。とは言っても，仕事が最優先の生活では，ほとんど勉強が進まないまま日々が過ぎていきました。
これではいけない，と思い立ち，2017年の3月に会社を辞め，はじめて専業受験生として本試験に挑みました。結果は10点足らずの総合落ちで，この調子なら来年にも合格できるのではないかと簡単に考えていました。しかし，その後は新しい仕事をしながらの受験が続いたこともあり，結局，合格までにはさらに4年という長い時間が必要でした。

2019年の本試験1週間前，突然，択一の問題文が読めなくなったことがありました。知っているはずの過去問ですら，何が書いてあるか理解できず，〇×が全く当たらない状態でした。その年の午前の択一は基準点を超えたものの，午後の択一では見たこともないひどい結果となりました。原因は不明ですが，結局のところ，日々の勉強で練られた力を，本試験で発揮することの難しさを知ることが大事なのだと痛感しました。

択一式
もともと択一が苦手でしたので，「うかる！択一式」の受講はとても助かりました。テキストは，1冊で全科目の予想論点に絞った択一知識が比較やまとめの表形式でコンパクトに記載されており，宇津木卓磨講師の指示された内容を確実に追うことで，理解を進めつつ視覚的に知識を整理できました。おかげさまで，択一の問題文を読んでいる途中からでも「ああ，あの話だな。」と，記憶している知識を頭の中で容易に思い起こすことができ，問題文から解答への連想がスムーズになりました。講義を受けた後の復習と問題演習を繰り返すうちに，いつしか択一の苦手意識が消えていました。「うかる！択一式」のテキストは，特に不動産登記法では記述式にも重宝しましたので，筆記試験だけでなく，口述試験までお守り代わりに受験会場に持って行きました。
 
記述式
記述式は，「記述式答案構成力養成答練」を受講するまでは，全く手も足も出ませんでした。講義を受けてみると，問題文を読むことと並行して，視覚的にメモを取り，頭の中で事案を整理すれば，自然と登記すべき内容が決まってくることに驚きました。山村拓也講師が示す方法論のおかげで，長文や難解な問題でも，慌てずにひとつひとつ検討を進めれば，少なくとも答案が崩壊する心配はないと確信できました。
「記述式答案構成力養成答練」が終了し，勇んで蛭町浩講師の「うかる！記述式」を受講しましたが，ここでは実戦の厳しさを教わりました。内容は，実際に受講されてからのお楽しみですが，「うかる！記述式」で鍛えられた結果，本試験では択一式に75分使いながらも，終了15分前には全ての解答を終えていました。記述式の解答スピードに絶対の自信が持てたのは，間違いなく「うかる！記述式」のおかげです。

蛭町浩講師
頭の中をゴムのように弾力的に，手首を鋼鉄のように鍛えていただき，ありがとうございました！
 
山村拓也講師
最初に受講した科目がいきなりの不動産登記法でした。何とか最後まで脱落せずに駆け抜けることができました。ありがとうございます！
 
小山晃司講師
ステキな歌をありがとうございました！
 
北谷馨講師
口述模試では大変お世話になりました。ありがとうございます！
 
関信敏講師
試験当日に横浜会場でお会いでき，リラックスして試験に臨めました。ありがとうございます！
 
宇津木卓磨講師
不合格を重ねる中，最後まで根気よく励ましていただきました。ありがとうございます！
 
髙橋智宏講師
パワーポイントの親しみやすいイラスト，とてもわかりやすかったです。ありがとうございました！

司法書士試験の学習範囲は多岐にわたり，かつ，分量もとても多いです。私は，基本的には無理にやる気を出さず，ただ淡々と勉強を続けていました。ほんの時々，理解が進んで問題が解けるようになると，勉強が楽しいと感じられる瞬間が訪れました。その楽しさが，学習の継続につながる気がします。
司法書士試験の学習は，どうしても長い時間が必要となります。やる気の有無よりも，日々の勉強を日課として持続してゆき，時々，ちょっと楽しい瞬間が味わえる，そんな心持ちで取り組んでみると良いかと思います。気持ちの浮き沈みは付きものですが，自分を追い込むような生活だけはしなかったことが合格につながったのだと実感しています。