多種多様なライフヒストリーの方々と関わり、見識を広げられる仕事

清水皓貴先生

経歴  2009年 世田谷学園高等学校卒業
    2015年 中央大学法学部卒業
    2015年 一橋大学法科大学院修了
    2016年 日比谷シティ法律事務所入所
          ※先生の所属事務所等プロフィールは、取材時のものです。

清水皓貴弁護士インタビュー動画 ~法律家を志す皆さんへ向けて~

 私が小学生くらいの頃に、家族が問題に巻き込まれたことがありました。その時に母が苦労していたことを中学生くらいの時に聞きました。そのような中で、「大変だったけど弁護士の先生に助けられて支えられて乗り越えることができた」という話を母から聞きました。それがきっかけで「人に寄り添って支えになれる素敵な仕事だな」と感じて、弁護士に興味を持ちはじめたのがきっかけです。あとは、「逆転裁判」というゲームがあって、それに一時期ハマっていたのも少し影響あるかもしれません(笑)
 そして、具体的に弁護士を目指そうと思ったのは中学3年生くらいの頃で、進路について考え始めたときです。「自分のやりたいことはなんだろう」と考えた時、先ほど話したようなエピソードが頭に浮かび、法律の道に進もうと思い、高校進学後も文系のコースに行きました。

私の在籍する日比谷シティ法律事務所には、10人くらいの弁護士が所属していて、全員が共同経営者という立場で働いている事務所です。全弁護士がそれぞれ関心のある分野に力を入れて仕事をしています。人権関係の活動などもしていますね。私は町弁と言って、一般の民事紛争に関わることが多く、特に多いのは離婚や相続のような家事案件です。それ以外の特殊な仕事ですとLGBTや犯罪被害者の支援にも力を入れています。あとは、人権の関係で最近は少し参加できていないのですが、以前は安保法制の訴訟にも伊藤真先生と一緒に参加させて頂きました。仕事に関しては割と自由だと思います。私は今子供が小さくて、プライベートに時間が取られ仕事の時間が圧迫されているのですが、そんな状況でも弁護士として自由に働けているからやっていけているのかなと感じますね。ワークライフバランスは取りやすいです。弁護士という仕事の中にも、他の弁護士の下について雇われているという形で働く形態もありますので、一概には言えませんが「自分で管理できる」という立場になってしまえば、ワークライフバランスは自分で取りやすい職業だと思います。


 やりがいとしては、目指したきっかけと繋がってくるのですが、弁護士事務所のドアを叩く人は本当に紛争を抱えて追い詰められていたり、紛争を抱えて強いストレスがかかっているような状況の方が多いです。そういった人たちに対して、「一緒に立ち向かおう」と声をかけ、実際に事件の処理にあたっていって、少しでも支えになってあげられる、困っている状況にある人たちの支えになれるというのはかなりやりがいを感じます。
 それに、こういう仕事をしていると幅広い顧客層と関わることができるので、中小企業の経営者の方もそうですし、生活保護を受給せざるを得ない状況に陥り、追い詰められているような方であるとか、これまでのライフヒストリーが多種多様な方々と関わって、そのような方たちとお話ができるというのがあります。見識が広がるというか、「世の中には色々な人がいるんだな」ということを実感し、知ることができるというのもこの仕事の面白いところの一つだと思っています。依頼者さんの人生に大きく関わる仕事なので、仕事をしていく中で責任をすごく感じますし、プレッシャーも強いです。よってストレスはかかってくる仕事だと思います。

弁護士と一口に言っても、私のような町弁(一般民事で離婚や相続を扱う)から企業の中にいて法務部に入る人、大きな事務所で大きな企業から国際的な案件などの依頼を受けて、M&Aとか、そういったことをしている方もいるので一概に言えるものではないと思います。少なくともある程度共通するところがあるのかなと思うのは、理屈をこねることに抵抗がない方である必要があると思います。あとは、どこにいっても大なり小なりストレスがかかる仕事ではあるので、ある程度のストレス耐性がある方のほうが望ましいのではないかと思います。ただ「やってみたい」という気持ちがあればやっていくうちに耐性はついていくものだと思うので「だから自分は向いていない」という風には思わなくていいのではないかなとは感じます。経験がカバーしてくれる部分もありますからね。私も働き始めた頃は「自分は向いていないのではないか…」と思うことも多かったのですが、しばらくやっていくうちにある程度何とかなるんだなという気持ちです。

これから法律家を目指される方々に対して、司法試験に合格するということ自体に関して言うのであれば、少なくとも数十年前の「合格者が500人以下」のような時代に比べると格段に合格しやすくなっていると思います。なので、本当に法曹の仕事をしたいと思うのであれば、恐れずにチャレンジしていいのではと思います。その反面、合格する事自体がそれほど難しくなくなっているということは業界が広がっているということです。その業界の中でプレゼンスを確立していくということに関しては恐らくその頃よりは厳しくなっていると思いますので、目指すのであれば本当に自分がやりたい気持ちがあるのかどうかときちんと向き合った方がいいのかなと思います。

日比谷シティ法律事務所

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