独立前には感じることができなかった弁護士の仕事のやりがいとは・・・

宮本武明先生

経歴  2007年 成蹊高等学校卒業     2012年 慶應義塾大学法学部(法律学科)卒業
    2015年 慶應義塾大学法科大学院(法務研究科)修了
    2015年 新司法試験合格
    2016年 弁護士登録(第二東京弁護士会)
    2016年 アンダーソン・毛利・友常法律事務所入所
    2020年 SAKURA法律事務所開所
       

※先生の所属事務所等プロフィールは、取材時のものです。

宮本武明弁護士インタビュー動画 ~法律家を志す皆さんへ向けて~

 私が弁護士を目指したきっかけですが、大学1年生の頃、小林節先生の憲法の授業に伊藤塾長がいらして、そこでお話を聞き「法律って面白そうだな」と思い伊藤塾に入塾しました。当時は絶対弁護士になりたいといった強い希望があったわけではなく、単に面白そうだなという思いと、周りの友人が入塾したということもあり、自分も入塾するに至りました。その後、しばらくして行かなくなってしまったのですが、大学時代はアルバイトもしていましたし、サークルでもテニスサークルのキャプテンをやっていたので、そちらの活動で時間をとられてしまい、勉強が少し疎かになってしまいました。ですが、大学4年生の時、卒論を書く必要があることから、そこできちんと法律の勉強を開始しました。かなり細かい民事訴訟法の論点だったのですが、それについて詳しく研究をし、そこで初めて法律の面白さを実感しました。当時、今一緒に事務所を運営している友人と一緒に勉強をしていたのですが、その友人と卒論を作成している中で、せっかくなら他の論点や法律のことも学びたいと思い、ほぼ法律知識0の状態からもう一度伊藤塾の講義を聴きなおし、本格的に法曹を志したという経緯です。
 大学に入学する前、高校生の頃は弁護士など意識していませんでした。数学が苦手でしたので、文系である法学部を選択したというだけで、入学当初は弁護士といった職業について全く意識していませんでした。大学に入学した後の伊藤塾長の話がまさにきっかけです。

 前職はアンダーソン・毛利・友常法律事務所に在籍しておりまして、そこから独立し今の事務所を開業したという経緯があります。アンダーソン・毛利・友常の頃は金融法務と不動産法務を主に担当していたことから、顧問先は不動産系の会社が多いです。不動産系を中心に企業法務を担当していたのと、独立してからは民事案件でしたり、刑事の案件なども友人からの紹介で受け持っています。四大事務所は大学院の成績なども影響してくるのと、私の場合、小学校時代はニューヨークにおりましたので、英語ができるということもあり、その点考慮され内定をとれたのかなと思います。
 2020年に独立開業したわけですが、アンダーソン・毛利・友常法律事務所に入所した時から「いつかは自分で」という思いはありました。一緒に共同創業した弊所の代表弁護士である道下弁護士は慶應の法科大学院で同じクラスで出席番号が前後だったのですが、彼は西村あさひ法律事務所出身でした。アンダーソン・毛利・友常法律事務所は赤坂から大手町に移ったのですが、そのビルが西村あさひの隣のビルであったことから、移転後は毎日のように一緒にランチをして、独立開業するに至りました。

 弁護士の仕事としてのやりがいは、トラブルを解決できたタイミングに感じるといいますか、弁護士冥利につきるなと思います。これは独立前には感じることができなかったことでありました。というのも、前職では主に担当していた法律業務が主に予防法務でしたり、戦略法務といった法律知識を活かして経営戦略をサポートする業務でしたので、現に争いが起きているわけではなく、将来の紛争トラブルを予防するための法律業務を担当していましたので、トラブルを解決するための法務は一切やったことはありませんでした。したがいまして前職では法廷に立ったことはありませんでしたし、一切トラブルを解決するという作業はありませんでした。ですが独立をして、お客様が大企業から中小企業やフリーランサーに移ってくると予防法務ではなく、臨床法務、つまりはトラブルが発生していて困っているので助けてくださいという依頼が多く、やはり実際やってみると、そのような案件を解決したタイミングというのは弁護士しかできないことですし、依頼者に感謝されますし、やりがいを感じる瞬間だなと思います。4大はフィーが高いので、どうしてもある程度資金のある大きな企業でないと依頼できない部分はあります。

 四大事務所で弁護士業務をやるとなると、職人気質でないと難しいと思っていて、一切の妥協を許さない、ミスを許さないような気質のある方が向いていると思います。一方で一般民事とか刑事をやっている弁護士にとっては勿論そのようなスキルマインドも必要なのですが、コミュニケーションの大切さも大きなウェイトを占めることになります。どのような人が法律家に向いているかという質問に対しては、あまりこういった方というのはなく、色々な方々に法曹の世界に入って頂きたいという思いを抱いております。どのような気質の方でも活躍できる分野は必ずあるので、色々な幅広いバックグラウンド、それから個性をお持ちの方に法曹になって頂きたいなと思っています。

 独立してからは、在籍している弁護士同士で議論になったりするのですが、その中で「伊藤塾の基礎マスターでこの部分あったね」などと話になり、当時を懐かしむような暖かい雰囲気になったりすることもあるのですが、まちがいなく一般民事または刑事の案件をやっている時など、当時学んだことが今役立っていると実感しています。
 在籍する5名の弁護士は各々専門としている分野が異なるので、様々なご相談に対応できる体制になっています。一番深いところで基礎マスターが共通に流れていたりもするので、そこでは通じ合っていると思います。弊所の弁護士は68期から70期なので、全員年齢も近いです。上の先生から学ぶという機会はたしかに失ってしまったかもしれません。したがいまして主体的に学んでいかなければいけないという思いはあります。先輩弁護士の隣のデスクで作業して、初めて見えてくる仕事のやり方みたいなものあると思うので、そういうものを見る機会は独立して失ってしまいましたので、しっかり学ぶ姿勢を失わずにやっていかねばと思っています。


 今、弁護士の活躍の場はどんどん大きくなっていると思っています。今までですと弁護士になったら基本的には法律事務所に所属して、法律業務を行うというのがほとんどだったと思うのですけど、活躍の機会は増えていると思っていて、インハウスの方は勿論そうですし、私のように会社を立ち上げる方も最近増えておりますので、どのようなバックグラウンドをお持ちの方であっても法律資格を得て、活躍する機会があると思うので是非法曹界に新しい風を吹かせるようなことをして頂ければと思います。

SAKURA法律事務所

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