法律学習を楽しむことが司法試験合格のコツ

安藤眞史先生

経歴 2012年 福島県立安積高校卒業    2015年 明治大学法学部3年次早期卒業
   2017年 明治大学法科大学院(既修)修了
   2017年 司法試験合格
   2018年 弁護士法人湊法律事務所入所


※先生の所属事務所等プロフィールは、取材時のものです。

安藤眞史弁護士インタビュー動画 ~法律家を志す皆さんへ向けて~

 私が弁護士を目指したきっかけですが、少し恥ずかしい話にはなるのですが「ミナミの帝王」という漫画がありまして、違法な闇金業者が敵を追い詰めるときには法律に従う、という話です。中学高校生くらいの時に読みました。それを見て、「違法なことをしているのに法律を知っているだけで相手を言いくるめられるのって凄いな」と思ったのがきっかけです。
 そこから法律に興味を持つようになって、「法律に関わる仕事がしたい」と思うようになりました。法律家の中でも弁護士に行きついたのは、大学に入って、「リーガルハイ」のドラマを見てですかね。
 漫画を読む前、ドラマを見る前の弁護士のイメージは「弁護士」という名前だけ知っていて、何をしているのかは全く分かりませんでした。その当時、今のように弁護士がワイドショーのコメンテーターを務めるということもなかったですからね・・・。終始漠然としたイメージしか持っていませんでした。

 今、私が所属する事務所を紹介させて頂きますが、良い言い方ではないかもしれませんが、分かりやすく言うと地方の街弁、といった感じです。離婚・相続・交通事故・破産・労働など、ありとあらゆる相談がきます。とくに自治体とも繋がりがあるので、行政訴訟を対応したり、行政上の進め方に関する相談に乗ったりもします。
 私個人の仕事の内容も多岐にわたっています。元々入所するときに「色々な仕事をしたい」と伝えていたのもあり、上司が配慮してくれて色々な仕事を振ってくれます。印象深いのは、行政訴訟の自治体側の訴訟対応や、破産管財人、労働の残業代を請求する側・される側、交通事故の請求を受ける側・される側など、色々な種類の仕事をしているので、毎回新しい発見があります。そういう意味では、定型化して「これだけ出来れば大丈夫」ということはないですね。
 一つの分野を専門的にするのではなく、オールマイティに「この人に相談すれば取り敢えず一人で解決できる!」というような理想で、知れることは全部知りたいと思っています。新しい仕事が来ても断らないですね。自分の勉強のきっかけになりますし、自分の第一感と法律上の処理が異なることもままあります。そういったズレがあるときは、特に勉強のチャンスと思っています。


弁護士のやりがいを感じる瞬間ですが、法律の勉強がとても好きだったので、法律を調べる、あてはめる作業をやること自体が楽しいです。自分が楽しいと思う、好きな仕事をしていてお金をもらえる、というのがすごくありがたいと思っています。
 勝訴したり、依頼者さんに喜んで頂けたりするのもうれしいですが、そういった結果を得るためにも大前提として、勉強が必要になりますからね。

 受験生時代を振り返ると、伊藤塾では呉先生のクラスで受講していて、色を変えて視覚で本が読めるようなテクニックを教わったのが役に立っています。今でも法律書を読むときはその読み方で、線を引いて読んでいます。役割のある色で線を引くというのは、自分の頭の中の整理の助けになりますし、1度色分けしておくと、再度読み返したときにも頭に入ってきやすいです。また、私が受験生時代につくった「受験対策ノート」(いわゆるまとめノート)があって、未だに見返すときがあります。

▼安藤弁護士が受験生時代につくった「受験対策ノート」※タップすると画像が拡大します

法律家への向き不向きについては、明確に「こういう人が向いている!」、「こういう人は不向き」というのはないと思います。基本的には、裁判官であれ検察官であれ弁護士であれ、誰かを相手にする職業です。強い物言いをする人でも、「強くリードされるほうが助かる」という人もいるでしょうし、弱気で控えめで保守的な考え方の人のほうが「安定感があっていい」という人もいると思います。大切なのは相手方との相性だと思いますね。自分の性格を把握して、自分に合う人はどういう人なのか、そういう人に出会いやすくするにはどうすればいいのか、信頼してもらうにはどうすればいいのか、という思考が大事です。勘違いしないでほしいのは、法律家は法律を知っているというだけであって、あくまでも相手方を説得する・ご理解頂くという過程を欠くことは出来ません。無理やり人を動かすことは出来ないです。
法律を好きになる為のコツですが、「どんな状況でこの条文が活きるのか」「その条文が適用されることでどんな結果になるのか」という実例を見るのが一番わかりやすいと思います。
言葉が難しいのはありますが、要するにそれはどういうことなのか、自分で言い換えられるようにすれば言葉の難しさの壁は越えられますし、法律を好きになると思います。文章に引っ張られず、自分の中で口語的に言い換えるとわかりやすいです。もちろん解答欄にそう書いてはいけませんが、自分が理解していればそれでいいですからね。


 最後になりますが、法律のことについて勉強するのが楽しいなら続けたほうがいいと思います。
 「お金になりそう」「弁護士の資格はすごそう」といったような「勉強は嫌いだけどお金稼ぎを頑張ります!」という考えだと、なかなか続けることが難しいように思いますし、試験に合格し弁護士になったとしても、依頼者さんが不幸になる可能性が高いです。皆さんも「患者の相手するのは面倒だけど、お金になるから、診察するよ」というお医者さんがいたら、通院したいと思うでしょうか。弁護士という資格と業務内容は、目の前の人に利益をもたらし、ひいては(若干かもしれませんが)社会に影響を及ぼしうるものです。単なる1資格とは異なるので、そこは共感してほしいですね。きちんと法律と真摯に向き合って勉強できる人は法律家の大前提ですが、特に仕事を通じて、目の前の人を救いたいと思える人に弁護士になってほしいです。

弁護士法人 湊法律事務所

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