大学時代に勝負したい気持ちが芽生え、司法試験にチャレンジ!
時田剛志先生
経歴 2011年 國學院大学法学部卒業
2014年 明治大学法科大学院修了
2015年 最高裁判所司法研修所(さいたま地方裁判所配属)修了
2015年 弁護士登録
埼玉弁護士会所属
2015年 弁護士法人グリーンリーフ法律事務所入所
※先生の所属事務所等プロフィールは、取材時のものです。
時田剛志弁護士インタビュー動画 ~法律家を志す皆さんへ向けて~
私が弁護士を目指したのは大学在学中の頃です。その当時、とある政治家の秘書をしておりまして、政治の道への興味関心もあったのですが、弁護士になろうと決めたきっかけが二つあります。一つは、その政治家の仕事の中でよく市民のご相談を受けることがありまして、当然それは政策に生かすためにお聞きするのですが、相談内容自体は個別具体的な話が多いというところがあって、政治家というのは個別案件に対して、即時に解決するというのがなかなか難しいと感じていました。であれば、この目の前の方の力になるにはどうすればよいのか考えた際、弁護士という選択肢があると感じたのが一つです。それを察してくれたのか分かりませんが、その政治家の先生に「政治家というのは自分の全てを世間に晒し出さなきゃいけない、時田君はそういうのは向いてないかもしれないね。弁護士であれば優秀な仕事人になれると思うよ。」ということを率直に言って頂きました。ふと考えると、私は当時法学部に特に志なく入ったのですが、せっかく入ったのだから日本一の難関と言われる司法試験を目指してみようという思いもありました。
二つ目のきっかけは大学の友人です。高校には行かず大検(現在の高卒認定試験)を受け大学に入学した元暴走族の友人がいるのですが、その友人が伊藤真先生の講義を受講していまして、「伊藤塾が良いよ」と教えてもらい、すぐに体験受講をし、その際に呉講師の講座を受講してみたら、退屈せず、すごく分かりやすかったです。私は当時、ろくに法律の勉強をしていなかったのですが、初めて聞いただけでも「これだったら続けられそうだな」と直感し、呉先生の講座を受講し、弁護士を目指すに至りました。恥を忍んで言うと、高校から大学に進学するにあたってほぼ受験をしないで、志ないままエスカレーター式で大学に進学しましたので、あまりこれまでの人生で勉強したことがありませんでした。その時に先ほどお伝えした友人の迫力といいますか、弁護士になるという熱い心を持っている姿を見て、「敷かれたレールをそのまま歩んできたけれど、ここで若いうちにひと勝負しておこう!」という気持ちが芽生え、弁護士になる挑戦をするのであれば勝負として価値十分であると思いました。あまり知識がなかったのも逆に良かったかも知れないです。というのも、あまりにも高いエベレストのような山だと感じていれば、目指さなかったかもしれなかったためです。
今、私の所属しているグリーンリーフ法律事務所は、さいたま市大宮区にありまして、在籍している弁護士数が16人です。埼玉県内では最大級の事務所です。特徴としては、私が入所した時からなのですが、士業間のネットワークとか不動産関係のネットワーク、特定のネットワークを通じて、お客さんにサービスを提供しているのが特徴です。また、現在は、専門分野をかなり絞った状態で仕事をするということになっています。もう一つ特徴的なのは、弁護士が何人かで集まり、経費共同する事務所ではないことです。弊所は、弁護士法人でもありますので、会社に近い形をとっています。一旦収入を全て事務所に集め、そこからマーケティングや広報活動などの個々の弁護士の事務所貢献度に応じて還元してもらいながら運営をされております。そのため、宣伝広告等にも必要な費用を回せますので、法律事務所として大きくなってきたかなと思います。
ところで、私個人の担当している分野としては、離婚ですとか不貞慰謝料、あとは交通事故や労災事故を集中的にやっています。そのほか、私は、少年事件、さいたま市のスクールロイヤー等の職務を複数担っており、学校に関わる分野を仕事としてやっています。
スクールロイヤーとは大きく分けて三つの仕事がありまして、一つ目は教職員向けの講演です。例えばいじめでしたら、いじめ防止対策推進法という法律があり、国のガイドラインが出ていたりしておりますので、そのような点を分かりやすく短時間で講演するようにしています。
二つ目は生徒さん向けのいじめ予防に関する授業をしたりもしています。
三つ目としましては、学校で抱えている法的問題についてのリーガルチェックです。各市町村に顧問弁護士はいるのですが、そこと繋がるまでに組織内でハードルが多々あるため、学校の先生はすぐに悩みを解決できず、法律相談をする先がないとよく聞きます。そのような問題点がありましたので、相談事項があれば、スクールロイヤーが学校に出向いて、すぐにお話しを聞き、子の最善の利益を踏まえたアドバイスをすることができる体制になっています。
弁護士の仕事は思っているより地味なところも多く、事務所で起案する時間というのはとても多いです。あとは電話対応や、交渉をすることもあります。その中でも人の前に立つ仕事というのは弁護士の仕事として一つの晴れ舞台かなと思っています。例えば、今お伝えしたスクールロイヤーのいじめ防止授業などで、お子さんたちのキラキラした目の前で授業をやったり、裁判で法廷に立ったりすることなどに、私としてはやりがいを感じています。
あとは難しい交渉などもやりがいを感じます。裁判で好ましい結果が出た時は嬉しいですし、少年事件などは活動が直接結果に結びついた瞬間に、プロフェッショナル仕事の流儀の音楽が自分の頭の中で流れるような感動を覚えます(笑)。成果が出た時は、非常にやりがいや達成感を感じますね。
伊藤塾では、勉強のやり方そのものを呉先生に教わったと思っています。新しい法律とか新しい問題にぶつかったときに、「呉先生だったらどう考えるかな」と考えます。例えば、新しい法律があったとしたら、趣旨目的から立ち返って、条項を解釈していくような考え方などです。また、勉強というのは「基礎が大切」ということを学びました。まずは盤石な基礎を確立して、そこから応用的な話に進めるということを伊藤塾では学ばせて頂いたと思います。伊藤塾がなければ、今の私はありません。実務では、刑事裁判を例にすると、刑法で学んだ知識や定義、趣旨が直ちに問われたりします。いくつかの詐欺行為があり罪数が問題となった時に「弁護士の意見は」と裁判官から聞かれたら、罪数の考え方を整理して、「被告人に有利なのは包括一罪だな!」とその瞬間に定義を思い出して答えたりできますので、その辺りの理解は、実務にも結びついているなと思います。
司法試験受験生時代を思い出すと、個人的には短い方なのかなと思います。集中的に勉強したのは大学時代の後半2年間とそのあとロースクール入る前の1年間、ロースクールの既修コースで学んだ2年間ですので計5年です。その5年間はとても充実していました。ロースクールに対しては批判もあるようですが、私はロースクールでより応用的な内容を学べたと思っています。
法律家には「こういう人は向いてない」というのは正直ないと思います。色々なバックグラウンドや様々な考え方を持っている人が弁護士になってくれればと思っています。例えば、私はスクールロイヤーという仕事をしていますけれど、教師ではないことから、学校現場で先生という立場で人と関わった経験はありません。私は、親が教師でしたので、経験談は聞きますけれども、現場の声というのを人伝てに知る手段しかありませんので、そのように考えてみると、教員の方が司法試験に受かって弁護士になったらまた違った提案ができるのではないかとも思います。要は、いろいろな考え方の人が法律家になって頂きたいなと思います。
これから始める人に伝えておきたいのは、やはり基礎的なところが何より大切だということです。では、基礎とは何か。独学では、すべての知識が基礎のように感じることがあります。そうすると、基本書を読んで濃淡を付けず全てを網羅的にやることになってしまい、あまりに大変で、つまずいてしまう原因になってしまいます。その点、伊藤塾は、何が基礎なのか、という点をはっきりと教えてくれます。そこで、当面の勉強は、まずは何が基礎なのかを学んで頂いて、そこを理解し、記憶し、表現する、という繰り返しに尽きると思います。基礎の量は膨大に見えますけれど、実はそれほど多くないです。法律の条文を全て暗記はしませんし、その中でも暗記しておいた方がいいのはごく一部ですから、まずは基礎が何かを知り、そこをとにかく繰り返すことが大切です。あとはマインドです。「志」が大事です。私の場合は、書道が得意なので、自分の初心といいますか、目指した時の気持ちを和紙に書いて、部屋に貼っておいたりしました。まずは決意を固めてください。志を常に忘れないでやっていけば、自ずと合格までの勉強時間は短くなると思います。
色々とお話させて頂きましたが、やはり「継続は力なり」だと思っています。呉先生の言葉を借りると「何が起きても淡々と続ける」です。試験が延期されようが、落ちようが、目の前のやるべきことを積み重ねる、ということに尽きるのではないかと思います。
弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
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