「この仕事を自分がやる理由がある」と思える仕事をしたくて

笹原健太氏

蛯原龍先生

経歴   2007年 渋谷教育学園幕張高等学校卒業
     2011年 慶應義塾大学法学部卒業
     2013年 早稲田大学大学院法務研究科 修了
     2014年 最高裁判所司法研修所入所
     2016年 弁護士登録 桜川綜合法律事務所入所




※先生の所属事務所等プロフィールは、取材時のものです。

蛯原龍弁護士インタビュー動画 ~法律家を志す皆さんへ向けて~

 私が弁護士を目指したきっかけというのは、あまり高尚な理由は正直ないのですが、高校生大学生になって将来自分がどの仕事をしようかと考え始めた時に、誰にでもできる仕事ではなく、この仕事を自分がやるという理由がある仕事をしたいなと考えたことにあります。その際、資格を持っての仕事という選択肢が浮かび、その中で元々法律系といいますか、理屈っぽいことが自分としては好きだったということもあり、延長線上に弁護士という仕事があったイメージです。その「理屈っぽさ」の所以ですが、幼い頃から本が好きでしたので、論理的に物事を考えていたというのはあると思います。また、同じ失敗を繰り返さないために、自分の中に理屈が欲しかったというところもあります。サッカーをやっていたのですが、次どのように動くか、どういうふうに他の人が考えているのか、といった具合に考えていましたので、そのような幼い頃からの習慣が影響していたのかなと思います。

 具体的に司法試験に向けた勉強をスタートしたのは大学1年生の途中からです。伊藤塾さんに入塾し、そこがスタート地点になります。それまでの高校時代などは法律を具体的に意識したことは特にありませんでした。大学で法律の授業を受けた際、正直に言えば私が思っていた結果とテストの結果が違うなと思いました。そういうこともあり、きちんと勉強しようと決意し、伊藤塾に入塾しました。


 弊所の紹介をさせて頂きますと、10人で構成される中小の事務所ということになるかと思います。企業法務を中心にしています。日常の法律相談ですとか、契約書の作成といった一般的な仕事以外ですと、M &Aのお手伝いや企業の事業再生が大きな柱の事務所になります。企業のコンサルタントからのご紹介を受け、M &Aのお手伝いですとか、企業再生のお手伝いというのをさせて頂く形が多いかと思います。元々自分は論理的に物事を考えるところがありましたので、そういう意味ではきちんと割り切って仕事をできるのは、一般民事よりも企業法務なのかなと思い、その分野の道を選びました。

 弁護士の仕事にやりがいを感じるのは、これは皆さん一緒かなと思うのですが、案件が終わった際、依頼者の方に「ありがとうございました」と言ってもらえればそれが一番です。特に私は事業再生をやることが多いのですが、会社が苦しい状況だったり従業員の方も厳しい状況だったりという中から、色々なところと交渉をし、将来の方向性を指し示すことができ、結果として一つ形になったというときに自分としても満足感があります。「先生ありがとうございました」と言って頂けると頑張ってよかったなと思いますね。
 現状のコロナ禍では、融資でなんとか持ち堪えているという業界もありますので、その返済が始まるときに、厳しい業界は増えてくると言われています。また、高齢化が進んでいるということもあって、経済状況が悪くなってというだけでなく、従業員の方もいるので、後継ぎがいないが事業を繋いでいく必要があるということで、ご相談に来られる方もいらっしゃいます。

 法律家に向いている方については、私の感覚にはなってしまいますが、やはり常識のある方といいますか、人の気持ちがわかる方が向いているかなと思います。この業界にいると、先に法律があって、この法律に当てはめて結論はどうなのかと考えてしまう人が多いかなという印象なのですが、直感的に「こういう状況の時はこっちの方を助けるべきじゃないか」というのがあって、そのための理屈として法律があると考えることは大切かなと思います。「法律がこうだから無理」と言ってしまうような方ではなく、親身になって「この方をなんとか助けてあげたい。そのためにはどういう理屈が考えられるだろう」と考えてあげられる優しい方は、やはり向いているのかなと思います。


 この業界で仕事をしていると、私くらいの年次であっても、ご相談に来る方というのは経営者ですとか上の方になりますので、普段の生活では会えないような会社の経営者や役員レベルの方の話を聞くことになります。私が担当するのは事業再生という分野が多いですが、取引先や銀行などと様々な交渉をして、会社の方とも協力をして何とか助けることができたとき、とても満足感を得られる職業なのかなと思っています。

桜川綜合法律事務所

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