ハンデを背負って生きていくうえで、武器となるスキルが欲しくて司法試験を受験した
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B.Tさん |
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受講講座:司法試験入門講座 本科生+リーガルトレーニング、予備試験論文直前答練 + 全国公開論文模試、予備試験口述模試など
法律の学習を始めた理由 | 私の「推し講座」 | 私の「推しフォロー制度」 | 合格のカギ(秘訣) |
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その他 | 予備試験 論文直前答練 | 試験情報提供 (マイページ・メール など) | 自己分析 |
はじめに
私は刑事事件を起こしてしまい、刑務所に2年半服役しました。出所後、学歴も職歴も資格も特に武器となるスキルも有していない自分が、前科があるというハンデを背負ってどうやって社会で生きていくかとても不安でした。そこで、何か武器となるスキルが欲しくて、司法試験の受験を考え始めました。試験に受かっても、実刑判決を受けた自分はすぐには弁護士になることができません。なので、わざわざ司法試験を受ける意味があるのだろうかと悩みました。ですが、法律の知識は将来どの道に進もうと役に立ちますし、実際に被疑者として捜査を受け、被告人として裁かれ、受刑者としてほぼ全ての人権を剝奪されたことで、法律や人権について学びたい思いが強くなっていましたので、司法試験の受験を決断しました。しかし、この動機はあくまで表面的な動機のひとつにすぎなかったということに後から気づくことになります。私の家系は代々法律家が多く、親族にも法律家が多いです。幼いころから、法律家と法律家でない者の違いを嫌でも意識させられる環境で育ちました。このためか、法律家である親族たちと同じ土俵に立ちたい、対等に話し合いたい、というコンプレックスのようなものが、自分の中にずっとあったのだと思います。司法試験の受験には、自分の中にあるコンプレックスに向き合い、それを乗り越えるという大事な意味が、自分にとってあったのだと論文合格後にようやく気づきました。伊藤塾を選んだのは、とにかく司法試験受験界では有名な塾で、実績もあるからです。ここに入れば間違いないだろうと、特に悩むことなく軽い気持ちで決めました。
私の勉強法
◇基礎学習について
基礎マスターの講義を2倍速で聴きました。講義で講師が大事と言ったところを中心に、さらっと復習してからまた次の講義を聴く、というのをまずはひたすら繰り返しました。もちろんただ講義を聴くだけでは、ほとんど基礎知識は身につかないので、論文マスターを通じて、基礎マスターで出てきた知識をどのように使って答案を書いていくのかを確認し、その都度基礎マスターテキストに戻って足りない基礎知識を繰り返し復習しました。基礎知識は基礎マスターテキストだけで十分だと思います。むしろ、自分は基礎マスターテキストのAやB+の知識でも怪しい部分がかなりあったまま本番を迎えてしまったので、基礎マスターテキストのAやB+の知識を確実に習得すれば合格者の中でもかなり上位の成績をとることができると思います。
◇論文学習について
自分は基礎マスターを聴き終えた直後に論文マスターを聴き始めました。基礎マスターを聴き終えた直後で、論文マスターに載っている問題に太刀打ちできるわけがないので、自分は問題を読んで、頭の中で答案を考え、5分ぐらい悩んでわからなかったらすぐに講義を聴きました。講師は、できるだけ答案を書くようにおっしゃいますが、自分は時間がなかったので、論文マスターの段階では答案を書くことはしませんでした。
論文マスターを全科目1周聴き終えたら、わからなかった問題をまた頭の中で解き、解答を見ることを繰り返しました。論文マスターに載っているほぼ全ての問題の、解答の道筋をつけられるようになるまで、この作業を繰り返しました。論文マスターに載っている問題で、典型的な問題は網羅できると思います。逆に論文マスターに載っていないような問題は、現場思考の問題なので、答練などを通じて対応力を身につけていくといいと思います。
◇短答式試験対策について
私は伊藤塾の年度別の短答問題集を買って解きました。短答式試験の1ヶ月までは、論文の勉強のみをやり、1ヶ月前からは短答の過去問をひたすら解き、欠けている知識は基礎マスターテキストに戻って復習しました。伊藤塾の問題集は解説が丁寧で助かりました。問題ごとの正答率ものっているので、正答率が低い問題はやらずに、正答率が高い問題のみをやるなど、メリハリをつけて効率的に短答対策ができました。
◇論文式試験対策について
私は論文直前答練を受講しました。論文マスター段階で全く書く練習をしなかったので、実際に答案を書く経験は論文直前答練のみでした。論文直前答練の問題は、本番のレベルに近いと思います。論文直前答練を通じて、論文マスターに載っていないような問題が出たときに、どうやって条文と趣旨をたよりに妥当な結論を導き出すかの訓練を積むことができました。本番でも、見たこともない問題が出たときにこそチャンスだと思えるほど、現場思考の問題を得点源にすることができました。また、論文直前答練に出てくる問題は、伊藤塾のスタッフの方たちが全力でヤマを張ってくれた問題なので、論文直前答練の問題を解けば、本番でも同じような問題に出くわします。なので、論文直前答練を受けるのと受けないのとでは相当な差が生まれると思います。
◇口述試験対策について
伊藤塾から論文発表後に送られてきた過去問を、まずは全年度解答部分を隠して、問題を見ながら解答をブツブツつぶやきました。過去問を解くことで、どの部分が出るのかを大体把握できたので、基礎マスターテキストの要件事実や、刑法各論を中心に広く浅く復習しました。口述模試は本番さながらの形式なので、形式面の不安を払拭できました。また、模試の問題は、これまた伊藤塾のスタッフの方々が全力でヤマを張ってくださった問題なので、本番前にも復習しました。模試に出た文書偽造が刑事の本番でそのまま出たときは、模試を受けて本当に良かったと思いました。
働きながらの学習方法について
会社員をやりながら勉強を続けるうえで一番大事なことは、心身の健康を保つことだと思います。そのためには、常に自分の心身の状態に気を配り、決して無理をしてはいけないと思います。自分は、睡眠時間を削るともろに心身の状態が崩れるので、睡眠時間は毎日9時間ぐらいとっていました。その結果として、1日の勉強時間は2時間ぐらいしかとれませんでしたが、このくらいの勉強時間が自分にとってはベストなのだという結論に最終的には落ち着きました。社会人は、置かれている状況が人や時によって様々ですので、周りと比べず、毎日少しずつ勉強を積み重ねていくのがいいと思います。
おわりに
伊藤塾に入って1番良かったことは、合格に必要な知識がわかりやすくまとまっている基礎マスターテキストを入手できたことです。わからない知識が出てきたときはいつも基礎マスターテキストに立ち返り、復習しました。基礎マスターテキストに載っていない知識は逆に、現場思考の問題なのだと割り切ることができました。司法試験は予備試験以上に厳しい試験だとは思いますが、来年1発で受かれるように頑張ります。