呉講師の指示どおりに講義を聴き、メモを取り、復習すれば、嫌でも法知識・法理論を修得することができる
D.Mさん
◆学部成績/[GPA]:(3.45)S(A+、優以上):A(優):B(良):C(可)=74:29:4:6
◆受講講座/司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニングなど
◆合格校/慶應義塾大学法科大学院(既修・早期卒業)早稲田大学法科大学院(未修・早期卒業)中央大学法科大学院(既修・早期卒業・全額免除)
はじめに
もともとテレビドラマなどの影響で法律家に興味はありましたが、明治大学の法学部を特待生で合格し、学費が浮いたため受験指導校などに通う余裕ができたということが、法律家を目指すようになった最初の大きなきっかけです。大学入学とほぼ同時に伊藤塾に入塾しました。その後、伊藤塾からのメールで検察庁説明会が開催されることを知り、参加しました。そこで実際に現職の検察官の方とお話しし、検察の魅力を肌で感じ、自分もこの方たちみたいになりたいと思うようになり、検察志望になりました。早期卒業の制度を入学の段階で知っていたため、大学を3年で卒業し、慶應義塾・早稲田・中央・東京・一橋などの法科大学院に合格することを最低限の目標として設定しました。そのなかでも、司法試験合格率、自宅からの通いやすさ、刑事系科目の充実度、司法試験に直結する授業内容などの点から、慶應義塾大学法科大学院を志望するようになりました。
基礎的な法知識・法理論の修得について
呉基礎本クラスの42期生として伊藤塾に入りました。呉講師の指示どおりに講義を聴き、メモを取り、復習すれば、嫌でも法知識・法理論を修得することができます。他の基本書や演習本に手を出すのではなく、講義の内容を何度も復習することが最初は肝心だと思います。また、復習が十分でない場合でも、とりあえず論文マスターを受講するべきです。論文の問題を知ることで、講義のメリハリの真の意味を理解することができます。私はライブクラスでしたが、講義で聴きそびれたところを後日家に帰ってからWebで聞き直すことが煩わしくなり、途中からWeb受講に切り替えました。講義は2倍速で聴き、メモをする場合やわからなかった箇所があった場合は、適宜止めたり聴き直したりしていました。特に、理解に時間を要する複雑な内容の講義の場合、そこで一度止めてその場で理解するまで考えることができるのというのはWeb受講のメリットだと思います。
法科大学院対策について
〈慶應義塾大学法科大学院〉
私は伊藤塾の教材以外全く使っていません。そもそも、伊藤塾の基礎マスター・論文マスターは、予備試験や司法試験に合格するためのものです。これらをしっかり勉強すれば法科大学院入試など敵ではありません。このことは、合格した今も強く感じます。慶應義塾大学法科大学院対策として、3月までは受講が終わっていなかった科目の受講をしていました。4月頃からは六法(憲法・民法・刑法・商法・刑事訴訟法・民事訴訟法)の論文マスターのA+・A・B+の問題をひたすら解きました。最初の頃は1日10問ほどでしたが、慣れてからは15 ~ 20問解いていました。全ての問題を完全に起案するのは時間がかかり効率的でないと思ったため、ほとんどは答案構成にとどめました。呉講師は簡単すぎる問題のランクを低めにつけていたので、ランクの低い問題のなかでも自分で解くべきだと思ってメモしていた問題も解きました。問題を解きながらその都度覚えるべきところの暗記をしてはいましたが、それでは限界があると感じたため、7月の学部の試験が終わってからは1日の問題の数を減らし、講義で覚えるよう指示された定義・趣旨・規範や論証パターンなどの暗記だけをする時間を設けました。6月頃に受験する法科大学院の過去問をホームページなどで入手し、どのような問題が出ているかを確認しました。過去問はあくまでも過去問であり、二度と同じ問題は出ないので、これも答案構成にとどめました。また、出題された内容を表にまとめ、法科大学院入試ではどのような事項が聞かれやすいのかを分析しました。慶應義塾大学法科大学はスタンダードな良問が多いため、問題研究を繰り返し解けば足りると感じました。もっとも、試験時間がとても短いため、論証をコンパクトにする必要があると感じました。そこで、問題研究の答案のなかのコンパクトでわかりやすいものを参考に、コンパクトバージョンの論証をいくつか準備しました。
早期卒業・飛び入学について
早期卒業は絶対に狙うべきです。早稲田大学や中央大学法科大学院は、早期卒業で合格した者に優先的に奨学金を付与してくれるため、経済面の負担がありません。また、ほとんどの法科大学院が一般とは別に早期卒業者を対象とした枠を設けています。基礎マスターの復習を十分に行い、内容を身につけることができれば十分合格できます。もっとも、3年生で法科大学院受験をする方たちは意識の高い優秀な方ばかりなので、油断は禁物です。
おわりに
法科大学院入試では、法律科目だけでなく提出書類にも点数が振られています。例えば、慶應義塾大学法科大学院は提出書類が20%、法律科目試験が80%となっています。100点満点だとすれば、憲法・民法・刑法は一科目あたり約16点の合計約48点、商法・民事訴訟法・刑事訴訟法は一科目あたり約10.7点の合計約32点、提出書類が20点となります。つまり、提出書類は商法・民事訴訟法・刑事訴訟法の約2科目分も配点があるのです。学部の成績やパーソナルステートメントで合格・不合格や全額免除・半額免除が左右されることも十分ありえます。伊藤塾の教材を信じて法律科目を勉強し、学部の成績もしっかりと取り、伊藤塾の講演会やメールで案内される様々な説明会に参加するなどしてパーソナルステートメントで強みになる経験をし、法科大学院入試に備えてください。