試験の直前期は様々な法科大学院の過去問を解き、知識の精度を高めました。
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C.Pさん |
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【学部成績】3.29 /優上:優:良:可=0:32:42:8
受講講座:司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング など
法律の学習を始めた理由 | 私の「推し講座」 | 私の「推しフォロー制度」 | 合格のカギ(秘訣) |
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親族に法曹がいる | 論文マスター(入門講座) | カウンセリング制度(合格者・講師など) | 問題演習 |
【はじめに】
知り合いに法律家がおり、仕事を楽しんでいる姿を見て、子供の頃から法曹になることは漠然と考えていました。大学入学後は、法曹に限らず公務員を中心とし様々な職業の説明会に参加し、また視野を狭めないように幅広い勉強をすることを心がけました。そうすると社会のあらゆる問題に弁護士が携わっていることに気づき、大学在籍時に明確に将来の方向を決めてしまわなくても、法曹の資格を取るだけでその時々に関心のある分野に関わることができるのではないかと考え、法曹の道に進むことを決断しました。また、学部の試験に合わせて法律の勉強を始めた際にその数学的思考の面白さに惹かれたことも法曹を志した理由の一つです。伊藤塾に入塾したのは大学2年の時です。合格実績があること、体験受講した講義での伊藤塾長のお話が面白かったこと、長期間にわたりサービスが提供されることから伊藤塾に決め、他の受験指導校と迷うことはありませんでした。受験指導校を利用することの最大のメリットは、適切な問題を用いて演習を行えること、再現答案に裏付けされた正しい書き方を学べること、合格までの距離を知ることができることにあると思います。
【私の勉強法】
◇基礎学習について
私は2年間での予備試験合格コースを受講し、一年目は基礎マスターで学習しました。しかし、基礎マスター段階では知識の使い方がわからなかったため、細かい知識を断片的には理解できても、全体像が常に見えず、論点や知識の相互の関連性がわからないままでした。 しかし論文マスターを受講し始め、実際の問題を見てみると、自分の力で日常生活で起こりうる問題を法的に解決する楽しさを知り、能動的に条文や基本書に当たるようになり、自ずと知識を体系的に整理するようになりました。基礎学習とはいっても、それは受動的に講義を聴いたり教科書を読むだけで行うことは困難であり、能動的に論文問題に当たることで知識の使い方や論点の生じる理由を知ることが、基礎を学ぶ上で不可欠だと思います。基礎マスターを単に聴くだけでは非効率であり、常に自分の受講している部分の論文での問われ方を意識しておく必要があると思います。 論文マスターを受講し始めてから初めて基礎マスターを復習し始めました。自分で選んだ基本書と基礎マスターを並行して読み、基礎マスターに手書きで情報を補足していきました。基本書と基礎マスターでは当然ながら項目立てが異なるため、両者を照らし合わせながら読み、基礎マスターの適切な位置に書き込みを行う作業が、体系的な学習をするうえで最も効果的だったと思います。 しかしこの作業に時間を費やしたため、論文問題を実際に自分の手で書いてみたのはかなり遅い時期で、大学3年の1月でした。大学4年次の予備試験に不合格となったのはこの遅れによるところが大きいと考えています。それは知識や考え方が不十分に終わったからではなく、より説得的な答案、読みやすい答案、自分が問題の所在を掴んでいることを採点者に示せる答案を書く訓練が不足したからです。知識が十分にはない状態でも、より早い段階で答案作成を始めるのがよいと思います。
法科大学院対策について
東京大学法科大学院対策について
過去問を解き始めたのは予備試験の論文式試験も早稲田大学法科大学院の入試も終わった後でしたので、知識量としては十分であったように思います。暗記は自分でたくさん加筆修正した論文ナビゲートテキストを用いて行っていました。過去問は2021年度入試の追試も含めて、合計7回分を解きました。いずれの科目も基本的な事柄について問われる印象です。時折、憲法では資格試験では出題されないような学術的な事柄が問われたり、刑事訴訟法では事案を正確に押さえなければ解けない難易度の高い問題が出題されることがありますが、そのような場合であっても条文や大原則から丁寧に考えれば大きく外すことはないように思います。東大の問題はとにかく時間が足りません。しっかり答案構成をしてから書くに越したことはありませんが、私の場合はとても十分な構成をする時間はなく、10分か15分ほど経ったらもう頭の中で漠然と書く順序を決め、とにかく書き始める意識でいました。また、規範なども思い切って簡潔に書くように心がけました。自分のスタイルは過去問演習を積む中で見つけられるとよいかと思いますが、過去問演習をする際は、30秒、1分とだらだら延長してしまうことなく、70分で必ず書き切る練習をしてみてください。時間間際で工夫して分量を削減する訓練も、本番で大きく役立つはずです。また、何より本番で書く速度が落ちてはいけませんので、試験の前々日も前日も時間を計って1通答案作成することをおすすめします。私は予備試験では直前の1週間は答案作成をせず、知識の補完に専念してしまったところ、本番での書く速度が格段に落ちてしまい、どの科目も時間内に書き切ることができませんでした。今回の入試ではこの反省を活かして直前も答案作成を行ったところ、この点での失敗はなく終えることができました。 演習量についてですが、私は論文マスターを何周も解くというだけでは足りないと感じます。論文問題を解くに当たっては、本質部分を抑えられていれば多くの知識は必要ないので、演習量を増やすのは知識を増やすためではありません。同じ問題を何回も解いても、その本質部分である原理原則の理解は深まらないので、様々な事例を通して多くの角度から問われることで原理原則の適用の仕方を考え、理解の精度を高めていく必要があるということです。もちろん、論文マスターには論文の基礎を固めるために不可欠な問題が収録されているので、論文マスターの問題を全て自分で書けることは必須です。そのうえで更なる演習を積む必要があります。私は試験直前期に様々な法科大学院の過去問を解き、演習量を増やしました。直前まで知識の精度は高まり、また知識の漏れも減っていったと思います。多くの法科大学院はホームページ上で過去問を公開しています。
おわりに
東大の入試では、複雑な問題や考えたことのない問題が出題されることもあります。しかしどのような問題であっても、出題者は受験者が単に特定の知識を有しているのかを問うているのではなく、事案の問題の所在をつかめているか、正確な知識を有しているか、原則から考えることができているかということを問うているのだと思います。院試は他の受験生のレベルがわからず、常に不安がつきまとうかと思いますし、実際に私も発表当日までそうでした。しかし、本質を捉え、趣旨から考える勉強を日頃から行い、本番でも実践することができれば、きっと合格できるはずです。応援しております。