法学部以外でも
司法試験は合格できる!
文系・理系問わず、法学部以外の学部に進学・卒業後、司法試験に挑戦しようとされる方は決して珍しくありません。
受験資格のない予備試験制度が始まって以降、その傾向はますます顕著で、現在伊藤塾に通われる方も、実に4人に1人以上が、法学部以外の出身であるほどです。
法学部以外の出身者が司法試験を目指す理由、そしてメリットは何でしょうか。
受講生の出身・在籍学部の内訳
2023年開講伊藤塾長クラスの受講生のうち、出身・在籍学部が判明している方の割合
法学部以外の出身者が司法試験を目指せる理由
法曹として不可欠なスキルを有している
自学部での学問と法律との学習を両立させた能力
法学部出身者にはない、自学部で学んだ学問の専門性
を有しているという点で、法曹になるうえで法学部出身者よりもむしろ評価されることすらあります。
実務の世界ではひとつのクライアントのみを相手に業務をするのではなく、通常であれば、何十という複数の異なる案件を同時平行して処理する必要性があります。
またそのような様々な案件をこなすうえでは、企業会計・経済学・社会学・マーケティングなど、法律以外の様々な知識を持ち合わせていた方がより信頼されることは、想像に難くありません。
そのため、法学部以外の学部出身者が法曹になるということは、全く異なる分野での学習を両立させたその 「同時処理能力」と 「法律以外の専門性」という 法曹の資質として不可欠なスキルを有しているという理由において、法学部出身者以上に評価されることすらあるのです。
法学部=司法試験に有利とは限らない?
ですが実は、単純に法学部=司法試験に有利というわけでもないようです。
法学部の授業では、「基本書」と言われる専門書で行われることが一般的ですが、この基本書は、執筆者の研究成果を発表する場という性質があるため、その内容にはどうしても法律の解釈(学説)に執筆者それぞれの意見の偏りが出てしまいます。
一方、予備試験や司法試験に合格するうえでは、条文や判例の他、 様々な学説を網羅的に学習する必要があるため、そもそも試験対策として書かれていない基本書での学習のみで合格することは難しいと言われています。
大学で法律を学んでいるはずの法学部生も、試験対策として受験指導校で別途法律を学ぶことが極めて一般的となっていることが何よりそのことを物語っています。つまり、大学で学ぶ法律と司法試験に受かるための法律は似て非なるものといえるのです。
また近年は大学生における司法試験の学習スタート時期が年々早まっており、伊藤塾でも大学生であれば入学と同時に入塾したということも珍しくありません。このようなケースでは、 法学部の学生であっても、各法律を初めて勉強したのは伊藤塾、ということが一般的ですので、司法試験の学習として、法学部と法学部以外の学習レベルに差が生まれることもないようです。
実は理系は司法試験に向いている!?
理系出身の方は、実は司法試験の勉強に向いていると言われます。理系の方はこれまでの勉強を通じ、文系の方以上に論理的思考力(ロジカルシンキング)に長けていると言われていることがその理由の一つです。
予備試験や司法試験の論文式試験では、法律や判例からなる「規範」を、当該事案に「当てはめ」、その問題への「結論」を出す(法的三段論法)という作業が求められますが、この過程がまさに論理的な思考過程そのものなのです。
また合格後、実務家になった際も理系出身者の活躍のフィールドは無限に拡がることでしょう。
医療・自動車・IT・知的財産…今後、これらの領域では様々な法律問題が生じることは想像に難くありません。その際、 医学や理学、そして工学における高度な知識を持ち合わせる理系出身の法律家はその希少性も相俟って、需要がますます高まることは間違いありません。