伊藤塾の講義は、他の受験指導校に比べて基本が大事にされていると感じました。
V.V さん
国公立大学法学部卒業/ 国公立大学法科大学院(既修)修了
※掲載しております合格者のプロフィールは、2013年合格時点のものです。
※2013年予備試験合格者の皆様は、司法試験合格前のため、ご本人の学習環境に配慮して、実名・イニシャルでの公表を控えさせていただきます。
はじめに
法律家を目指したきっかけとしては、法科大学院制度が始まったことが大きいです。伊藤塾での講義については、他の受験指導校に比べて基本を大事にされているなという印象を受けました。
予備試験受験を目指した理由と予備試験ルートのメリット
予備試験受験を目指した理由としては、やはり法科大学院をショートカットできるという点が大きいです。2年ないし3年法科大学院に通うよりも、時間的、金銭的なメリットが大きく、また試験に向けた勉強のみに集中できるという点でも法科大学院ルートに比べて大きな差があると思います。
また、私は予備試験受験と並行して、法科大学院も受験していたのですが、予備試験の勉強をしていれば、特段法科大学院受験の対策は必要がないと思います。私の場合も、法科大学院は結局慶應義塾大学の一校しか受けませんでしたが、予備試験の対策だけで法科大学院の過去問等を見ることもなく合格することができました。この点からも、法科大学院に行く気持ちがあるならば、予備試験を目指すことにデメリットは特にないと思います。
逆に、予備試験をメインに考えている方も、法科大学院受験について考慮してみてもいいかもしれません。私も予備試験受験直前期は「予備試験に落ちても法科大学院に入学すればいいだろう」と半ば気軽な気持ちで予備試験受験に臨むことができました。
私がとった勉強方法
基礎的な法知識・法理論の修得について
基礎的な法知識・法理論の修得については、伊藤塾の基礎マスター、論文マスターで必要にして十分です。予備試験の過去問を見るとわかりますが、難しい論点よりも基礎的な部分がきちんと理解できているかという点が重視されていると思います。
勉強の仕方ですが、まず基礎マスターについては、一度講義を聴き、その後テキストを何度も読み込むということになると思います。
次に論文マスターについては、聴き流すのみでなく、絶対に自分の頭で問題に取り組んでから講義に臨んでください。基礎マスターで得た知識が修得したと言えるためには絶対にアウトプットが必要で す。アウトプットによって自分の理解の間違いに気づいたり、新たな問題を発見したりということがあるのです。ただし、アウトプットといっても、何も論文の 答案作成をしてから講義に臨むべきと言っているのではありません。答案構成だけ行えば十分だと思います。私は、歯ごたえのある長い問題の場合は、簡単な答 案構成をしていましたが、短い問題などは頭の中で考えるということしかしていませんでした。これでもアウトプットのやり方としては十分だと思います。むし ろきっちりと全て答案作成を行うよりも問題演習を多く行えたことが合格につながったと考えています。
短答式試験対策について
短答式試験対策については、やはりアウトプットが重要です。過去問・受験指導校の問題集を何度も繰り返してください。最低3回は繰り返すことが重要だと思 います。この程度のアウトプットを行えば、短答式試験の合格点はある程度超えると思います。短答式試験は結局は勉強量が物をいうと思いますので、努力して きた方は自信をもって臨めばよいと思います。
論文式試験対策について
これも同じことの繰り返しになりますが、アウトプットが重要です。上の方に書いたように、論文マスターのアウトプット方法としては、答案構成のみ、さらに は頭で考えるだけでも良いなどと言いましたが、論文答案の書き方になれるためには、やはり答案作成は避けて通れません。これは、本試験と同じような問題に ついて、本試験と同じ時間で作成するという訓練をしなければなりません。その訓練は当たり前ですが、受験指導校の答練が有効です。私は伊藤塾のコンプリー ト論文答練を受けていましたが、答案作成の仕方としては、この伊藤塾の答練と過去問の答案作成のみで十分だと思います。伊藤塾の答練については、よく言われていることですが、他の受験指導校のそれよりも問題の質が高く、やりがいがあると思います。単に既存の判例を少し変えた問題ではなく、自分の力で考えなければならない問題が多く、本試験の問題に一番近い良く練られた問題だと思います。絶対に言っておきたいことは、やはり答練は時間内に受けることが重要だということです。また、解説冊子については、答案例のみ確認すれば十分だと思います(解説を読むのに苦痛を感じて、答練に行かなくなるというのは一番やってはいけないことだと思います)。
口述試験対策について
論文式試験受験後はかなり手ごたえはあったのですが、やはり数パーセントの合格率の試験ですので、落ちているだろうと思い込んで口述試験の対策は行ってい ませんでした。そのため、口述試験対策は論文合格発表後2週間ほどのみ行いました。対策としては岡崎講師の直前講義を聴いて、また講師の「ほとんど受かる から簡単に受かってください」というような言葉に助けられながら、何とかプレッシャーを乗り越えて合格できました。直前期の辛さでは、3つの試験で最も過 酷な試験だと思います。
直前期と試験当日の対策について
伊藤塾の模試は絶対に受けてください。これを受けなかった場合、本試験と同じ状況を経験するライバルと差が出てしまいます。ただし自分の順位が悪くても気にしないで、今まで自分がやってきたことに自信をもって本試験に臨んでください。
試験当日については、変な言い方になりますが、ある意味諦観して「なるようにしかならない」と思っておくのがいいと思います。私は、当日の試験開始前や試 験の合間の休み時間などもほとんど見直しはしませんでした。予備試験は基本を問う試験ですから、もうその時期にはインプットは完全になされていると思いま す。むしろ心を落ち着けることの方が大事だと思います。その点で役に立ったのが、法科大学院入試を並行していた点です。「落ちても法科大学院に行けばいい だろう」と半ば諦観を持って試験に臨んでいたので、きちんと実力を発揮できたのだと思います。
働きながらの学習方法について
働きながらの学習の場合には、時間を有効活用することが大事です。とはいえ、時間を作ることは可能です。例えば、朝5時に起きれば、2~3時間の勉強は可能ですし、短答式の問題などは電車の中でもできます。とにかく時間を無駄にせず、有効につかってください。
最後に
予備試験合格を目指される方へ、この試験は頑張れば合格できる試験ですので、合格率の低さなどに惑わされず本気で取り組んでください。そのためには、茫漠として莫大な法学の範囲の中で試験に必要な部分のみを効率的に学習しなくてはなりません。そのために役に立つのが伊藤塾の講座だと思います。伊藤塾は予備試験合格者の大部分を輩出していますし、信頼して良いと思います。悪い意味でなく受け身で伊藤塾の通りに勉強をしていけば十分です。勉強の手を広げる必要はありません。目標に向かってまい進してください。