二回試験(司法修習生考試)とは?試験内容や不合格にならないための対策を解説

法曹資格を得るには、司法試験に合格するだけでなく二回試験にも合格しなければなりません。
司法試験の後にもさらに試験があるの?
二回試験はどんな試験なのだろう?
いつから対策をすべきなのか?
などと、司法試験の勉強開始前から心配している方も少なくはないでしょう。
今回は、二回試験の試験内容や対策方法、注意点などをまとめて解説します。二回試験について心配な方は、ぜひ参考にしてみてください。
【目次】
1.二回試験とは?
2.二回試験はほとんどが合格する試験
3.二回試験の試験内容
4.二回試験の対策方法
5.二回試験の注意点
6.まとめ
1.二回試験とは?
二回試験とは司法修習の最後に実施される卒業試験のことで、正式には司法修習生考試といいます。
二回試験は、これまで毎年11月中旬から下旬にかけて実施されていましたが、2023年度からは司法試験の合格発表が11月、司法修習の開始が翌年3月に変更されたことに伴い、二回試験の日程も1年間の司法修習が終了する3月頃に実施されることが予測されます(実施時期について2023年8月時点で未公表)
弁護士や裁判官、検察官など法曹としての仕事を開始するには、司法試験に合格するだけでなく二回試験にも合格する必要があります。
※なお、司法修習については、こちらの記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
→司法修習とは何か?スケジュールや給料などを詳細解説
2.二回試験はほとんどが合格する試験
二回試験について過度に心配される方もいますが、二回試験はほとんどの人が合格する試験です。二回試験に不合格となるのは毎年数人から十数人ほどで、合格率にすると98〜99%ほどとなります。
そのため、二回試験について心配し過ぎる必要はありません。
ただし、二回試験に合格できなければ新たに挑戦できるのは1年後です。つまり、法曹としての仕事を開始できるのが1年も遅れてしまいます。就職が決まっている方は、内定を取り消されてしまう可能性もあるでしょう。特に、裁判官や検察官、大手法律事務所の内定は、二回試験に不合格となれば確実に取り消されてしまいます。
二回試験は真面目に修習に取り組んでいれば合格できる試験です。しかし、不合格となってしまった場合には法曹としてのキャリアプランが全て崩れてしまう可能性もあるため真剣に取り組まなければなりません。
3.二回試験の試験内容
二回試験の試験科目は、次の5科目です。
◉民事裁判
◉民事弁護
◉刑事裁判
◉刑事弁護
◉検察
日程は、1日1科目の5日間で、試験時間は10時20分から17時50分までと長丁場の試験となっています。
7時間30分の試験中は、各自でトイレや昼食休憩をとることもできます。終了時間よりも早く完成した場合には、時間前に帰宅することも可能です。
試験期間中は体調管理が何よりも重要です。1科目でも基準を下回ると不合格となってしまうため、5日間を万全の体調で望めるよう体調管理に努めましょう。
4.二回試験の対策方法
二回試験の対策は、真面目に司法修習に取り組むことに尽きます。特に、1年間の司法修習の後半に実施される集合修習での起案作成は、二回試験対策に直結する内容です。
司法修習では、各科目で白表紙と呼ばれるテキストを使用します。二回試験合格のために求められる知識としては、白表紙の内容で必要十分です。白表紙の内容を確実に理解しておけば、知識面での心配はありません。
二回試験対策としては、司法試験対策と同様にアウトプットも重要です。集合修習で取り扱った起案の復習や、修習生の仲間と一緒に二回試験の過去問演習を行うなどして、起案の形式に慣れるようにしましょう。
集合修習が始まると、修習生の間では過去問のデータなどが出回ります。それを活用して仲間内での演習を重ねれば、対策としては十分です。二回試験は真剣に取り組めば問題のない試験ですが、甘く考えずにしっかり対策を行うようにしましょう。
5.二回試験の注意点
二回試験は、どの科目も難易度の高い試験です。ただし、試験に合格するのには完璧な答案が求められている訳ではありません。
二回試験で絶対に外してはならない注意点は、次の3つです。
◉時間内に書き終える(紐で綴る時間は別途有り)
◉各科目の基本を押さえる
◉絶対に油断しない
かつての二回試験は、試験時間内に表紙と答案を紐で綴らないと、採点の対象外となり、それだけで不合格となってしまうため、「時間内に紐で綴る」ということが二回試験の絶対条件でした。
しかし、現在の二回試験では試験時間終了後に別途紐で綴る時間を設けています。そのため、起案を時間内に書き終えるという点のみが二回試験の注意点となります。
二回試験では、最終的な回答の正しさも重要ですが、それよりも重要なのは基本的な思考過程を示すことです。最終的な回答が想定とは異なるものでも、各科目の基本に従った思考過程が示されていれば不合格は避けられます。
試験内容が難しくても焦らずに、基本部分だけは間違いのないようにしましょう。絶対に外してはならない基本事項としては、次の事項が挙げられます。
◉民事弁護 原告と被告を間違える
◉刑事裁判 結論を無罪にする
◉刑事弁護 被告人の主張と反する主張をする(無罪主張なのに情状ばかり記載する
◉検察 結論を不起訴とする
最後に、二回試験を受けるに際して油断は禁物です。二回試験はほとんどが合格する試験ですが、それは全ての受験生が司法試験合格者だからです。司法試験合格者でも不合格となる可能性がある試験であることを肝に銘じて真剣に取り組むようにしてください。
6.まとめ
二回試験は、真剣に取り組めば間違いなく合格できる試験となっています。司法修習の期間は、実務に出る前の大切な学びの期間です。修習期間はしっかりと学びの時間を取り、二回試験を確実に突破しましょう。
二回試験合格のためには、司法試験を受験する段階から基本を徹底的に学ぶことも重要です。
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著者:伊藤塾 司法試験科
伊藤塾司法試験科は1995年の開塾以来、多数の法律家を輩出し、現在も業界トップの司法試験合格率を出し続けています。当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、司法試験や法曹に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。

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