公務員から司法書士へ、40歳からの人生への挑戦

私は大学を卒業後、県庁職員として16年間勤務しました。
公務員になった理由としては、社会の役に立つ仕事がしたいという思いがあったのと、私自身、母が離婚しており、社会での女性の経済的苦労を実感していたため、公務員の手堅さや安定しているところも大きな魅力でした。
最初の配属先は福祉関係でしたが、県庁職員は3年から5年で部署異動があり、その度に携わる仕事内容もガラリと変わります。私も数か所の部署を経験しました。
仕事は充実していて楽しく、部署異動は様々な内容の仕事が担当でき、人間関係も変わるので、異動のたびに新鮮な気持ちになれました。
一方で、それまで培ってきた経験が、次の部署ではリセットされるような面もあり、そこは残念に思うこともありました。「私にできることってなんなんだろう」と悩むこともありました。
結婚、出産を経て、子どもを育てながら勤務していましたが、保育園の仲の良いママ友の中には、栄養士や服飾関係など専門性を活かして仕事をする方が多く、私にはその姿が恰好よく映りました。
そんな中、同じく県職員経験のある夫が、民間企業への転職を経て、中小企業診断士として独立するという大きな変化を迎えていました。
自分の専門性を活かし、自分の努力や頑張り、苦労すらもすべて、自分の血肉となって成長していく、そんな夫の姿は生き生きとしていて輝いて見えました。
私と同じ県職員だった夫でもこんな転換ができるなら、私にもできるかもしれない・・・私も専門性の高い仕事がしたい、そう思い始めました。
そこで、行政経験が活かせそうなこと、そして何より40歳という私の年齢での合格者がとても多い、司法書士の資格を目指すことに決めました。

1年で合格する決意で

司法書士試験受験にあたり、まずは市販のテキストで勉強することにしました。通勤時間中や子供の就寝後にテキストを読んでいたのですが、難しい漢字ばかりでひらがながない!法律用語は何を言っているのかわからない!独学では絶対にムリ!と思い、受験指導校で勉強することにしました。いくつかの選択肢から、講義が一番わかりやすく、真摯に勉強できそうだった伊藤塾の入門講座山村クラスで学習することにしました。合格する1年前の5月のことです。
第二の職業を司法書士としてやっていく!そう決め、家事や育児、年齢的なこともあり、きっぱりと県庁を辞めて受験勉強をすることにしました。夫は、自分が違う道に挑戦して良かったと思っていたこともあり、私の挑戦も「やりたいのであればやればいい」と背中を押してくれました。そして私は「来年絶対合格する、1年で絶対合格する」ことを決めました。

講師から体感した合格者のレベル

山村講師は話し方が聴き取りやすく、講義はとてもわかりやすかったです。講義の内容はもちろんですが、雑談中のアドバイスもとても役立ちました。「ここは楽に考えていい」とか「ここはちょっと頑張って」など、ふとしたひとことがピンポイントに刺さっていきました。「ここは合格する人なら酔っ払っても覚えている」など、「え~?」って思うことも次第に自分の常識に変わっていきました。今思うと山村講師は合格する人の到達レベルを教えてくれていたのだと思います。つまり、“ここまでできれば合格できる”という具体的なゴールを示してくれたのだと思います。

勉強スタイルはいつも「講師の言うとおり」

講義はすべてWebで受講しましたが、1.5倍速など速度を変えることもできるし、部屋着で気軽に受講できるし、学習効率は非常に良かったです。テキストは、合格に必要な分量が過不足なく盛り込まれており、横に空白があるので書き込みもしやすく使いやすかったです。難しい内容もあり、理解しづらい部分もありましたが、わからなかった部分は間髪いれずに反復学習をしました。結局私は、入門講座の講義を受講してドリルをこなしていくという、講師が言うとおりの勉強に専念しました。講師は受験生が合格するための指導をしているのだから、言われたことを真摯に勉強すれば合格レベルに達する、そして合格できる、そう信じて疑いませんでした。そして実際に1年の学習で合格することができました。

私が1年で合格できたのは

私が合格できたのは、常に「1年で合格する」と思い続けたこと、そして支え続けてくれた家族のおかげだと思っています。司法書士を目指そうと決めたとき、子どもがいる身であることを考えると、一般的には安定している公務員を続ける方がいいのだろうか、と考えたこともありましたが、一方で子供を理由にして自分の夢をあきらめるのは、かえって子供に失礼だとも考えました。育児をしながらの受験勉強は大変でしたが、子供に「お母さんよかったね」と言ってもらえるように一生懸命勉強する、自分も後悔しないし、子供たちにも後悔させない、そのように考えて勉強していました。
そしてなによりも伊藤塾を選択したことが正解でした。Webでの講義もそうですし、カウンセリングも充実、また演習の時の手書きの添削などを見ていると「私の存在を把握してくれている人がいる」と、自分の存在意義を強く感じ、「一人ではないんだ」と思えて、勉強で半分ひきこもりのようになっている私のような人間にはとても安心感がありました

合格した今思うことは

合格前、「合格者ってすごい人なんだろうな」と思っていましたが、合格した今、当たり前のことを真摯に実行すれば合格者になれることを実感しました。合格報告会や各種研修など、多くの合格者と触れ合う中で、みなさんいろいろな環境で努力されていて、とても素敵に輝いていました。こんなすごい人たちの仲間になれたのだと思うと、テンションがあがりました。挑戦が成功するという保証なんてどこにもありませんが、挑戦することで見える景色は変わり、合格という山を乗り越えるとそこには今までの景色とはまったく違う世界が広がっています。

司法書士としてのこれからの人生、自分にできることで少しでも周りの役に立つことができれば冥利に尽きますし、また、思い切り楽しんでいきたいとも思っています。

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