学部の期末試験や法科大学院入試で出題される科目や分野から順番に受講しました
◆学部成績
GPA 3.2 / 優上:優:良:可=0:47:56:22
◆受講講座
司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、 コンプリート論文答練、法科大学院別過去問分析講義+法律科目論文模試など
◆合格校
東京大学法科大学院(既修)
慶應義塾大学法科大学院(既修)
早稲田大学法科大学院(既修)
はじめに
伊藤塾に入塾したのは、大学1年生の5月です。伊藤塾は司法試験業界最大手であり、実績も信頼できるものだったこと、また、呉講師の体験講義がたいへんわかりやすかったことから、呉基礎本クラスに入塾しました。しかしサークルなどとの両立が難しかったこと、法曹を目指す覚悟が固まり切っていなかったこともあり、3ヶ月ほどですぐに通学をやめてしまい、それから2年間は全く法律の勉強をしない生活でした。3年生の夏に本格的に法曹を目指すことに決めました。資格を持っている方が将来転職しやすいと考えたから、また、勉強すれば結果がついてくる法曹の方が一般の就活よりも自分に向いていると思ったからです。3年生の夏から、入門講座を全て聴き直し始めました。東京大学法科大学院を第一志望に選んだ理由は、東京大学に在籍していたからで、教授陣の質の高さなども十分わかっていたため、特に迷いはありませんでした。
私の勉強方法
【基礎学習について】
法科大学院入試までの時間が限られていたため、入門講座は最初から聴くのではなく、学部の期末試験や法科大学院入試にある科目や分野から順番に聴いていきました。大まかに、基礎マスター憲法・民法(3年生9~10月)→完全マスター刑訴・民訴・商法(3年生11月~1月)→基礎マスター刑法(3年生3月~4年生5月)→論文マスター憲法・民法・刑法(4年生8月)→基礎マスター・論文マスター行政法(4年生10月)、という流れで受講しました。変則的ではあると思いますが、学部試験にかけるコストを最小限にできた点でよかったと思っています。行政法は私大の法科大学院入試に出題されないため、その後に聴き始めました。完全な初学者であれば憲法・民法・刑法を先に聴くべきかもしれませんが、法学部生などある程度各科目の雰囲気を掴んでいる人であれば、科目の順番にこだわらずに進めてよいのではないかと思います。とにかく講座をこなしきることを重視しました。予習・復習はもちろん大切ですが、復習が溜まって全く進まなくなるという失敗を避けるため、復習よりもとりあえず1周することを優先しました。論文マスターに手をつけたのは4年生の8月頭で、私大の入試(8月末)までにとにかく1周しなければ、とかなり焦りました。予習もそこそこに講義を聴き、できるだけ講義中にその場で頭に入るように努力しました。
【法科大学院対策について】
<慶應義塾大学法科大学院>
時間がなかったため、過去問はネットで少し見るだけになってしまいました。私大の法科大学院は第一志望ではありませんでしたが、学部試験以外で論文答案を書くのが初めてだったので、試験の感覚をつかむのに役立ちました。第一志望の入試前に、いくつか入試を受けておくことはかなり有益だと思います。
<早稲田大学法科大学院>
過去問をネットで少しだけ見ました。答案を書いたり構成したりする時間は、ありませんでした。憲法の統治分野はほとんど出題されていないようだったので、ほとんど対策しませんでした。民法と刑法の配点がかなり高いため、この2科目を重点的に復習しました。刑法は一行問題が出題されるため、余裕があれば対策するとよいと思います。民訴・刑訴はAランクの論点を知っていれば解けるようなスタンダードな問題なので、細かい知識は不要だと思います。慶應義塾大学法科大学院・早稲田法科大学院の入試が終わってからの1週間は、早稲田大学法科大学院に出題されない商法にほぼ費やし、他の科目は問題研究を軽く復習しました。
<東京大学法科大学院>
私大法科大学院で出題されないため後回しにしていた、行政法の基礎マスターと論文マスター憲法の統治分野を受講しました。また、東京大学法科大学院が第一志望であったため、過去問演習をある程度しっかりやろうと思い、伊藤塾の法科大学院別過去問分析講義を受講しました。答案構成を2年分×3科目やりました。東京大学法科大学院は、公法系・民事系で典型的でない問題が出ることが多く、刑事系は基礎論点の理解が問われるため、きちんと論点を理解するように努めました。基本的には呉講師の基礎本を使用していました。公法系は、憲法で統治分野の出題がされることもあったため、統治分野の基礎的な定義や趣旨はある程度わかっていると有利だと考え、Aランク以上のものを確認・暗記しようと努力しました。行政法は基本論点のみを押さえました。民事系は、典型論点を押さえるべく問題研究のB+以上を確認しました。直前1週間は、基礎知識の抜けを補充すべく、問題研究で問題演習や答案構成をするというよりも、論証パターンなどを重点的に確認し、とにかく基礎論点を暗記しました。東京大学法科大学院では細かい論点よりは根本的な理解を問われる問題が多いため、なるべく趣旨に立ち返りながらの学習をするとよいと思います。
おわりに
勉強を始めたのが遅くても、なんとか受かりました。諦めることだけはもったいないので、自分が現時点でできる最大限の努力をすれば良い結果がついてくるかと思います。私の合格は呉講師のおかげとしか言えません。本当にありがとうございました。予備試験・司法試験に向けて引き続き頑張っていこうと思います。