伊藤塾の講座を利用することは、学部の試験勉強をするうえでも効果がありました。
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S.Tさん |
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【学部成績】3.82 /A:B:C:D= 81:19:0:0
受講講座:司法試験入門講座 本科生+リーガルトレーニング
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はじめに
法科大学院の入試は、大学入試と同じように、各大学に設置された院を受験することになるわけであるが、根本的に違う点がいくつかある。まず、高校からの内部進学などの例外を除き、法学は多くの人が大学生になってから学び始めるものであり、いわゆる主要5科目のように「英才教育」を受けてきた受験生はほとんどいないということである。幼いころから一流の教育を受けてきた人に対して、高校3年間本気で勉強したとしてもなかなかかなわない。しかし、法学はかけられる時間の量という点で、大学生であるうちはほとんど差がない。この点で、今の自分の状況がどうであれ、学部入試に比べて、勉強すれば逆転の可能性はある。 次に、法学には天才がいないという点である。基本的に短答や試験の模範解答は、判例や通説に従って書かれることが多い。もちろん解答する際には、それらの知識を知っていることが望ましいことは間違いない。しかし、特に論文の場合は、判例と同じ立場に立って答案を書かなければならないということはなく、答えが複数発生することがよく発生する。全く何を書けばいいかわからない状況に陥ったとしても、趣旨に立ち戻ることで、何も書けないということにはならないことが多い。この点において、答案に高得点ではないが、ある程度の点数がつき、学部入試の数学と違い、1科目だけで合格と不合格がひっくり返るというような致命的なダメージを負うことは少ない(特にロー入試を念頭に置いており、予備試験や司法試験ではまた異なる)。
私の勉強法
◇基礎学習について
早めに7科目の基本的な内容に目を通すことで、科目特性を理解することが重要になると思う。その点で、伊藤塾を利用することは非常に有益であった。以下、その理由を述べる。 まず、テキスト選びに時間を割くことが必要なくなる。基礎マスター講座は、合格に必要な知識だけに集中して作成されており、試験のレベルを超えた理解する必要のない知識がそぎ落とされている点が有用である。次に、論文マスターについて。問題研究の内、試験に頻出のB+以上の問題を何度も解くことによって、徐々に各科目の答案が書けるようになった。市販の演習書は、独自に作成された問題で重要度が判りにくいという問題点がある。この点において、法科大学院の入試に出題がおよそ予想されない分野にまでむやみに手を広げるという恐れがなくなった。 私は、民法ゼミに所属しており、民法の答案には書きなれていたが、下4法の論文の作成の方法についてはほとんど知らないという状況だった。そのため、短期間で、院試水準にまで自分の答案のレベルを引き上げることは、論文マスターなしでは厳しかっただろうと思う。 伊藤塾の講座を利用することは、学部の試験勉強をするうえでも効果がある。通常学部生のほとんどは、大学の授業と指定された参考書だけで試験に臨む。しかし、他の科目の試験もある中で、一から規範や当てはめのやり方を覚えることは時間的制約上不可能であることが多い。そのため、論文ナビゲートテキストは、そのような時間がないという悩みを解決するうえで非常に有益であった。
法科大学院対策について
京都大学法科大学院について 上述したが、法科大学院の試験というのは、不完全でも何かしら関連のあることを書けていられれば、0点となってしまうことはほとんどない。そして、京都大学の特性としては、論文試験の採点が、一定の幅(50~70点といわれている)で偏差値順に得点が割り振られる(不確定情報なので鵜呑みにしないよう)という方法を取るため、論文で差をつけることが難しい。そこで、400点の配転で与えられている成績点が非常に重要となる。 そのため、対策としては、学部の1・2年段階から、受験勉強とまではいわないが、学部の成績をしっかりととっておき、予備試験などの対策と合わせて、院試の過去問検討をすることが望ましいのではないか。 いずれにしても、成績が低いと本番で相当いい答案を書かなければ合格できないこととなってしまうので、特に自分と同じ外部から受ける方は、本番の試験と同じくらい学部の定期試験も大事にすること。
大阪大学法科大学院について 京大の論文試験がある程度かけるようになれば、おそらく心配はない。ただ、京大と違って、成績がほとんど勘案されないので、本番の試験できちんとかけることが重要である。また、民法の配点が高いことと、刑事訴訟法で定義規定のような問題が出るのは、一定の対策を講じる必要がある。
九州大学法科大学院について 特段の対策が必要とすれば、行政法くらい。あとは、京大の対策をやっていれば特に問題は生じない。
おわりに
自戒を込めて申しますが、勉強できる環境、院に進学できる環境を当たり前のものと思わず、支えてくれる家族や友人、周りの方に感謝の心を持って勉強しましょう。
法科大学院においては、今まで以上にレベル・士気の高い同級生に会えることを楽しみにしています。 法科大学院合格は通過点にすぎません。予備試験や司法試験、二回試験に実務家になってから取得しなければならない資格など、まだまだ多くの試験があり、手を休めるわけにはいきません。お互い頑張りましょう。