法学部以外から既修コースに合格。WEB講義とゼミの参加が合格の大きなキーポイントでした。

前澤 友規さん(21歳)
 

東京大学経済学部4年在学中
【合格校】
・東京大学法科大学院(既修)
・慶應義塾大学法科大学院(既修)
・中央大学法科大学院(既修)
【受講講座】
入門講座本科生+リーガルトレーニング、コンプリート論文答練、東大ロースクール突破小教室、慶應ロースクール突破小教室、東大ロースクール論文シミュレーションゼミ など
 
 
※プロフィールは、2010年合格時点のものです。


はじめに

 私は2年生になる春に本科生として伊藤塾に入塾しました。もっとも、2年生の間はサークル活動に明け暮れ、2年生の12月ごろまで全く勉強していませんでした。そのころに、このままでは大変なことになると思いインターネット講義を活用し学習を開始しました。ですから、1年半強程度の学習でロースクールになんとか合格した人間の体験記だと思って読んでいただければと思います。私のような他学部出身の人間が法律を効率的に学習するうえでは、受験指導校に通うことは必要不可欠でしたし、インターネット講義で遅れを挽回できた点は非常に助かりましたから、伊藤塾入塾を決めたことは最善の選択だったと思います。

私がとった勉強方法 

適性試験対策について

 私は4年生の4月頃まで、一切適性試験の勉強をしていませんでした。4月に一度過去問を解いてみると、推論分析が全くできなくて、相当焦りました。しかし、本科生に付属していた適性試験模試の受講を通じて解き方のコツや時間の上手な使い方を学ぶことができ、適性試験本番では255点(JLF)という高得点を挙げることができました。4~5月は法律科目の学習の追い上げで非常に忙しい時期ですし、試験全体における配点も法律科目の方が大きいですから、それほど適性試験に割く時間はありません。そのようなことを考え合わせると、10回の適性試験模試は必要かつ十分な分量であったと思います。

法律科目試験対策について

(I) 基礎的な法知識・法理論の修得について
 冒頭で述べたように、私は本当に落第生でしたから、基礎マスター段階ではとにかく、たまりにたまった講義を消化することだけで精一杯でした。1.5倍速で1日6コマ講義を受けるのはザラといったペースで受講していたため、全く復習していませんでした。今思えばこの点は非常に後悔しているところであり、答練などを受講して論文の視座を獲得してから基礎マスターを受講すればより有意義な時間になっただろうと反省しています。

(II) 実践段階の学習について
 基礎マスターを上記のような方法で受講していた私は、論文マスター(=プロブレムメソッド論文マスター)に移行した時点でまったく知識が身についておらず、本当に情けないくらいどうしようもない状態でした。そこで、論文マスターの講義は徹底的に理解・暗記しようと考え、論文マスターでは一転して1時間の講義を3時間以上かけて視聴するなど、内容の理解・知識の復習と整理に努めました。この方法は非常に時間がかかるうえ、本当に辛く苦しい時期でしたが、いま振り返るとこの時期の下積みこそが合格を支えたのだろうと思います。
 4年生の4月頃に論文マスターを一通り受講し終えて、ようやく答案を書き始めるようになりました。この頃はかなり勉強をしたという実感もあり自信もあったのですが、全く筆が進まず、知識があるのに答案が書けないという壁にぶつかりました。そこで、現状を打破すべく、伊関講師のゼミを受講することにしました。ゼミに参加することで、既存の知識をブラッシュアップするとともに、我流に凝り固まった勉強法を正すことができましたし、なによりペースメーカーとして答案を書く契機になりました。伊関講師のゼミで、答案の型を学び、答案の書き方を修得するとともに、コンパクトで実戦的な論証を学び、またライバルと切磋琢磨することができました。この時期の学習が法科大学院合格に直結したといっても過言ではないでしょう。私はこのような流れでようやく人並みに戦える状況になりました。もちろん伊藤塾の提示する理想のカリキュラムで学習を進めるのがベストですが、私のように一度ドロップアウトしかけた人間でも本気を出せばいつでも戦列に復帰できるようになっているのが伊藤塾のすごいところだと思います。

パーソナル・ステートメント、面接対策について

 私は経済学部出身であるため、ステートメントで書くネタに困ることはありませんでした。もっとも、そのネタや想いをどう表現するかという点ではパーソナル・ステートメント対策講座が非常に役に立ちました。また、日々の講義で話される伊藤塾長の熱い想いは学習のモチベーション向上につながるとともにステートメント作成のヒントになりました。加えて、明日の法律家講座では、多様な分野の著名人が講演してくださっており、受講することでステートメントの細部を詰め、正確さを増すのに役立ちましたし、あやふやな理想を実現可能で明確な目標へと変える契機になりました。  

学部成績について

 伊藤塾で学習していたことは、経済学部・法学部合併科目の法律科目の履修や、法学部科目を他学部聴講するにあたって非常に役に立ちました。伊藤塾でしっかり判例・通説を押さえていれば、法律科目でよい成績を取ることは容易だと思います。 
 また、学部成績が悪いと精神衛生上もよくないですし、最後まで不安の種になるので、早いうちから授業に出席して成績を上げる努力をするに越したことはないと思います。学校の授業を利用してロースクール入試の勉強に役立てるのだというくらいの要領のよさは必要だと思います。

志望校の選択について

 就職を考え、国立は東大、私立は慶應義塾と早い段階から決めていましたが、中央も受けるかどうかで悩みました。しかし、結果として中央大学法科大学院を受験したことはよかったと思います。試験場では何があるかわかりませんし、本番では考えたことがない問題が出たり、とんでもなく時間が足りなかったりします。中央の入試を経験したことで、慶應義塾や東大の入試ではしっかり落ち着いて腰を据えて問題を解くことができたのだと思います。

直前期と試験当日

 直前期は伊関講師のゼミ(論文の基礎ゼミ実践編)のテキストに情報を一元化し、そのテキストを復習するという形で学習しました。直前期に限った話ではありませんが、手を広げすぎず、復習をしっかり行うことが重要だと思います。慶應義塾の試験の時は完全に夜型生活リズムのまま試験に挑んだので、眠くて眠くて仕方ありませんでした。その反省を踏まえて、東大の試験の時は昼型に生活リズムを戻して受験しました。また、東大入試では、休み時間が非常に長いのでその間の過ごし方を考えておくのも大事だと思います。

伊藤塾の学習と大学生活との両立、学習フォローについて

 私は、経済学部生であるにもかかわらず、既修で法科大学院を目指すというマイノリティーだったので、法律の勉強仲間もおらず、本当に孤独で、出口のないトンネルにいるかのような非常に辛い時期がありました。しかし、伊関講師のゼミへの参加を通じて、ともに法律を勉強する仲間・ライバルと知り合うことができ、孤独感や閉塞感といった悩みは解消されました。ゼミの参加が私にとって、ロースクール合格の大きなキーポイントだったと思います。インターネット講義に関しては、冒頭で述べたように、たまりにたまった講義を倍速で消化するうえで非常に役立ちました。インターネット講義がなければ今の自分はありませんでした。

入学前準備として

 予備試験に向けて、短答式対策をしようと思っています。また春休みのうちに実務基礎マスターの要件事実は受講完了したいと思っています。

合格後に必要なこと

 将来は、国連などで法整備支援や難民保護などに携わりたいと思っています。マスコミ報道などで、司法制度改革がらみの様々なノイズが耳に入るかと思いますが、大切なのはなりたい自分になるために本気になれるかどうかだと思います。

最後に

 最後までくじけることなく勉強をやりきることができたのは周りの方々のサポートのおかげだと思っています。違う分野ながら、ひたむきに夢に向かって頑張る妹の姿には勇気づけられましたし、父と母は最後まで経済的・精神的に私の学習を支えてくれました。この場をお借りして父と母、そして妹に感謝したいと思います。いままで本当にありがとうございました。
(2010年12月・記)