伊藤塾で勉強する最大の利点は、「全受験生のスタンダードを知れる」ということ
H.Nさん:慶應義塾大学法学部4年
◆ 受 講 講 座 /司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、予備試験答練パック、予備試験全国公開論文模試、予備試験口述模試など
※プロフィールは、2020年度合格時点のものです。
はじめに
司法試験合格を目指したきっかけは、大学の期末試験の勉強をした際に、司法試験の過去問を目にしたことです。そこから何となく興味があり、期末試験の成績が尽く良かったので、自分には法律学のセンスがあるんじゃないかと思うに至りました(今思えば勘違いでしたが、結果オーライです)。ただ、遊び・バイト・サークル・留学などやりたいことが多数あったため、それらが全て終わってから勉強を開始しようと思いました。受験対策として伊藤塾を選んだ理由は、親しい友達が伊藤塾をすすめてきたことに加えて、予備試験に合格した友達や先輩方が伊藤塾に入塾していたからです。そして、やりたいことを全てやり切った後、大学2年の12月に、遂に伊藤塾に入塾しました。
私の勉強法
<基礎学習について>
大学の授業でやった内容はほとんど忘れていたので、法律知識は伊藤塾で一から学びました。まずは基礎マスターを全科目1周しようと考え、毎日20コマ以上を2倍速で聴きました。この時のポイントは、「理解できなくても立ち止まらない」ということです。一度の講義で完璧に理解できる人などいませんし、基礎マスターテキストの総復習・論文マスターを通じて少しずつ理解は深まるので、心配不要です。この段階でわからない部分で立ち止まるようなことをすれば、途中で心が折れてしまいます。第一関門は、「基礎マスター講義を全て聴く」ことであり、理解度はさほど気にしなくて大丈夫です。
<論文学習について>
論文マスターについては、私はあまり予習に時間を割きたくなかったため、頭の中で答案構成した程度でした。解けそうな感じがした問題は紙に答案構成して、全くわからない問題はすぐに解説講義を聴いていました。論文マスター受講段階でまともに答案を書ける人は少ないと思うので、ここも基本的に「論文マスターを全て聴く」ことを目標にすれば良いと思います。まともに答案を書けない段階で無理に書こうとしても時間効率が悪いと思いますし、論文マスターの問題は論証と同様に「パターン化」してストックするものだと思います。初見の問題への現場対応力は、過去問・答練で磨けば十分です。
<短答式試験対策について>
1年目は短答で不合格になり、2年目は超上位で合格したので、1年目の敗因と2年目の勝因について書きます。1年目については、短答対策を始めたのが遅すぎました(4月中旬頃)。短答と論文の比率は悩ましいですが、一般教養で安定して45点以上取れない人(つまりほぼ全員)は、2月からコツコツ短答対策を始めることをおすすめします。短答の勉強は思った以上に論文の勉強に直結したので、短答の勉強比率は、一般的に言われているより増やしても良い(というか増やすべき)だと感じました。もちろん、「短答答練」や「全国公開短答模試」も受けましょう。2年目については、2月から論文と並行して短答対策を始めました。3月下旬からは、短答プロパーに切り替えるべきだと思います。あと、過去問を繰り返すのは当然ですが、条文も読み込みましょう。過去問だけ繰り返すような勉強では、法律科目だけで合格点を取るのは難しいと思います。差がつくのはここだと思います。
<論文式試験対策について>
伊藤塾の論文答練は、本当に素晴らしいです。その理由としては、①問題の質が高い、②論点的中率が高い、③母集団が多い、ということが挙げられます。①については、他の受験指導校の答練も受けたことで、伊藤塾の問題の質の高さに気づきました。特に素晴らしいと思うのは、冊子の解説部分です。あそこには、受験生がつまずきがちなポイント・得点を取るポイントなどが、司法試験の採点実感を踏まえたうえで書かれています。自分も、うまく書けなかった問題の解説は、直前期まで何度も読みました。②については、予備試験に限らず、慶應法科大学院の入試・口述試験などでも的中させていました。特に「コンプリート論文答練」は、「受験生の穴になりがちな論点」をピンポイントで出題してくれます。本番で問題を解いている時に「コンプリート論文答練でやったところだ!」と何度もなりました。確実に合格したいなら、伊藤塾の答練は可能な限り受けるべきです。③については、他の受験指導校の答練では、どう頑張っても実現できないです。最大手の伊藤塾だからこそ、自分の相対的な実力を常に把握することが可能になります。論文試験は相対評価なので、受験生全体の実力・自分の相対的な立ち位置を常に把握する必要があります。そのような感を磨くことで、本番は「これは応用問題だな」などと気づき、正しい立ち振る舞いができます。このような意味でも、伊藤塾の答練は可能な限り受けるべきです。
<口述試験対策について>
「いかに下位5%に入らないか」ということだけを考えるべきです。そうすると、自ずと「穴をなくす勉強」をすべきだということに辿り着きます。民事は要件事実、刑事は刑法刑訴の論文知識が最重要です。手続・執行保全・法曹倫理をやりすぎるなど、これらの勉強の比重を間違えると、落ちる可能性が上がります。この点にだけ気をつけて勉強し、あとは口述模試や過去問を使ってアウトプットの練習をするだけです。それさえすれば、よほど運が悪くない限り、落ちないと思います。
学生生活との両立について
私は長期休みに一気に基礎マスター・論文マスターを聴けたので、Web受講にして正解でした。また、苦手な論点・問題については、直前期まで何度も講義を聴き直しました。なので、理想的なのは、①理解が伴わなくても良いので急いで一周する、②短答・論文の演習をする、③テキストを読んでもよくわからない箇所だけピンポイントで聴き直す、という流れだと思います。
法科大学院入試との併願について
慶應義塾大学法科大学院の過去問2年分を自主ゼミを組んで解きました。慶應義塾大学法科大学院の問題は癖がなく、特別な対策は不要だと思います。ただ、時間に関してはかなりシビアです(特に民法・商法)。そのため、まずはその時間感覚をつかむべきだと思います。また、単発の論点が出されることが多く、問題研究の問題がそのまま出題されていることも多いです。私は問題研究の復習が疎かになっていたせいで、商法・民訴でミスをしてしまいました。問題研究に載っている論点については、一定レベル以上の受験生は普通に書いてくるので、確実に書けるようにすべきだと痛感しました。さらに、慶應義塾大学法科大学院に関しては、「ヤマ当て」も有効だと思います。特にひねりのない単発の論点が出題されるので、ヤマを当てればかなり大きいです。そのためには、ホームページに掲載されている過去問全てに目を通し、出題されている分野・論点を把握する必要があります。未出の重要論点・重要分野は、合理的に考えれば、出題可能性が高いです。
おわりに
伊藤塾で勉強する最大の利点は、「全受験生のスタンダードを知れる」ということだと思います。業界最大手である以上、問題研究に掲載されている問題が最低限押さえるべき問題ということになります。ここに掲載されている問題がそのまま出題された場合を想像すると、問題研究の内容を知らないこと自体リスクとさえ言えます。答練・模試についても、問題・解説の質がかなり高く、母集団が多い中で平均点・順位が出るのもモチベーション維持につながります。特にこの試験では、自分の「相対的な実力」を把握することが重要なので、母集団・利用者が多い受験指導校というのは、それだけでかなり大きな利点です。そのため、まずは伊藤塾を信じて勉強すれば、合格に大きく近づけると思います。