コンプリート論文答練では初見の問題に対処する現場力が鍛え上げられました

小西 満さん(22歳)
 

京都大学法学部4年在学中
【合格校】
・京都大学法科大学院(既修)
・大阪大学法科大学院(既修)
・神戸大学法科大学院(既修)
【受講講座】
入門講座本科生+リーガルトレーニング、コンプリート論文答練、京大ロースクール突破小教室


※プロフィールは、2010年合格時点のものです。


はじめに

 私は中学生の時に弁護士のドラマを見て、法律知識と経験によって困っている人を助けることができる弁護士という職業に強い憧れを抱き、弁護士を目指すようになりました。そして、法学部に進学しましたが、1回生のころはクラブ活動に夢中になりほとんど勉強しませんでした。このままではいけないと思い、2回生の春に伊藤塾に入塾しました。受験指導校を利用しようと思った理由は、法曹になるための法律の勉強量は膨大であり、独学ではとてもこなせないと思ったからです。 
 伊藤塾の講義はインターネットでも受講することができ、クラブ活動やアルバイトの予定に合わせて勉強を進めることができたので、伊藤塾を選んでよかったと思います。

私がとった勉強方法 

適性試験対策について

 11月に一度、時間を計って過去問を解いてみたところ、点数が悪かったので、まず適性試験の解き方の本を1冊読みました。その後は、できるだけ毎日10~15分時間を取って市販の問題集をこなしていきました。そして、春からは毎週適性試験模試を受けることで適性試験のコツを徐々につかむことができました。適性試験はもともとの素質によるところが大きいと思いますが、練習をこなすことで必要最低限の点数は取れるようにすることが可能だと思います。

法律科目試験対策について

(1) 基礎的な法知識・法理論の修得について
 基礎マスター段階での基礎の徹底が最重要であると重々言われていたにも関わらず、私は、講義を聴き、次回の講義までにやった範囲のテキストを一度読むくらいのことしかしませんでした。趣旨・定義の記憶や、基礎力確認テスト等も怠ったため、この段階で基礎があまり定着せず、論文マスターの段階で非常に苦労することになりました。やはり、この段階で何度も何度もテキストを読み返し、趣旨・定義をしっかり頭に叩き入れるべきだったと思います。しかし、この時期に「論文トレーニングテキスト」を読んだり、基礎マスター答練を受講したりして、論文対策を意識した基礎的な勉強ができたことにより、論文マスターの段階においてスムーズに論文対策に移行することができたと思います。

(2) 実践段階の学習について
 論文マスター(=プロブレムメソッド論文マスター)の予習として、「問題研究」の問題の答案を書くことまではできませんでしたが、全問題につき答案構成はするようにしていました。しかし、基礎マスター段階での基礎の徹底を怠っていたことから、問題を見ても何を書いていいのかさっぱりわからず、答案構成すら全くできないこともよくありました。その場合は基礎マスターテキストの該当範囲を確認するようにしていました。
 論文マスターが一通り終わった4回生の春からは、直前期までひたすら「問題研究」の問題を答案構成し直していきました。その際、規範部分を正確に論証できるように、論証パターンも並行して見直していきました。
 この段階で、答案構成ばかりしていて実際に書く練習が不足していると感じたので、コンプリート論文答練を受講しました。コンプリート論文答練で出題される問題は典型論点を素材としたオリジナルの問題なので、典型論点を正確に論証できるかの確認ができたとともに、初見の問題に対してどのように対処していくかという現場力が鍛え上げられたと思います。当時はハイレベル論文答練にしようか迷いましたが、京都大学の入試においても、問題は難しいですが、結局あたりまえのことをあたりまえに書けるかで差が出たと思うので、コンプリート論文答練で十分だったと思います。

パーソナル・ステートメント対策について

 パーソナル・ステートメントは願書を書きだす頃まで全く準備をしておらず不安でした。しかし、パーソナル・ステートメント対策講座では、講義内で下書きを完成させることができ、あとはそれを志望校の形式に合わせて調整するだけだったので非常に助かりました。パーソナル・ステートメントも重要ですが、入試において最も重要なのは法律なので、パーソナル・ステートメントにあまり時間をかけ過ぎないように注意すべきだと思います。

学部成績について

 私は恥ずかしながら大学の講義にはほとんど出席しませんでした。伊藤塾の勉強だけでも単位を取ることはできますが、やはり良い成績をとるためには真面目に授業に出席することが重要だと思います。早い段階で入塾して勉強が進んでいるのであれば、復習のつもりで授業に出席すれば成績向上につながるのではないかと思います。京都大学の入試においても学部成績は非常に重視されます。1回生のうちからできるだけ良い成績をとるように努力した方がいいと思います。

志望校の選択について

 私は、法科大学院も法曹になる過程である以上新司法試験の合格実績が重要であると考え、志望校の選択においては新司法試験の合格率を重視しました。そして、大学生活を京都で過ごしてきたこともあり、住み慣れた京都で勉強を続けたいという思いから京都大学を第一志望にしました。
 志望校の選択において試験科目も気になると思いますが、どうせどの科目もいずれは勉強しなければならないものばかりなので、あまり気にせず進学したいところを受けるべきだと思います。

直前期と試験当日

 試験直前だからといってあまり手を広げない方がいいと考えていたので、入試の一週間前までは「問題研究」の答案構成を続け、各科目の論証パターンを見直していきました。また、それまで1日に5~6通の答案を書いたことがなかったので、過去問を使ったシミュレーションを各受験校につき少なくとも1回は行い、京都大学については3回行いました。
 試験前日や当日は、問題を解いたりすることで変に焦ってはいけないと思い、見慣れた論証パターンをパラパラと見直す程度にとどめておきました。

伊藤塾の学習と大学生活との両立、学習フォローについて

 私はクラブ活動とアルバイトをしていて、ライブ講義に出席できないこともよくありましたが、インターネット講義のおかげで伊藤塾の学習も空いた時間に進めることができました。しかも、インターネット講義では2倍速で講義が聴けるので時間短縮することもできました。
 勉強方法などで行き詰まったときは、クラスマネージャーやロースクールコンサルタントに相談するようにしていました。質問全てに対して丁寧に答えてくださり、モヤモヤしていたものが一気に解消し勉強に集中することができました。
 

入学前準備として

 法科大学院では基礎的な学力があることを前提に発展的な内容の授業がなされると聞いているので、もう一度基礎マスターをやり直し、基礎固めをしていきたいと思います。また、今までは論文対策しか行っておらず短答式の問題にはほとんど取り組んだことがないので、短答式試験に向けて今からコツコツと問題をこなしていきたいと思います。もっとも、法科大学院に入ってからはほとんど遊ぶ暇はないと思うので、今のうちに飲み会や旅行などもしておこうと思います。

合格後に必要なこと

 私は、法律知識がないためにしなくてもよいことをさせられ、払わなくてもいいお金を払わされている人たちを助ける町の頼れる弁護士になり、不合理な現実に苦しんでいる人を減らしたいです。そして、何か問題が起こった後に市民を助ける事後救済のみならず、個人や会社の顧問弁護士となり、そもそも問題が起こらないようにする予防法務も重視して行うことにより、不合理な現実に苦しむ人たちが根本的に出てこないようにしたいです。そのためにも、どんなに辛いことがあっても絶対に弁護士になるという強い志を持って法科大学院・司法修習での学習を進めていきたいです。

最後に

 私は、9月頃に練習のつもりで関東の私大を2校受験しましたが、どちらも不合格でした。その直後は完全に自分の実力に自信を失くし、精神的にすごく辛かったです。しかし、この2校の不合格によりこのままではいけないということを痛感し、勉強にそれまでより一層力が入りました。あのときに身を引き締めて勉強するのではなく、ただ落ち込んでダラダラと勉強していたとしたら、絶対に国公立の合格もなかったと思います。法科大学院入試は長い戦いで、その間にいろいろ辛いこともあると思いますが、みなさんもその辛さをバネにして合格に繋げていってください。
(2011年1月・記)