合格の成績は必ずしも勉強量に比例せず、方向性の正誤によるものです。

法科大学院ルートで司法試験合格

N.Iさん(25歳)
 

学習院大学法科大学院(既修)修了

◆出 身 大 学 /東京外国語大学外国語学部
◆受 講 講 座 /司法試験入門講座本科生 など

※プロフィールは、2011年合格時点のものです。


私がとった勉強方法

受験生にはさまざまなタイプがいて、一概に「このやり方が良い」と断言することはできません。もっとも、やり方は人それぞれにせよ、合格するための勉強の方向性というものは共通だな、とは講師や先輩の話を聞いて常に感じていました。つまり、合格の成否は必ずしも勉強量に比例する訳ではなく、方向性の正誤によるものだということです。
そして、合格した同期や先輩の話、また合格体験記等で共通する点は、
1.己の弱点を知り修正する努力をしたこと(一番重要、特に成績がいまいちな人!)
2.敵を良く知ろうと努めていたこと(一番重要なのは趣旨・ヒアリングの読み込み)
3.情報を一元化すること 
4.自分の頭の中の引き出しを整理整頓する努力を常にしていたこと
等だと思います。

基礎的な法知識・法理論の修得

私は法学部以外社会人経験者で法科大学院は既修なので、基本的な法知識は伊藤塾の基礎マスターで学びました。 
高田馬場校の横山講師ライブクラスでしたが、講師が「兎に角その日のうちに復習する!」と毎回おっしゃっていたので、22時45分位に講義が終わってから、帰りの電車内や自宅に戻ってからも、眠くなってもその日のうちにやったことは復習しました。これを続けることで消化不良に陥ることなく済み、社会人でしたがライブ講義は全部出席して5月から9月中に憲民刑の基礎を固められました。
以下、伊藤塾の講師から言われ、特に注意したことを記します。
ア 情報の一元化
今まで学んだ各科目の膨大な量の知識を論文を書く日の前日にリマインドでき、答案に反映させられるよう、なるべく薄い資料だけを持ち込めばよいように準備しました。これは、伊藤塾長も横山講師もよくおっしゃっていた「情報の一元化」です。具体的には、本番前日にホテルに持ち込む資料を選別し、その他の資料に書いてあることで重要なものは持ち込む資料に書き込むようにしました。
イ 自分の頭の中の整理、勉強用資料の整頓、マーカー活用法
1.自分の頭の中の整理法
横山講師は、「いつでも頭の引き出しを整理して!」と講義中おっしゃっていました。そして、新司法試験は選択科目も含めれば8科目ある上、各科目の量も半端なく多いです。それを、六法片手に4日間(論文は3日間)戦う訳ですから、普段から頭の中を整理する努力、 すなわち本番の日に問題を見たら、 条文を参照しつつ頭の引き出しから答案作成に必要な知識を取り出せるための努力が必要です。
そして、頭の引き出しの作り方として一番効果的なのは、いつでも科目の体系を意識しつつ勉強することです。
2.勉強用資料の整頓 
講義の予習復習をも含めて、試験用の勉強で常に心がけるべき点は、勉強用資料の整頓をすることによって欲しい情報に対するアクセススピードを早くすることです。過去問答案ファイルについても、例えば自分が書いた平成21年の憲法の答案を見たい、と思ったらすぐ見られるようなファイルの管理が頭の整理とも重なり重要です。
3.マーカー活用法
これは、自分の頭の中の整理を目的とした資料活用のテクニックですが、伊藤塾長やほかの講師の方もすすめている方法だと思います。私は、伊藤塾時代から何色かのマーカーを使い分けていました。定義・判旨=緑、趣旨=青、問題提起=黄色(目立つ)、自説=オレンジ(好きな色)、です。百選等はこのためカラフルです(無印良品の窓付きが一番私は好きです)。塗り分けをすることでメリハリがつき、当該判例で何が問題となったのか、どこがそれに応えているのか、等も百選をパラパラめくっているだけで目につきますし、急いでいるときに条文や判例の趣旨だけ確認したい、という時のアクセススピードも上がります。