合格への伴奏者になってくれる伊藤塾が、非常に頼もしかった
◆学部成績
GPA 3.40 / A:B:C:D:F=64:8:14:4:0
◆受講講座
司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、 予備試験全国公開短答模試など
◆合格校
九州大学法科大学院(既修)早期卒業・半額免除
はじめに
父親が記者をしている影響で、小さい時から裁判やそれを構成する人たちに興味をもち、弱き立場を懸命になって支えられる弁護士、あるいは裁判官を目指すようになりました。その後、地元の九州大学法学部に進学し、大学入学とともに教養課程の講義が始まりました。教養課程での内容は、それまで触れることがなかった分野に興味を見出すという点で有意義ではありましたが、「法律家になりたい」との明確な目標を持っていた自分にとって行いたかった法律の学習がそこまでできず、それを早期からしておきたいと考え、伊藤塾に44期として入塾しました。教科書などを用いて受験指導校に頼らずに進める方法も考えられたのですが、初学者でありそもそもどのように学習するのか見当がつかなかった自分にとって、伊藤塾はメルクマールや伴奏者になってくれ、非常に頼もしかったと感じています。
私の勉強方法
【基礎学習について】
学習については、伊藤塾の基礎マスターや論文マスターを自分でスケジュールを組み立て、ひたすらに実践していきました。自分は大学でオーケストラに所属しチェロを弾いており、ほぼ毎日3 時間以上の練習が課せられ、他の同級生と比べかなり時間的にゆとりがなかったのですが、体系的に作られたカリキュラムを履修していくことで、効率的に学習ができたのではないかと考えています。1〜2年生にかけては伊藤塾の基礎マスター・論文マスターを一通り終わらせて、体系的な知識の修得に努めることを意識しておりました。最初は意欲もあり順調に学習ができていたものの、中だるみや飽きの時期が定期的に訪れ、滞ってしまうこともありました。そのときは一度思い切って全く勉強に触れない、あるいは講座の順序を気にせず気の向く科目からどんどん手をつけていくなどして乗り切っていました。自分はWebでの受講でしたので、このような形式での学習ができた点はよかったのではないかと感じています。
【法科大学院対策について】
3年生になり、法科大学院への入試対策を開始しました。この時点においては、ある程度の答案の「型」は理解できたものの、基礎的な知識が不足していることに気づかされることが多くなりました。加えて民法においては旧法での学習でしたので、新法に関しての知識が全く頭に入っておらず、半年後に控えた法科大学院入試への焦りが強まってきました。そこで、あえてリーガルトレーニングや他の講座などには手を触れず、基礎マスターと論文マスターを徹底することを法科大学院合格のための学習とするようにしてきました。具体的には、両者を何度も繰り返し読み込み、基礎マスターでB+以上とされた論証や、論文マスターで参考になると感じた論証については「論証カード」にして、基本的な定義などは「暗記カード」にして常時持ち歩き参照し、判例百選・法律学小辞典・判例六法での参考となる記載を基礎マスターに書き込むなどをしていました。九州大学法科大学院の入試は7科目の負担こそあれ、要求される論証の内容は基礎的な知識が定着しているかどうかを見るものが多く、このような「基礎マスターを軸にした学習」が合格のカギになったのではないかと感じています。答案練習などで「書く」ことの重要性は否定しません。しかしながら、それは盤石な知識があることでその効果を最大限発揮することができるのではないかと考えます。よく、基本的な知識もなく、漫然と基礎マスターや教科書を見ながら解答作成をしている方をお見かけするのですが、それでは残念ながらいつまでたってもレベルは変わらないはずです。もちろん、これが必ずしも全員に合った学習方法ということはできませんが、やはり「浅く広く」よりも「深く狭く」が学修の基本姿勢であって、まずは基礎知識、具体的には基礎マスターレベルの知識が即答できるようにしておき、「今目の前にあることを確実にする」学習を心がけていくことをおすすめします。
早期卒業・飛び入学合格について
自分は、自校の法科大学院しか選択できないデメリットがあるものの、1年間をより有意義に活用することができるのではないかと考え、学部から法科大学院への早期卒業制度を利用しての進学を選択しました。九州大学法科大学院に早期卒業で合格するには、3年終了時までに4年時までの取得単位を全てそろえておかなくてはならず、それが前提で4年時と同じ入試での成績とは別に学部授業での成績を求められる要件となっています。このため、3年時はゼミを3つ掛け持ちし、かなり大変でしたが、前述したような学習を愚直に繰り返していくことで合格することができました。早期卒業は、進路選択のひとつとして挑戦する価値はあるように感じています。
おわりに
伊藤塾のテキストは良く練られ、それだけで法科大学院入試を十分に対応できると確信しています。手を広げてしまう気持ちもわからなくはないですが、「目の前にある基礎」を愚直に取り組むことが何よりも合格への最短ルートです。しかしながら、同時に、合格だけを目指し「解答」のみを追い求める大学生活も、必ずしも理想的だと思いません。自分は「明日の法律家講座」もかなりの回数視聴し、少年院見学などの学部の研修など、スコアには表れないものにも積極的に参加してきました。また、入試準備で大変ではありましたが、インターンにも申し込み、なるべく広い世界を知ろうとするようにしてきました。そういった経験が、解答作成における根底をなしたり想像力を膨らましたりすることに寄与していると感じることもありますので、これから学習を始める方などは、目先のことだけではなく視野を広く持って、多くの人にとって一度きりの大学生活を有意義にしてほしいと願っています。前述の「明日の法律家講座」をはじめ、伊藤塾にはこの点においても多くの魅力的なカリキュラムが組まれていますので、それらも活用しながら1人でも多くの方が希望の進路に進まれることを祈っております。