法律知識は、ただ「頭に入れる」よりも「慣れる」「身につける」感覚が大事だと思います。

A.I さん(21歳)
 

合格者イラスト
東京大学法学部4年在学中
【合格校】
・一橋大学法科大学院(既修)、中央大学法科大学院(既修)
◆適性試験 / 第1回:239点 第2回:254点
◆学部成績 / GPA:3.21
◆受講講座 / 司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、ロースクール突破小教室、 憲民刑集中講義、 商訴集中講義 など

※プロフィールは、2012年合格時点のものです。

はじめに

中学生の時、学校の企画で裁判傍聴に参加しました。それまで漠然と法律に関心を持っていた私はその光景が非常に印象に残り、法律家という職業に惹かれるようになりました。
大学に入学してもその気持ちは変わることがなく、明確に法律家を目指すと決意しました。伊藤塾に入塾したのは大学2年になる前の2月です。高校時代から伊藤塾の存在は知っており、駅で伊藤塾長のポスターを見つけたときに直感で伊藤塾に行こうと決めました。
伊藤塾の講義では早い段階から法律の全体像をつかむことができ、応用的な学習をするにあたって欠かせない土台を作ることができたと思います。

私がとった勉強方法

法律科目対策について 

(1) 基礎的な法知識・法理論の修得

基礎マスター段階では思うように復習が進まなかったので全体像をつかむことを重視し、論文マスター段階で論証パターンや論文マスターの論証を参考に自分なりの論証カードを作って知識を定着させました。法律知識は試験という限られた時間の中でもすぐに使えることが大事なので、ただ「頭に入れる」よりも「慣れる」「身につける」感覚が大事だと思います。基礎マスター段階では難しいので焦る必要はありませんが、より早い段階から論文でどう書くかを意識しながら知識を入れると「慣れる」感覚が身につくと思います。

(2) 実践段階の学習について

アウトプットについては短時間で問題研究の答案構成を行うことを繰り返しました。ここでも「慣れる」感覚を重視してインプットとアウトプットを繰り返しました。
試験では覚えたことをただ正確に吐き出すことよりも、最初から最後まで筋の通った文を書くことを心がけました。論文試験では法律知識の有無だけでなく表現力や文章力も評価の対象となるので、とにかく覚えたこと全部を正確に再現しようと変に身構えてしまうことはないと思います。基礎マスターで学ぶような基礎的な知識に基づいて筋を通した思考を表現できていれば、試験でも良い評価が得られると思います。
9月からは一橋ロースクール突破小教室を受講しました。実際に受験された方の再現答案で試験の具体的なイメージをつかむとともに、現場での頭の働かせ方を身につけることができ、非常に役に立ちました。 

適性試験対策について

伊藤塾の適性試験対策講座を受講しました。この講座によって適性試験の要領を的確につかむことができたと思います。演習段階では過去問を3年分ほど何度か解きました。過去問を解く際は、途中で止まらずに最後まで解ききることを重視しました。途中で悩み出すと無用な時間を費やしかねないので、勇気を持ってとにかく解き進めること、そして解き進める感覚に身体で慣れることが重要だと思います。

パーソナル・ステートメント、面接対策について

ステートメントについては背伸びをせず、身近な活動をどれだけ熱意を持って取り組んできたかを伝えることを心がけました。息抜きも兼ねて自分の関心のある分野について本や新聞を読んだり、実務家の方の講演を聞いたりしました。特に伊藤塾の『明日の法律家講座』は実務の第一線で活躍される方のお話を身近に聞ける絶好の機会なので、関心に応じて積極的に参加してみるといいと思います。私も非常に役に立ちました。
面接対策についても基本的に同じです。毎年聞かれている質問やステートメントの内容については説明できるようにし、入室・退出の方法も確認しました。ここでも背伸びをせず自分の考えを「正直に」伝えることが大事だと思います。

学部成績について

学部成績はあまり良い方ではありませんでしたが、学部成績が悪くとも入試において悪影響はないと思います。学部の授業では学習の初期から細かい知識や発展的な学説を扱いますが、私の経験では伊藤塾でも習うような定義や判例など争いのない部分について正確に押さえ、問いに答えることを意識すれば、教授の採る学説でなくとも十分高い評価がつくと思います。

伊藤塾の学習と大学生活との両立、学習フォローについて

大学1年から時間的制約の大きいサークルに所属していたので、空いた時間を有効活用できるインターネットフォローは非常に役に立ちました。勉強だけでは誰でも煮詰まってしまうので、勉強するときはする、しないときはしないというメリハリが大事です。伊藤塾には勉強以外の活動と両立できる環境が整っていると思います。

合格後に必要なこと

様々な法律家のあり方を知る中で現在はビジネス法務に関心を持っていますが、どの分野の法律家になるとしても人とのコミュニケーションは非常に大切だと思います。受験は机上での勉強が中心になりますが、試験においても結局は採点官との対話なので、コミュニケーションをとる意識を持っておくことは有意義だと思います。
合格後も就職難など様々な不安要素がつきまとう中、受験生ができるのは合格後への関心を持ちつつ広い視野を持って勉強を進めることに尽きると思います。広い視野を持つよう心掛けることは受験においても良い方向に作用するはずです。

最後に

勉強を始めてからは試行錯誤の連続でした。色々な勉強法を試してみても力がつかず、合格できるのか不安で仕方がないときもありました。しかし、そのようなときでもいつかはうまくいくと信じ勇気を持って勉強を続けたことで、法科大学院合格という1つの区切りを迎えられたと思います。不安の中で勉強を続けることは勇気がいりますが、それによってはじめて自分の納得できる結果が残せるのだと思います。私もまだ道半ばです。お互い頑張りましょう。