2025年度 法科大学院合格体験記

予備試験と早期卒業のための学習、両立は可能

早稲田大学法学部3年　K.Kさん

早稲田大学法科大学院（既修）法曹コース
5年一貫型・全額免除

◆特待生合格　◆法曹コース5年一貫型合格　◆予備試験とW合格

私の勉強法

◇基礎学習について

法科大学院入試は学部成績で結果が左右されてしまう場面が多々あり、予備試験合格ギリギリのところまで到達していても、法科大学院入試は学部成績によって出願で足切りされてしまったという4年生の先輩を多く見てきました。授業にどれだけ出席するかなどは学部の状況や周囲の協力によるのが正直なところですが、伊藤塾の勉強をしているから学部の勉強はいらないという姿勢をとることは避けた方がいいと考えます。もっとも、色んな教材に手を出すことは時には中途半端な勉強になってしまうこともあるため、学部で修得した知識や深まった理解を伊藤塾のテキストまたは判例六法などに一元化することが効率的なのではないかと思います。5年一貫の場合は3.4年生で単位を分散させるということができないので、履修登録の段階から民事系、刑事系を固めてとるなど、自分自身の頭に少しでも入りやすい学習環境を積極的に作っていくことも大切だと思います。予備試験と法科大学院入試を両立させる場合には、学部試験と短答式試験がかなり近い時期にあるため、これを利用するくらいのつもりで短答知識と論文知識をまとめて頭に入れるように心がけたことが良かったと思います。反省点については、5年一貫の面接前に短答式の成績が出ており、能力証明資料として提出できるのですが、法科大学院によっては予備試験をよく思わないところもあるため、面接の際に予備試験と法科大学院での学習の兼ね合いや受験指導校利用状況などを問われた際に答えられるように準備をしておくことが必要だったと思います。受験指導校利用については、学部試験の勉強のために似た問題を添削してもらっていたと答えると好印象になったと思っています。

◇法科大学院入試対策について

早稲田大学法科大学院の受験日程は、例年、慶應義塾法科大学院や中央法科大学院と異なり、予備試験論文式試験の2-3週間後です。そのため、短答式試験を乗り切れば、論文式試験のためにした勉強を最大限に活かして法科大学院入試に向かうことができます。そこで、予備試験の論文式試験までは、問題研究やコンプリート論文答練などそれまで自分が使ってきた伊藤塾の教材を総復習することがいいと思います。逆に予備試験を受験されない方の場合は、受験される方々に比べて法科大学院入試対策にかけられる時間が多くなるため、過去問に早い時期から目を通すことが大切だと思います。面接試験を併願される場合には、合否が出てから1週間くらいに筆記試験があるため、もしも面接試験が不合格であった場合には、筆記試験に向けた勉強期間はあまりありません。そのため、面接試験前の段階から筆記試験を目指したスケジュール調整をして行くことが大切だと思います。また、筆記試験は限られた時間の中で戦う必要があるため、模試を利用するなどして少なくとも1回は本番と同じ状況で実際に書いてみることが必要だと思います。過去問を解く際にも時間を計って答案構成から答案作成までを行うことが本番における緊張をほぐすことにもつながることになると思います。

予備試験との平行受験において法科大学院入試で工夫したこと

予備試験と3年卒業は二者択一というイメージを持たれている方が一定数いらっしゃいます。たしかに学部試験の日程と予備試験の日程からするとかなり過酷なスケジュールになります。しかし、予備試験と3年卒業は法曹界の就活においていずれも有利に働く面があり、どちらも実現したい場合には諦める必要は決してないです。特に大変なのは短答式試験と学部の前期試験が日程的に重なることだと思います。しかし、短答式試験に向けた勉強で得た知識を学部の授業で配布される資料で深めていくと捉えれば、両立は可能です。法律科目以外の授業がある場合には、あらかじめ早めの準備をしておく、講師に相談するなどの調整をしておくことが将来の自分の助けになります。

「合格の秘訣」について

5年一貫型の最大のメリットは、筆記試験がないことです。しかしこれは同時にデメリットにもなります。メリットといえる理由は、1回きりの試験はやはり合う合わないという側面があり、リスクが大きいため、面接のようにその場に応じて対応しやすいということです。一方でデメリットの側面は、司法試験に向けて自分が書いた答案が認められるという経験ができないことです。また、4年制の大学で3年で卒業することは、1年早く実務につける反面、勉強期間も自動的に周りより1年短くなるため、自ら積極的に早めの司法試験に向けた論文対策をはじめることも大切だと思います。

これから法科大学院合格を目指す皆さんへ

早稲田大学から早稲田大学法科大学院の受験を目指す方は、とにかくGPAを上げることと、ガクチカを1つは持っておくことが大切だと思います。他の法科大学院入試を考えていらっしゃる方も、面接試験で1つ合格をもらっておくことは、殺伐とした法科大学院入試の世界で精神的な支えになります。3年卒業でない方も、5年一貫に出願することができるため、開放型との併願をしない理由はないと思います。