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司法書士は「仕事がない」って本当?現状や将来性について徹底解説!

2024年08月08日

 
入門講座


 

「司法書士は仕事がない」
「司法書士の仕事は、今後も減る一方」
「司法書士になっても食えないからやめとけ」

こんな話を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか?

確かに、当校の受講生からも、「仕事がない」「食べていけない」と言われて不安になったという声を聞くことがあります。

近年の急激なAIの発達により、仕事を奪われるのではないかと思っている方もいるかもしれません。

しかし、実際のところ、司法書士の需要は年々高まっており、多くの司法書士が活躍の場を広げています。

社会ニーズの変化に伴い、法律の専門家として司法書士が果たす役割は、ますます重要になっているのです。

そこでこの記事では、毎年多くの司法書士を輩出している当校が、司法書士の未来に不安を抱えている方に向けて、

◉ 司法書士が「仕事がない」とは決してならない理由
◉ なぜ司法書士が「仕事がない」と言われるのか
◉ 仕事に困らない司法書士になるための秘訣

について解説します。

この記事を読めば、抱えている不安が解消され、試験勉強に対するモチベーションも一段と高まることでしょう。

是非、ご一読ください。

【目次】
1.司法書士が「仕事がない」とはならない3つの理由
 1-1.希少性が高いから
 1-2.業務の幅が広がっているから
 1-3.高齢化社会で仕事が増えているから
2.司法書士は「仕事がない」と言われるのはなぜ?
 2-1.AIに代替される不安があるから
 2-2. 「登記」の件数が減少しているから
 2-3.仕事内容の認知度が低いから
 2-4.仕事がない司法書士もゼロではないから
3.「仕事に困らない」司法書士になるための3つの秘訣
 3-1.専門性を高める
 3-2.ダブルライセンスを取得する
 3-3.同業者との人脈を構築する
4.伊藤塾なら司法書士として活躍するための取り組みも充実
5.【Q&A】よくある質問
 5-1.司法書士の廃業率は?
 5-2.司法書士の平均年収は?
6.まとめ

 

1.司法書士が「仕事がない」とはならない3つの理由

司法書士は「仕事がない」という話を耳にしたことがあるかもしれません。

一部では、「司法書士は食えない」「将来性が全くない」などと言われることもあるようです。

しかし現状、司法書士試験に合格した受講生から、

「試験に合格したけれど、仕事がなくて困っている」

という話を耳にする機会は、殆どありません。

また、今後も司法書士の「仕事がない」となる可能性はかなり低いでしょう。

その根拠としては、次のような点が挙げられます。

 ◉ 希少性が高いから
 ◉ 業務の幅が広がっているから
 ◉ 高齢化社会で仕事が増えているから

それぞれ見ていきましょう。

 

1-1.希少性が高いから

司法書士になるには、最難関の国家試験に合格する必要があります。

試験の合格率は「5%」前後と、他の法律資格と比較しても非常に低く、司法書士の数は限られています。

※司法書士試験の合格率については、こちらの記事で詳しく解説しています。
司法書士試験の合格率はなぜ低い?2023年度の合格率や過去10年間の推移についても解説

例えば、2023年度の司法書士試験の合格者数は、わずか「695人」。

毎年、引退していく司法書士もいるため、司法書士全体の数も殆ど増加していません。

【直近5年間の司法書士の数】

平成30年22488人
令和元年22632人
令和2年22724人
令和3年22718人
令和4年22907人

参考:日本司法書士連合会 司法書士白書 2023年版

実際、直近5年間の推移を見ると、平成30年に「22,488人」だった司法書士の数は、令和4年には「22,907人」と、わずか「419人」しか増えていないことが分かります。

この高い希少性ゆえに、司法書士の需要は、常に供給を上回っています。

司法書士試験に合格して、仕事に困ることはまずないといえるでしょう。

 

1-2.業務の幅が広がっているから

近年、司法書士の業務範囲は大きく拡大しています。

例えば、従来の不動産登記や商業登記に加え、成年後見制度における後見人としての活動が増えてきた他、簡易裁判所における訴訟代理なども行えるようになりました。

さらに、相続や遺言、企業法務など、司法書士の専門性を活かせる分野は拡大し続けています。

業務の幅が広いほど、仕事の選択肢は増加し、仕事を獲得するチャンスも拡大します。

今後も司法書士が、仕事に困る可能性は低いといえるでしょう。

 

1-3.高齢化社会で仕事が増えているから

現代社会では急速に高齢化が進んでいるため、相続や遺言、成年後見制度に関する法的ニーズが高まっています。

特に、相続手続きや遺言書の作成、成年後見人の選任などの場面では、司法書士の専門性が強く求められています。

例えば、令和4年度に選任された成年後見人の数を見ると、司法書士が全体の40%近くを占めており、弁護士を抜いてトップとなっています。

司法書士の数が、弁護士の半分程度しかいないことを考えると、これはかなり高い割合といえるでしょう。

【成年後見人の内訳】

 件数割合
司法書士11,76437%
弁護士8,68227%
社会福祉士5,84918%
行政書士1,4274%
社会福祉協議会1,4324%
その他28509%
合計32,004100%

参考:成年後見関係事件の概況 令和4年1月〜12月|裁判所

高齢化社会の進展に伴い、司法書士の活躍の場は、大きく広がり続けています。

司法書士は、今後もますます重要な役割を担うことになるでしょう。

 

2.司法書士は「仕事がない」と言われるのはなぜ?

それでは、なぜ司法書士は「仕事がない」といわれるのでしょうか?

司法書士が「仕事がない」と言われる理由としては

 ◉ AIによる代替への不安
 ◉ 登記件数の減少
 ◉ 仕事内容の認知度の低さ
 ◉ 一部の司法書士の状況

などが、代表例として挙げられます。

しかし、これらの理由は、本当に司法書士の仕事を脅かすものなのでしょうか?

結論から言うと、上記の理由によって、実際に司法書士の仕事がなくなる可能性は低いです。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

2-1.AIに代替される不安があるから

近年、AIの技術が急速に発展し、様々な分野で活用されるようになりました。

司法書士の業務も例外ではなく、「将来的にAIに仕事を奪われるのではないか」と不安に感じる人は少なくありません。

しかし、司法書士の業務には、単純な事務作業以外にも、高度な専門知識と豊富な経験に基づく判断が求められる場面がいくつもあります。

例えば、複雑な案件への対応や、クライアントのニーズに合わせたきめ細やかなコミュニケーションを、AIが代替することは難しいでしょう。

むしろ、AIを活用して定型的な事務作業を効率化することで、司法書士はより高度な業務に専念できるようになります。

AIと司法書士が共存し、それぞれの強みを活かすことで、より質の高いサービスを提供できる可能性が高いのです。

AIの発展を、司法書士の仕事を奪うものだと考えることは、少し早計な判断だといえるでしょう。

※司法書士の将来性については、こちらの記事も併せてご覧ください。
AI時代の司法書士の将来性と活躍の秘訣について解説

 

2-2. 「登記」の件数が減少しているから

司法書士の主要な業務の1つに、「不動産登記」や「商業登記」があります。

近年、登記の件数が減少傾向にあることから、「司法書士の仕事が減っている」と考える人もいるようです。

しかし、登記件数の減少は、司法書士の仕事の減少を意味するわけではありません。

前述したように、司法書士の業務は登記に限定されるものではなく、幅広い分野に及んでいるからです。むしろ、登記以外の業務が増えることで、司法書士の仕事は多様化しているといえるでしょう。

 

2-3.仕事内容の認知度が低いから

司法書士の仕事内容は、一般の人にはあまり知られていないのが現状です。

例えば「不動産登記」や「商業登記」など、一部の業務はイメージしやすいものの、その他の幅広い業務について、パッと思いつく人はあまりいないでしょう。

そのため、「司法書士は登記の仕事しかない」と思い込んでいる人が少なくありません。

もちろん、実際には、成年後見制度や相続、企業法務など、司法書士が活躍できる分野は多岐に渡っています。

しかし、「登記」以外の認知度が低いことが、「司法書士は仕事がない」というイメージにつながっている可能性は否めません。

 

2-4.仕事がない司法書士もゼロではないから

確かに、仕事に困っている司法書士が存在することは事実です。

司法書士の中には、十分な収入を得られず、経済的に厳しい状況に置かれている人もいるでしょう。特に合格後、未経験から独立したようなケースでは、仕事の獲得に苦戦することもあるようです。

しかし、これは司法書士だからという訳ではありません。弁護士や税理士など、他の士業でも同様の悩みを抱える人はゼロではないからです。

いくら難関資格でも、資格を取得しただけで、すぐに仕事が舞い込んでくるというのは、かなり難しいでしょう。

ただし、「仕事がない司法書士がいる」ことと、「司法書士全体として仕事がない」ことは全く別問題です。

司法書士全体を見渡せば、多くの人が安定して仕事を得ています。

仕事がない司法書士がいるからといって、司法書士という職業の将来性が損なわれるわけではありません。

 

3.「仕事に困らない」司法書士になるための3つの秘訣

司法書士の将来性が明るいことは、前述のとおりです。

「希少性の高さ」や「専門性の高さ」、「社会ニーズの変化」等の様々な要因に支えられているため、司法書士業界全体では、今後も売り手市場の状況が続いていくでしょう。

とはいえ、司法書士として長く活躍していくためには、戦略的なキャリア構築が欠かせません。

そこでここからは、試験合格後に向けて、「仕事に困らない」司法書士になるための3つの秘訣をご紹介します。

 ◉ 専門性を高める
 ◉ ダブルライセンスを取得する
 ◉ 同業者との人脈を構築する

それぞれ見ていきましょう。

 

3-1.専門性を高める

最初に紹介する秘訣は「専門性を高める」ことです。

司法書士の業務は多岐にわたりますが、その中でも専門分野を持つことが重要です。

例えば、相続手続きや成年後見など、特定の分野に精通することで、その分野の仕事を安定的に受注することができるでしょう。

専門性を高めるためには、継続的なスキルアップと、実務経験の積み重ねが必要です。

セミナーや研修会に参加し、最新の知識を吸収するとともに、実際の案件に取り組むことで、専門的なスキルを磨いていきましょう。

 

3-2.ダブルライセンスを取得する

ダブルライセンスを取得して、仕事の幅を広げることもおすすめの方法です。

司法書士の業務と相性の良い資格としては、「行政書士」や「宅建士」などがあります。これらの資格を併せて取得することで、業務の幅を格段に広げることができるでしょう。

例えば、司法書士と行政書士のダブルライセンスを持っていれば、登記手続きだけでなく、飲食業の営業許可申請など、行政機関に対する許認可申請も取り扱えるようになります。

複数の資格を活かすことで、顧客の様々なニーズに対応していけるため、仕事の機会も一段と増えるでしょう。

※司法書士のダブルライセンスやトリプルライセンスについては、こちらもぜひ記事をご覧ください。
司法書士のダブルライセンスは何がいい?おすすめの資格を徹底解説
司法書士・行政書士・宅建のトリプルライセンスが最強!難易度も解説

 

3-3.同業者との人脈を構築する

同業者との人脈を構築することも、忘れてはならない大切なポイントです。

司法書士の仕事は、同業者からの紹介で回ってくるケースも少なくないからです。

普段から同業者とのつながりを大切にし、信頼関係を築いておきましょう。

例えば、司法書士会の勉強会や交流会に積極的に参加することで、同業者とのつながりを深めることができます。

また、自分の得意分野を同業者に伝えておけば、その分野の仕事を紹介してもらえる可能性も高くなるでしょう。

司法書士の中には、特定分野の業務しか取り扱わないという人も多いため、得意分野が異なる者同士で、仕事を紹介し合うことは珍しくありません。

日頃から同業者との人脈を構築し、協力関係を築いておくことも、「仕事に困らない」司法書士になるための重要な秘訣です。

 

4.伊藤塾なら司法書士として活躍するための取り組みも充実

法律家同士の人脈の構築には、受験指導校の同窓会を活用することもおすすめです。

伊藤塾では、「合格後を考える」という信念の下、法律家同士の人脈を構築するための同窓会を設けています。

例えば
 ・司法書士の同窓会「桐桜会」
 ・法曹の同窓会「司桜会」
 ・行政書士の同窓会「秋桜会」

など、ジャンルの異なる法律家ごとに、様々な同窓会が設けられています。

伊藤塾を卒業したという共通の経験を持つ法律家同士が、業種の垣根を越えて繋がることで、情報交換や仕事の紹介に繋がったというケースも少なくありません。

また、他にも、司法書士の就職に向けた事務所説明会の実施など、合格後のキャリア形成を支援するための取り組みも充実しています。

事務所説明会では、各事務所の特色や業務内容を直接聞くことができるため、自分に合った就職先を見つける助けになるでしょう。

伊藤塾では、司法書士試験の合格だけでなく、その後の活躍についてもしっかりとサポートしていきます。

「仕事がない」という不安を抱えることなく、司法書士としてのキャリアを歩んでいきましょう。

伊藤塾の「合格後をイメージする様々な取り組み」

 

5.【Q&A】よくある質問

 

5-1.司法書士の廃業率は?

司法書士の廃業率は、他の職種と比べると、かなり低い水準にあります。

例えば、「2023年版 司法書士白書」を元に算出したデータによると、直近3年間の司法書士の廃業率は、毎年「2%」程度となっています。

【司法書士の直近3年間の廃業率】

 令和元年度令和2年度令和3年度
4月1日時点の会員数22,63222,72422,718
業務廃止による
登録取消者数
515464437
廃業率2.28%2.04%1.92%

参考:司法書士白書 2023年版

司法書士の仕事は、不動産登記や商業登記など、社会生活に欠かせない業務が多くを占めています。そのため、景気の変動に左右されにくく、常に安定した需要が見込めるため、廃業率も低くなっているのです。

廃業率の低さは、「司法書士の仕事がない」とは決して言えないことを示しています。

 

5-2.司法書士の平均年収は?

厚生労働省が公表しているデータによると、司法書士の平均年収は「971万4,000円」となっています。(参考:厚生労働省 職業情報提供サイト

ただし、これはあくまで平均値であり、個人差が大きいのが実情です。

例えば、事務所を経営している司法書士の中には、年収1,000万円以上の高収入を得ている方も多数存在します。

しかし一方で、経験の浅い司法書士や、会社員として勤務している司法書士の場合、平均よりも低い年収にとどまることもあります。

試験合格後も、スキルアップを怠らず、司法書士としてのキャリアを積んでいけば、高水準の年収を得ることができる可能性は、十分にあるでしょう。

 

6.まとめ

この記事では、

◉ 司法書士が「仕事がない」とならない3つの理由
◉ 将来性が高いにも関わらず、なぜ司法書士は「仕事がない」と言われるのか
◉「仕事がない」司法書士にならないための3つの秘訣

についてお伝えしました。

色々な情報に惑わされることもあるかもしれませんが、司法書士は決して「仕事がない」という状況にはありません。

むしろ、司法書士に対する需要は年々増加しており、将来性に溢れた魅力的な職業です。

試験の勉強は大変ですが、諦めずに勉強を続けていけば、きっと明るい未来が待ち受けていることでしょう。

司法書士になりたいという強い想いがある方は、ぜひ法律専門受験指導校である伊藤塾をご活用ください。伊藤塾の司法書士試験対策講座は、合格者の約60%*が利用しているという確かな実績を持っています。

*2023年度の実績。司法書士試験最終合格者695名のうち、伊藤塾司法書士試験有料講座を利用した合格者は419名。合格者の主な受講講座は入門講座94名、中上級講座239名、公開模試391名(重複受講者含む)。

さらに「合格後を考える」という理念のもと、「事務所説明会」などのイベントも開催しており、法律実務家として活躍できるまでのサポート体制も整っています。

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伊藤塾司法書士試験科

著者:伊藤塾 司法書士試験科

伊藤塾司法書士試験科は1995年の開塾以来、多数の法律家を輩出し、現在も業界トップの司法書士試験合格率を出し続けています。当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、司法書士試験に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。

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