多くの勉強時間は取れない中、伊藤塾で論文突破力を身につけ合格することができました

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I.Jさん:北海道大学医学部5年 東京大学法学部卒業 東京大学法科大学院(既修)中退

◆ 受 講 講 座 / 論文マスター、予備試験答練パック、予備試験論文直前答練+全国公開論文模試など

※プロフィールは、2020年度合格時点のものです。

はじめに

 親族に法曹関係者がいたこともあり、幼少期より法律関係の用語は聞き馴染んでいた。もともと正義感が強い性格であり、公正・公平な社会を実現するための手段としての法律に興味を抱いて法学部を選択した。1回目の大学進学後、司法試験を勉強する友人に触発されて司法試験の勉強を開始したが、当初は大学生活の中での優先順位は低かった。教養課程・法学部在学中に生命科学・医学の分野に興味を抱いて、医事法関連のゼミに在籍したことが転機となり、医学と法律の双方を体系的に知ったうえで医療制度設計や資源配分に関与したり、臨床医としての知見をもって医療訴訟に携わったりしたいと考えるようになり、医学部学士編入と司法試験の双方を本格的に志すようになった。もっとも、医学部学士編入には運よく合格でき、医学部生となったものの、医学部に合格した時期の関係から法科大学院を中退せざるを得ず、予備試験ルート一本となった。その司法試験予備試験では短答式突破が精一杯という状況が長く続き、伸び悩んだ。そこで確実に合格するための論文突破力を身につけるため、2017年から伊藤塾の論文答練・論文マスターを利用することにした。

私の勉強法

 
〈論文学習について〉

伊藤塾を利用しはじめた2017年当初は、答練と過去問を中心に勉強しており、論文マスターに関しては利用していなかった。もっとも、2018年の論文式での不合格を受けて、今一度論文に向けた基礎力を再確認・涵養する必要があると強く感じ、論文マスターを受講することとした。私は地方在住者で通学受講ができず、かつ医学部生として多忙な日々を送っていたこともあり、可処分時間から受講時間を捻出することが難しく、映像講義については思うように受講が進まなかった。しかし、そのような際でも、論文マスターで配布される「問題研究」や「論文ナビゲートテキスト」などを大学に持参し、隙間時間を見つけては論文ナビゲートテキストを開いて基礎的な論証・規範の確認をしたり、問題研究を見て論文の書き方を短時間で脳内演習(構成を考えて直ちに答えを見て、足りない部分をテキストに書き足す方法)をしたりして知識の定着と論文力の向上を図った。結果的に論文マスター受講開始から論文突破まで2年かかってしまったことからすれば、この方法が最善とは決して思わない(まとまった時間を見つけて映像講義を進めた方が多分定着は早かったであろう)が、それでも限られた可処分時間で私の論文力を向上させてくれたのは伊藤塾の論文マスターであると断言できる。

〈短答式試験対策について〉

短答式については、20152016201820205回合格しており、伊藤塾利用開始前から合格できる力は備わっていた。そのため、従来から利用していた市販の参考書を中心に勉強することが多かったが、直前期には伊藤塾の答練パックなどに付随する短答答練や全国公開短答模試を解いて知識の直前確認・定着に利用していた。その意味で、伊藤塾の教材は役に立った。

〈論文式試験対策について〉

2018年の短答式合格後から、論文試験に向けて答練を用いて実際に書く訓練を本格的にはじめた。その際利用したのが、伊藤塾の予備試験論文直前答練・全国公開直前模試と、コンプリート論文答練であった。答練は自宅や大学では誘惑や人目が多く書きづらいため、新型コロナウイルス感染症の流行前は近くの代ゼミ札幌校で開催される伊藤塾答練通学講座を利用して書いていた。この答練を利用したのは大正解であった。冬から春の試験がなく中だるみしやすい期間でも定期的に通学して半強制的に答案を書くことで、この時期の論文力の維持・向上や知識の定着度が飛躍的に向上した。また、直前期には試験本番と同様の緊張感をもって答練を書くことで、時間配分・事案把握・答案構成・記述する際の言葉の言い回しなどを包括的に確認することができた。添削も概ね的確で、自身の弱いところを炙り出して補強することにも役立った。今振り返れば、合格に向けた基礎力を涵養したのが論文マスターであり、かかる基礎を基にした実戦力を獲得したのが論文答練・模試であったと思う。札幌という地方在住者に通学答練の機会を与えてくれたのは伊藤塾のみであり、この点伊藤塾には心から感謝している。

〈口述試験対策について〉

 2020年の論文試験後、合格している可能性が高いと思ったので、オンラインの予備試験口述対策ゼミを申し込んだ。このゼミは過去の伊藤塾口述模試の問題を用いてゼミ形式で知識の確認と答え方の訓練を行うもので、他の受講生がどのように回答しているのかを実際に見ることができて大変参考になった。また回答方法についての講師からのアドバイスも的確で、実際の口述試験でも役に立った。論文合格後、口述試験までの間に伊藤塾の口述模試を受講した。この模試も新型コロナウイルス感染症の影響でオンライン形式となったが、知識の最終確認と回答方法のアドバイス、直前期に重点的に勉強すべき点などのアドバイスをいただき、とても役に立った。

学生生活との両立について

私は医学部生であり、大学での授業実習の合間を縫って試験勉強・受験をしていたため、隙間時間での学習の確保と土休日での答案作成の機会を中心に勉強を進めた。結果的に本気で勉強を開始してから2回論文に落ちているので、両立ができた、とは胸を張って言えない。しかし、時間こそかかったが、隙間時間で論文ナビゲートテキストや問題研究・過去の答練の復習などを行ったことの蓄積や、土休日での通学講座での答案作成の経験の蓄積が私を合格に導いたのだと思う。医学部4年次以降は臨床実習で病院に長時間いることが多くなり、実習レポートの作成なども立て込んで両立はよりいっそう困難となった。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で実習がオンライン化されるなどの事態もあり、その時期には逆に法律の勉強との両立はしやすくなった(この時期には過去に自分が受講した答練・過去問・問題研究の再復習を行っていた)。

おわりに

 私が予備試験の受験を開始したのは2014年であり、思わぬ長期戦となってしまった。私は予備試験に関しては優等生ではない。むしろ劣等生である。私の行った勉強法の中には推奨されないものも多いであろう。この体験記を読んでいる読者諸氏におかれては、私の体験を反面教師としてぜひ早期合格を勝ち取っていただきたい。しかし、時間こそかかったが、(惰性で受けていた期間を除いて)本気になってから2年あまりで合格できたのは、ほかならぬ伊藤塾のおかげであり、利用してよかったと今は心から思っている。私に関係してくれた全ての伊藤塾関係者の皆様に心より御礼申し上げたい。ありがとうございました。司法試験まで例年と異なり残り3ヶ月しかない。まだまだ新型コロナウイルス感染症の影響で社会的に不安定な時期が続いており、様々な面で例年と異なる状況が続く。それでも司法試験がある限り、自身の目標達成と将来における自己実現のために全力で残りの期間を駆け抜けて、合格を勝ち取りたい。