“困っている人達を助けることができる”弁護士は本当にやりがいのある仕事です。
松浦 ひとみ 先生(弁護士)
私の事務所訪問
私は、一般民事を中心に法廷に立ち、市民の味方になれる弁護士になりたい、と考え、横浜を中心に事務所訪問を行いました。
事務所訪問は、公募している事務所の他、ご縁があって紹介いただいた事務所も積極的に訪問しました。最初は、あまり事務所の方向性を絞らずに、様々な事務所を訪問して、たくさんの先生方とお話をしながら、自分のやりたいことやどんな事務所が自分に合うかなどを考えていきました。
その中で、自分が入りたい事務所は、①幅広い事件を扱っていて、様々な種類の事件を学ぶことができ、自分のやりたい事件もやることができる事務所、②事務所の雰囲気が自分に合う事務所の2点であると考え、現在の事務所への入所を決めました。実際に入所してみて、入所前に抱いていたイメージとほとんどギャップがなく、この事務所に入ることができて本当によかったと実感しています。
最近では就職状況が厳しくなっていると言われており、ついつい内定をいただける事務所に飛びついてしまいがちですが、自分がどういう弁護士になりたいのか、そのためにはどういう事務所で働きたいのか、というビジョンをきちんと持った上で、妥協せずに事務所を決めた方がよいと思います。
現在の主な業務内容
当事務所は、一般民事を中心とした多種多様な事件があります。合同事務所なので弁護団事件もありますが、通常の民事事件・家事事件・刑事事件もたくさんあります。自分の興味のある事件や、委員会活動等も自由にやることができます。
私自身も、多くの種類の事件を取り扱っています。弁護団事件では、原爆症弁護団やアスベスト弁護団、消費者弁護団に参加していますが、民事事件では、明渡事件や損害賠償事件、請負代金請求事件、労働事件などの一般民事全般、家事事件では離婚事件や遺産分割、刑事事件では、国選事件、少年事件の他、殺人未遂の否認事件なども取り扱っています。また、任意整理や破産等の債務整理や企業の契約書のチェック等もあります。
その他、法教育委員会や子どもの権利委員会の委員会活動や、少年事件の勉強会の幹事など、事件以外の活動にも積極的に取り組んでいます。
やりがいを感じる瞬間
私は、まだ弁護士になって8か月余りですが、やりがいを感じる瞬間はたくさんあります。私のイメージしていた弁護士像は、困難な状況に陥っている人たちを助ける、という感じですが、実際に弁護士になって仕事をしてみると、正しくそのイメージ通りで、本当にやりがいのある仕事だなと感じています。
例えば、労働事件で不当な懲戒解雇をされた依頼者のために労働審判を起こし、1回目の審判期日で見事こちらの要求が認められた時には、泣いてばかりいた依頼者の方が笑顔で大変喜んで感謝してくださり、大きなやりがいを感じることができました。
また、刑事事件では、事件から逃げてばかりいた被告人が、裁判を通じて被害者の苦しみや自分の罪の重さを知り、ようやく事件と向かい合うことができるようになった時や、窃盗事件で居住場所も所持金もない被告人の居場所を探し、そのかいあって被告人が更生した時など、裁判を通じて被告人が事件を見つめ直し更生していくことに協力できるこの仕事に、とてもやりがいを感じています。また、少年事件では、家庭環境など根深い問題を抱えている少年たちも多いのですが、そういう少年や親たちと向き合い根気強く話をすることで、少しずつ少年や親が変わっていき、少年の笑顔が戻った時には大きなやりがいを得ることができました。
伊藤塾で得たもの
伊藤塾では、法律の基礎から応用まで分かりやすく、かつ効率よく学ぶことができました。伊藤塾で学び、努力を続けたあの日々があって、今の自分があるのだと実感しています。特に民法の情報シートは今でも私のバイブルで、事務所のロッカーの中に常備しています。
また、伊藤塾長の講義や明日の法律家講座等では、単に法律を学ぶだけでなく、憲法の理念や法律家としての精神を学ぶことができ、目指すべき弁護士像が明確になりました。
これから法律家を目指す方へ
今、司法試験という夢に向かって頑張っている皆様の中には、多くの困難と戦っている方も多いと思います。私も、なかなか思うように結果が出せず、苦しい時期も多々ありました。しかし今、弁護士になって思うことは、受験時代に学んだこと、そして困難の中で自分と戦い、向き合ってきたこと全てが、現在の自分の糧となっており、無駄なことなど決してないということです。受験時代の自分なくして、今の自分は絶対にありません。
そして、法律家の仕事というのは、多くの方たちの人生の手助けをすることができる、本当にやりがいのある仕事です。是非、皆様も頑張ってください、応援しています。
(2008年5月・記)
【プロフィール】
2005年 司法試験合格
2006年 司法研修所入所
2007年 弁護士登録
馬車道法律事務所入所
■事務所プロフィール
馬車道法律事務所
〒231-0011 横浜市中区太田町4丁目55番地 横浜馬車道ビル6階
■所属弁護士数
8名(2008年5月時点)
■主な業務内容
一般民事、家事、刑事、弁護団事件等
■現在の「ある一日のスケジュール」
08:00 起床
09:30 出勤後、執務開始、メールのチェック等をする
10:00 電話応対、起案等
11:00 地裁で進行協議期日
12:00 昼食
13:00 依頼者と打ち合わせ
14:00 地裁で労働審判期日
16:00 子どもの権利委員会に出席
17:00 事務所にて依頼者と打ち合わせ
18:00 電話応対、起案等
21:00 仕事を終え、帰路につく
21:30 帰宅、夕食、入浴等
00:00 就寝