振り返ってみて やはり伊藤塾の教材の質は高い
K.Fさん:公務員
◆出身大学/京都大学法学部
◆ 受 講 講 座 /司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、コンプリート論文答練、予備試験口述模試など
※プロフィールは、2020年度合格時点のものです。
はじめに
私は、平成28年頃に、予備ルートなら社会人でも現実的に司法試験にチャレンジできるということを知り、在宅で伊藤塾の基礎マスタ-講座の受講を始めました。その当時は既に社会人として働き始めて数年が経過していましたが、今の勤め先に勤め続けるだけではなく将来の選択肢として法曹として働くことも魅力的なのではないかと感じはじめていました。
私の勉強法
〈基礎学習について〉
基礎的知識のインプットについては、基礎マスタ-の教材でweb受講を視聴するスタイルのみで取り組みました。あまり複数の教材に手を広げることはよくないということが言われていた気がするので、私は他の教材をほとんど使用せず、伊藤塾のテキストのみでインプットしました。判例百選ぐらいは読んだ方がよかったように思いますが結果、手を付けませんでした。基本書についても昔、大学生だったころに購入していたものを軽く参照する程度でしか使用しませんでした。基本的には伊藤塾のテキストのみで必要な範囲はカバーされているように思います。また、web受講についても何度も見るのは時間的に効率的ではないということをよく聞いていたので、結局、各講義一回しか視聴していませんが、私は、覚えがよくなく、結構、長期間にわたって知識が十分に定着せず、苦しい時期が長かったと感じますので、今、当時を振り返ると、複数回でも焦らず、じっくり講義動画を見た方がよかったのではないかと感じています。
〈論文学習について〉
論文マスターは、とにかく導入が辛かったように思います。十分に知識が定着していない状態ではじめたため、一周聴き終えるのも苦労した記憶があります。しかし、問題研究の教材自体は、過去の司法試験の過去問が厳選され、各科目を網羅的に勉強するには最適なものになっていると思われますので、あそこに掲載されている内容をマスターすればほとんど網羅的に論文対策ができていると自信を持てると思います。私は、今年の予備試験の論文試験の直前2ヶ月くらいの間に、問題研究の全問題を答案構成しました。短い期間で論文アウトプット向けの記憶の整理を行うのに適していたように思います。また、私は、論文ナビゲートテキストの使い方がよくわからなかったのもありますが、問題研究やその他の答練などで出てきた論述パターン(で自分が知らないもの)を、出会うたびに各科目ごとのノートにタイトルをつけて内容を転記(だいたい1ページに2ぐらい)し、マーカーで色付けして、通勤時間などに読み返すという方法で論証パターンを暗記しました。だいたい各科目ノート3、4冊になりましたが、ホッチキスでとめて一体にして知識管理しました。これを習慣にすると一度目にした論証パターンを後で忘れても確実に記憶が復元でき、また、網羅的な復習がしやすくなります。短答知識も内容に加えられるので結果、便利でした。
〈短答式試験対策について〉
短答の学習は、基礎マスタ-のテキストを何度も読み返すというインプット作業と伊藤塾の過去問教材を何度も解くというアウトプットだけで対応できました。最初は、定着しない知識に溺れそうな苦しい記憶があります。各科目の過去問集を一周するのもかなりの期間がかかったように思いますが、最終的には、各ページの右上のチェック欄をみると5周していました。最初はこんなにも膨大な量の情報を記憶しきれるのかと不安になりますが、何度も受験しているうちに、記憶も定着してきて一周回すのがそれほど苦でなく、時間もかからなくなることに今振り返ると驚きでもあります。やればできるもんだなと感じる瞬間でもあります。ちなみに私は、平成29年から令和2年の4回予備試験を受験しましたが、初回の平成29年度以外は短答に合格しています。短答は、直前期に全科目過去問集を一周回せるようになっておくことを目標に頑張れば何とかなる気がします。
〈論文式試験対策について〉
私は、あまり答練などで答案を書く練習を多く積めませんでした。なので、今でも、タイムマネジメントがおぼつかないところがあり、司法試験へ向けた課題でもあります。論文マスターの問題研究の学習が一通り終えられた後は、なかなかコンスタントに論述練習に時間も割けなかったこともあり、伊藤塾の予備試験論文対策向けの赤い本を全科目購入して少しずつ答案構成、論述の練習をしました。赤い本は、本番の出題形式や傾向がよく踏まえられており特に実務基礎科目の対策にとても良いように思います。答案構成は20分以内で終えるということを目標に練習しましたがなかなか難しいです。また、本番を経験して、論述それ自体のタイムマネジメントも結構難しいため、論述の練習もそれなりに必要だと感じます。
〈口述試験対策について〉
口述試験は、普段、準備をしていないため、手探り状態で、かなりの緊張の中の受験となりました。私は、伊藤塾の口述模試を受験しました。本番と比べるとかなりコンパクトだと思いますが、内容や雰囲気を経験しておくには非常にいい機会だと思いました。口述の準備としては、論文試験合格発表後に、伊藤塾から提供いただいた過去問の再現集を読み込み、自分で問に答えるシミュレーションをしました。また、民事系は、民訴の基礎マスタ-テキストの読込み、条文の素読、基礎マスタ-の民事実務基礎テキストを熟読しました。要件事実と民事執行法、民事保全法の知識のインプットには最適の教材だと思います。刑事系は、刑訴の基礎マスタ-テキストの読込み、条文の素読と刑法の基礎マスタ-テキストの読込みを行いました。刑事はかなり実体法が聞かれるので基礎マスタ-テキストでしっかり準備しておくとよいと思いました。
働きながらの学習方法について
私も同じですが、社会人の方が、仕事の傍ら受験勉強をするのは本当に大変だと思います。私は、直前などの短期間に集中的に時間をとることが難しかったためか、知識として知ってはいるけど試験の短時間で適切にアウトプットできないという状態がつづきました。なので、いかに短期間で試験範囲を復習することができる状態にするかが重要だと思います。それには、何周も過去問練習を回して知識の定着度を上げることや、自身が論述で使用するための論述パターンなどをまとめたノートを作るなど、短期間で知識確認ができるような工夫が有効だと思いました。
おわりに
他の指導校をあまり知りませんので、それらと比較してよかった点を申し上げることはできませんが、過去の実績からも伊藤塾の教材を使って勉強することは合格へつながっているのは間違いないと信じられたことと、振りかえってみてやはり教材の質が高いと思われる点は伊藤塾を利用してよかったと思えます。今年度は、受験日程が変則的でまた、自身が予備試験に合格できるとは思っていなかったこともあり、司法試験への準備が全く進められていませんので、不安が大きいですが、残された3ヶ月を今年の予備試験の勢いのまま何とか駆け抜けたいと思っています。いずれせよ、ここまで来たからには絶対に司法試験に合格したいと思います。