やりがいは責任の裏返し。1年目から「先生」と呼ばれる仕事

京谷周先生

経歴  2007年 神奈川県立湘南高等学校卒業     2012年 北海道大学法学部卒業
    2014年 北海道大学法科大学院修了
    2015年 弁護士登録
    2015年 弁護士法人太田・小幡綜合法律事務所
         (現:弁護士法人PLAZA総合法律事務所)入所
    2018年 東京事務所所長就任
    2020年 副代表弁護士就任

      ※先生の所属事務所等プロフィールは、取材時のものです。

京谷周弁護士インタビュー動画 ~法律家を志す皆さんへ向けて~

 弁護士を目指そうとしたのは親の薦めがあります。もともと褒められた高校生といった感じではなく、社会の色々なことに関心があったとかというわけでもなく、普通の高校生であったと思うのですが、父親から「資格を持っていたほうがいいよ」と言われ、なんとなく法学部に進学したという経緯です。とはいえ頭の片隅では資格をもってやっていきたいなということが在り、大学に入ってサークル活動ですとかアルバイトなどもやってみたかったので、それと併走しながら、受験指導校に通うことを考え、その中で最も定評のあった伊藤塾に入らせて頂き、そこから少しずつ軌道に乗せていったとう流れです。当時からインターネットでの講義を受けていたので、隙間で受講したりなど大学生活との両立をはかりました。ですが、あまり褒められた大学生活ではなかったので、しっかり予習復習してとかいうのはなく、とりあえず聴くということしかできなくて、大学の23年生ぐらいのときは、サークル活動やアルバイトが大学生活の中心でしたので、勉強に時間を割いてはいませんでした。「本当に大丈夫なのかな」とは思っていたのですが、4年生の後半には法科大学院の入試もありましたので、そこに向けて結構な量、論文を書いた記憶はあります。もっと私より司法試験に向けた勉強をたくさんしている人が多くいたので、そのような方からみたら、かなり見劣りするのかなと思います。
 ロースクールに入ってからも、フォロー制度で伊藤塾のクラスマネージャーの方に助けられたかなと思います。北海道でしたので、東京のように通ったりはできなかったので、月に1回程度、勉強のペースなどを確認して頂きました。それが結果的にはペースメーカーとなりました。ロースクールでは友達と自主ゼミを組んだりしましたが、それまで勉強していなかったということもあり、勉強仲間などもいなくて、普通がどういうものなのか分かっていなかったので、伊藤塾の教材ですとかクラスマネージャーの方にお世話になったと思っています。当時の北大ロースクールは学部時代の成績は関係なく、試験一発勝負みたいなところがあったので、自分のように学部時代に勉強をさぼっていたような学生には合っていたのかなと思います。また後押ししてくれる人もいたので何とか大学院には滑り込めたのかなと思います。北大から北大ロースクールに進学した理由は勉強の環境が変わるのはあまりよくないかなと思ったので、北大ロースクール、または東北大ロースクールのどちらにしようか迷ったこともありましたが、やはり環境が変わらないほうが、勉強する環境としては良いのではないのかなと思ったので、北大ロースクールに進学することにしました。

 私がいるのは弁護士法人PLAZA総合法律事務所といいまして、拠点が東京と札幌にあるのですが、メインのクライアントは一部上場しているような大きな企業様もおりますが、中小企業の法人がほとんどです。基本的には企業法務といわれる分野を扱っており、顧問契約がそれなりの数ございますので、日々顧問先の企業様からのご相談があります。その中でも多いのは契約書のレビューですとか、労働関係の相談ですとか債権回収などが多いかなと思います。顧問先に対する日々のルーティンとしての業務をやりつつ、その中でどうしても訴訟となってしまうケースもありますし、ご紹介で依頼して頂けるお客様も多いので、裁判などのスポット案件もあったりします。案件の内容も多岐に渡っておりまして、常にあるのは使用者側での労働事件はかなり多いのと、あとは企業様はクライアントと契約をして収益をあげているわけなのですが、その中でトラブルになってしまうような、B to Bのお客様もいれば、B to Cのお客様もいたりします。そのような中で訴訟になってしまうお客様もおりますので、訴訟対応はそれなりの数をやっております。あと、弊所は隣接士業、司法書士の先生や税理士の先生とか行政書士の先生もパートナーとして一緒に仕事をしておりますので、例えば相続関係で紛争になってしまうことも結構ありまして、他の士業の先生は紛争解決することはできないので、そういったものをご紹介して頂くこともあります。最近は相続関係が多いです。

 また、私自身が多く取り扱っているということではないのですが、弊所の代表が倒産事件をかなりの数、実績として積んできております。専門性が高い分野でして、単なる破産だけではなくて、民事再生ですとか私的整理といって銀行だけを相手に企業再建をはかるといったやり方など、色々あったりもするのですが、代表はそのような分野も担当しています。
 札幌事務所のほうは、前代表の個人事務所時代から40年にもなる老舗の事務所でして、地方なので企業のお客様が多いものの、総合事務所としての色合いは強くなります。東京ですと交通事故とか離婚とかそういったものは0ではないですけどほぼありません。刑事事件もほとんど扱うことはありません。


 仕事のやりがいは責任の裏返しだと思うのですが、1年目の初日から先生と呼ばれることになります。私は社会人経験があって弁護士になっているわけではなく、社会人1年目が弁護士でしたので、困惑したところは正直あります。いきなり会った企業の社長や担当者の方から「先生」と呼ばれることになり、普通そんなことはありないわけであって、非常に怖かったという思いがありました。ですが、なんとかやり終え、問題を解決できると、自分が何とかしてやり終えたという達成感があるのと、実際に前線に立って、裁判所でやりとりする書面を書く、もちろん最初はボスに添削してもらったりするのですが、自分の名前でいきなり仕事をするというところは責任を感じるものの、達成感はやはり強いのかなと感じます。資格業だから仕方ないのかもしれないのですが、うまく乗れると面白いなと思います。今7年目ですけと恐怖心など未だに感じることはあります。うちの事務所は案件の種類とかは偏ってはいないので日々色々な案件がくるのですが、新しいことだらけですので「わからないな」と感じるときは不安を感じます。

 伊藤塾は受験指導校なので試験対策というところにはなってくると思いますが、それでも講義をして頂く中で、考え方を教えて頂きましたので、思考方法は受験生の時から実務に繋がっているなと感じます。あとは受験する方は論文をたくさん書いているとおもうのですが、書く力といいますか筆圧力みたいなものは、実務の現場ではそれなりの分量の書面を書くことから、文章の書き方などは大学では教えてくれないので、やはり伊藤塾で培ったものだと思っています。実務にでたあとも色々な方から添削をして頂くことにより、変化してはいくのですが、根本的なものは伊藤塾で教えて頂いたと思っています。限られた時間で書くというのは、受験生時代は分からなかったのですが、実務家になればとても忙しくなるので、スピーディーに分かりやすい文章を書くという訓練はこの受験生時代から始まっていたと思います。遅いと捌ける仕事の量も減ってしまいますし、プライベートのほうにも食い込んでしまうので、教えて頂いたところは大きいかなと思います。

 個人的にこういう人は弁護士に向いているとか向いていないとか、そういった見方は、あまり好きではないのですが、色々なアプローチがあるとは思いますが、仕事に限らず誠実に向かう方がよいのではないかなと思います。それは、AさんはできるがBさんはできないとかではなく、どのような人でもできることかなと思いますので、伊藤塾長の「やればできる必ずできる」というのは受験生の時から今でもそうですが、本当にそうだなと思っています。自分しだいで良い法律家になれるのではないかなと思います。

 よく法律家になったあとのことを考えましょうとか言われると思うのですが、私自身は恥ずかしながら、それほど熱心に情報収集していたほうではありませんでした。今思うと「こういうふうに仕事したいな」とか「こういうふうになりたいな」などのイメージがあったほうが結果的に目の前の勉強を頑張れるのかなと思います。勉強に疲れた時など、今は色々な方法で情報収集もできますし、それこそ伊藤塾でしたら明日の法律家講座とかも配信されているので、すこし気楽に観てみるというのも気持ちの切り替えや、モチベーションの向上に繋がるのではないかなと思います。そういうところを活用しながら、一方で正しい方向で努力した人が勝つ試験なのかなと思うので、良い指導者に出会い、正しく且つそれなりの物量の努力をして頂ければと思います。なかなか抜け道がある試験ではないと思うので、やはり誠実に物量をかけて努力した人が勝つ試験だと思います。

弁護士法人 PLAZA総合法律事務所

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