部活に没頭してしまっても、遅れを取り戻して合格することができました。
![]() |
B.Yさん |
---|
【学部成績】3.2 /優上:優:良:可=10:22:46:30
受講講座:司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング,法科大学院別過去問分析講義・模試
法律の学習を始めた理由 | 私の「推し講座」 | 私の「推しフォロー制度」 | 合格のカギ(秘訣) |
---|---|---|---|
人の役に立つ仕事内容 | 論文マスター(入門講座) | 質問制度 | 問研を繰り返す |
【はじめに】
大学入学時は官僚の仕事に興味があったが、公文書改竄などのニュースに触れるうち、むしろ既存の法制度の中で公平・正義を追求する方が自分に向いているかもしれないと思い法曹を志望した。大学一年生の時にやった法律事務所のバイトで、法律がどのように人々の役に立つか具体的にイメージできるようになったこともきっかけとなった。
伊藤塾入塾は2年春だった。周りが皆伊藤塾に入ったのと、説明会の雰囲気が良かったので伊藤塾に決めた。
【私の勉強法】
◇基礎学習について
入塾した直後はやる気に溢れていたものの、次第に気まぐれで入部した馬術部の活動に没頭するようになり、毎朝5時起きで部活に行き、午後は昼寝するという生活になってしまった。基礎マスターは訴訟法に入ったあたりでしんどくなり、Web講義がたまりがちになってしまった。論文マスターでも、事前に解くように言われた問題に全く歯が立たず、すぐ投げ出してWeb講義を見ていた。今から思うと、一ヶ月遅れでもなんとか講座自体は見ていたことはせめてもの救いだった。Web講義を見なくなっていたら手遅れになっていたかもしれない。
予備試験の短答は、3年次は大会と被って受験せず、4年次では6点ほど足りず不合格だった。院自体は予備試験の結果に関わらず進学しようと思っていた。比較法的・歴史的な視点から法制度全体を俯瞰するような東大の授業が面白く、院でさらに広い法律的素養を身につけたいと思ったからである。しかしこのままでは院試も危ういと思ったので休部した。(しかし結局復部して院試の十日前の全国大会には出場してしまった。なんとか合格できて良かった。)
院試に向けて基礎マスターから復習する時間はないと思ったので、論文マスターの問題研究を繰り返し復習した。論証に至る過程や順序、当てはめの考慮要素、同時に問われやすいテーマ、原則例外の位置付けなど、論文マスターで重要そうだと思ったことを論文ナビゲートテキストに書き込んでいった。また、暗記し切れていない論証はルーズリーフにまとめて書き出し、繰り返し電車の中などで復習した。
法科大学院対策について
基本的に特別な対策はしなかった。論文マスターの徹底した復習だけで対応できると思う。ただ、問題傾向が予備試験と異なること、時間配分がシビアであることから、過去問演習が重要と考え、三ヶ月前ぐらいから解き始めた。最終的に8年分解いた。
また、模範解答があまり出回っていないこともあり、友人と自主ゼミを作り、過去問を解いたものを持ち寄って、各自の解答例を見比べながら、模範解答や最低限の合格ラインを話し合った。他人の解答を見ることは非常に勉強になった。周囲のレベルを知り、自らの得意不得意分野を相対化できたし、簡潔で論理的な表現も盗むことができた。
過去問演習をする中で、公法系では有名判例をベースとした問題が多いと感じたので、一応本番直前に判例百選で事案と判決の要旨を確認した。また百選に乗っていない近時の判例(孔子廟判決など)も一応目を通した。ここまでは必要なかったかもしれない。伊藤塾の模試は採点のみで受験者の中での成績が出ないのが不満だった。過去問で問題形式に慣れれば十分だった。対策講座は合格者の答案を複数見比べることができ、友人の解答を見比べたのと同様、有益だった。ただし、講座を受講した時期を遅かったのが反省点である。講座内で本番までの勉強方法が解説されていて、なるほどと思う内容だったが、本番直前に見たのであまり活かせなかった。早めに対策講座を受講すると良い。結局入試問題の出来はそこまで良くなかったが合格することができた。GPAや英語試験の比重が大きいのかもしれない。普段から学部の試験も真面目に勉強することが近道だと思う。
おわりに
伊藤塾の基礎マスター段階では全て理解するのは不可能だし、理解する必要ないと思う。自分は論文マスターを見終わって復習している段階でやっと法制度全体がなんとなく見えてきて、個々の仕組みや判例もある程度理解できるようになった。最初の授業で伊藤塾長に言われた「法律は体系が重要」という意味がわかってきたように思う。
そして途中モチベーションが下がったり部活に没頭しても遅れは取り戻せる。少なくとも院試は大丈夫である。法科大学院は予備試験に不合格になった時に仕方なく行く場所、というイメージがあるかもしれない。しかし、自分は学部の授業を受ける内に、法律の勉強は論証の暗記ばかりでなく、時に外国の法との比較、法思想や政治との関係なども踏まえた制度全体の理解も重要なのではないかと思うようになった。大学院はそれらを時間をかけて勉強する貴重な場であるはずだ。
しかし一方で司法試験に合格しなければ何の意味もないのもまた事実である。大学院では幅広い法律的素養を身につけつつ、予備試験の合格も目指したい。