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司法書士は就職できない?40代や未経験は?就職先を探す5つの方法

2024年08月07日

 
入門講座


 

「司法書士は就職できないって本当?」
「合格しても就職に役立つか不安…」
「40代から司法書士は厳しいんじゃない?」

こんな悩みをよく聞きます。

それもそのはず。

世間では、「士業は食えなくなった」なんて話を聞くことも多い上、なんと、司法書士試験の合格者の平均年齢は「41才」。

既に、司法書士としてのキャリアを積んでいる先輩たちも、同じような不安を抱えながら勉強を行なっていたのが実情でしょう。

そこでこの記事では、司法書士試験合格者の約60%が利用している伊藤塾が、豊富な合格者の経験談をもとに、
 ◉ 司法書士資格が今でも就職に有利な理由
 ◉ 司法書士の代表的な就職先
 ◉ 自分にあった司法書士事務所の見つけ方

について解説します。

この記事を読めば、司法書士の就職に関する不安が解消され、試験勉強のモチベーションも一段と高まることでしょう。

是非、ご一読ください。

【目次】
1.司法書士は就職に有利!その理由は?
2.司法書士の代表的な就職先4選
 2-1.司法書士事務所・司法書士法人
 2-2.一般企業の法務部
 2-3.不動産会社
 2-4.法律事務所や合同事務所
3.自分にあった司法書士事務所を探すには?
 3-1.司法書士事務所の求人を探すための5つの方法
  3-1-1.司法書士会の求人を探す
  3-1-2.転職エージェントを利用する
  3-1-3.ハローワークを利用する
  3-1-4.知人に紹介してもらう
  3-1-5.司法書士事務所のHPから問い合わせをする
 3-2.選び方のポイント
 3-3.受験指導校の事務所説明会もおすすめ
4.未経験・40代・50代からのセカンドキャリアとして人気
5.【Q&A】司法書士の就職についてのよくある質問
 5-1.就職活動はいつから始めるのがおすすめ?
 5-2.司法書士事務所に就職した場合の平均年収は?
6.まとめ

 

1.司法書士は就職に有利!その理由は?

司法書士の資格を取得すると、就職で有利になることは間違いありません。

「士業は食えなくなった」なんて話を聞いたことがある人も多いかもしれませんが、過剰に心配する必要はないでしょう。

確かに、資格を取っただけで満足してしまい、その後の努力を怠ると、司法書士資格を活用できなくなるかもしれません。

しかし、司法書士の仕事は、不動産登記や商業登記、相続、成年後見など、私たちの生活に密接に関わっており、社会に必要不可欠なものです。

常に一定の求人数がある一方で、試験の合格者数は他の試験と比較しても格段に少ないため、売り手市場の状況が続いています。

因みに、司法書士試験の合格者数は、例年わずか「600人」程度。

有資格者の数が少ない一方で、司法書士の需要は高いため、「試験に合格しても職がない」といった事態になることはまずないでしょう。

※働き方はいろいろ!司法書士試験合格後のリアルな進路状況についてご紹介します。
司法書士試験合格後2~3年のみなさんに現在のお仕事を聞きました!

 

2.司法書士の代表的な就職先4選

司法書士は「独立開業」のイメージが強い資格です。

しかし、就職して会社員として「安定的」に働くという選択をする人も少なくありません。

「独立開業」した場合に比べると、年収は下がる傾向にあるものの、毎月の収入が保証されているという安心感は、勤務司法書士ならではの魅力でしょう。

なお、「独立開業」する場合も、実務経験を積むために、まずは司法書士事務所等に勤務することが一般的です。

ここでは、司法書士の代表的な就職先について、4つ紹介します。

 ◉ 司法書士事務所
 ◉ 一般企業の法務部
 ◉ 不動産会社
 ◉ 法律事務所や合同事務所

それぞれ見ていきましょう。

 

2-1.司法書士事務所・司法書士法人

司法書士にとって、最も一般的な就職先が「司法書士事務所・司法書士法人」です。

司法書士事務所などでは、不動産登記や商業登記、遺産相続、債務整理など、司法書士の専門性を活かした業務に携わることができます。

事務所の方針によって、幅広い業務を経験できる場合もあれば、特定の分野に特化した経験を積んでいく場合もあります。

司法書士事務所などに就職することで、司法書士としてのスキルを磨き、キャリアアップを目指すことができるでしょう。

 

2-2.一般企業の法務部

一般企業の法務部も、司法書士に人気の就職先です。

法務部では、契約書の作成や審査、企業法務に関する相談対応など、企業活動に関連する法的な業務を担当します。

司法書士の法律知識を活かしながら、企業の経営をサポートする役割を果たすことができるでしょう。

法律の専門家として、司法書士事務所とは一味違う業務に携われるのが、法務部の魅力です。

特に、大手企業の法務部に就職すれば、法律家としてのやりがいはもちろん、安定した収入や福利厚生を得られる可能性も高くなるでしょう。

 

2-3.不動産会社

不動産会社も、司法書士の専門性を活かせる就職先です。

不動産会社では、不動産売買や賃貸借に関する契約書の作成、不動産登記の手続きなど、司法書士の専門知識を活かした業務を担当します。

業務内容や働き方は、不動産会社によって異なるものの、一般的な企業と比べて待遇が良いケースも少なくありません。

特に、宅地建物取引士等とのダブルライセンスを取得している場合は、不動産取引の専門家として、更に重宝される存在となります。

司法書士と宅地建物取引士の知識を併せ持つことで、不動産取引を円滑に進められるだけでなく、顧客に対して、より専門的で的確なアドバイスを提供することができるでしょう。

※司法書士のダブルライセンスについては、次の記事で詳しく解説しています。
司法書士のダブルライセンスは何がいい?おすすめの資格を徹底解説

 

2-4.法律事務所や合同事務所

司法書士事務所以外にも、法律事務所の司法書士部門や、合同事務所に就職する場合もあります。

・法律事務所:弁護士が法律業務を行う事務所のこと

・合同事務所:司法書士、税理士、行政書士、社労士等の複数の専門家が在籍する事務所のこと


これらの事務所では、弁護士、税理士、社労士など様々な専門家と連携して業務を進めていくため、クライアントの多様なニーズに応えることができます。

他士業の仕事にも日常的に触れることができるため、司法書士としてのスキルアップにも繋がるでしょう。

また、法律事務所や合同事務所で得られた人脈が、独立開業後に役立つケースも少なくありません。クライアントの多様なニーズに応えるためには、他士業との連携が必要不可欠だからです。

 

3.自分にあった司法書士事務所を探すには?

司法書士試験の受験生が、合格後に歩む道として、最もオーソドックスなのは「司法書士事務所」への就職です。

とはいえ、司法書士事務所だけでも、かなりの数があります。

自分に合った事務所をどうやって見つければ良いのか悩む方も多いでしょう。

そこで、ここからは司法書士事務所に絞って、自分に合った就職先を探すための方法を、解説していきます。

 

3-1.司法書士事務所の求人を探すための5つの方法

司法書士事務所の求人を探す方法には、大きく次の5つが挙げられます。

司法書士事務所の求人を探すための代表的な方法

・司法書士会の求人を探す

・転職エージェントを利用する

・ハローワークを利用する

・知人に紹介してもらう

・司法書士事務所のHPから直接問い合わせをする


それぞれ見ていきましょう。

 

3-1-1.司法書士会の求人を探す

司法書士会では、司法書士・司法書士補助者の求人情報を提供しています。

各地域の司法書士会のホームページにアクセスすると、簡単に求人情報を確認できます。その地域の求人しか掲載されていないため、エリアを絞って就職先を探したい人にとっては、有力な選択肢になるでしょう。

なお、司法書士会の求人情報は、会員以外でも確認することができます。

勉強のモチベーションを上げるために、勉強の傍らで、求人情報をチェックしてみるのも良いかもしれません。

実際の求人内容や、求められる人物像を知ることで、学習意欲を高めることができるでしょう。

 

3-1-2.転職エージェントを利用する

転職エージェントを利用するのも有効な方法です。

最近は、司法書士をはじめとした「士業」に特化した転職エージェントも増えています。

希望する条件を伝えると、それに見合った求人を紹介してくれるため、自分に合った就職先を見つけやすくなるでしょう。

求人情報の提供だけでなく、応募書類の添削や面接対策など、就職活動全般をサポートしてくれるのも大きなメリットです。

 

3-1-3.ハローワークを利用する

ハローワークでも、司法書士事務所の求人情報を見つけることができます。

とりわけて求人数が多いわけではありませんが、地域密着型の求人情報が多いのが特徴です。

無料で利用できるため、探してみる価値はあるでしょう。

 

3-1-4.知人に紹介してもらう

自分にあった司法書士事務所を探すには、知人に紹介してもらうのも効果的です。

実際に話を聞くことで、事務所の業務内容や雰囲気、働き方などを具体的にイメージすることができます。

自分との相性を判断しやすいため、ミスマッチを防げる可能性も高くなります。

 

3-1-5.司法書士事務所のHPから問い合わせをする

司法書士事務所のホームページから、直接問い合わせるのも一つの方法です。

例えば、「目標とする司法書士がいる」「どうしても働きたい事務所がある」などの場合は、直接連絡を取ってみることで、新たな可能性が開けるかもしれません。

また、事務所によっては、自社のHPのみに採用情報を掲載している場合もあります。

事務所のHPを見ることで、扱っている業務や事務所の規模感、スタッフの雰囲気など、自分に合った事務所を探すための手がかりも掴むことができるでしょう。

 

3-2.選び方のポイント

司法書士事務所を選ぶ上で、最も重要なポイントは、実際に事務所を訪問し、現場の雰囲気や人となりを感じ取ることです。

求人票には、給与や業務内容などの概要しか記載されていないため、面接に行って初めて実情が分かることも多いです。

例えば、求人票には「不動産業務について幅広く扱っている」と記載されていても、実際はほぼ決済業務しか行っていないケースもあります。

事務所見学を行ったり、実際にスタッフと話してみたりすることで、予期せぬミスマッチを防ぐことができるでしょう。

また、事務所の人間関係も重要なポイントです。

司法書士事務所は比較的小規模なことが多く、人間関係が合わないと、大きなストレスになるからです。気になる事務所には積極的に足を運び、実情を自分の目で確認してみましょう。

 

3-3.受験指導校の事務所説明会もおすすめ

司法書士事務所を選ぶ際は、受験指導校が開催する事務所説明会を活用することもおすすめです。

伊藤塾では、「合格後を考える」という理念の下に、合同の「事務所説明会」を開催しています。この説明会の特長は、採用が主目的ではないため、より率直な情報交換ができる点です。

事務所の代表が、事務所の理念や方針について直接語ることもあり、求人票だけでは分からない事務所の雰囲気を、肌で感じることができます。

報酬やワークライフバランスなど、就職活動では聞きづらい内容について、オープンに質問ができるのも魅力の1つです。

学習状況に関係なく、誰でも参加することができます。実際に働くイメージを膨らませることで、勉強のモチベーションを一層高めることができるでしょう。

合格後をイメージするための、伊藤塾の様々取り組みはこちら

 

4.未経験・40代・50代からのセカンドキャリアとして人気

近年、40代・50代からセカンドキャリア(第二の職業)として、司法書士を選ばれる方が増えています。

先述の通り、司法書士は年齢に関係なく、就職や独立が可能な職業です。

実際に、未経験・40代・50代で司法書士に合格され、充実したセカンドキャリアを築いていらっしゃる方々をご紹介します。

セカンドキャリアとして“司法書士”を選択した人たち

未経験からでも、年齢を重ねてからでも、司法書士の仕事にチャレンジする道は開かれています。

 

5.【Q&A】司法書士の就職についてのよくある質問

 

5-1.就職活動はいつから始めるのがおすすめ?

司法書士の就職活動を始めるタイミングは、人によって異なります。

新人研修後すぐに就活を開始する人もいれば、特別研修後に開始する人もいるでしょう。どのタイミングで就活を始めても問題はありません。

例えば、新人研修後、特別研修前に就活をして内定を獲得し、入所時期を認定考査終了後に設定した方もいます。実務経験を早く積みたいという思いから、年内に就職する人もいるでしょう。一般的には、新人研修終了後の2月に就職するパターンが多いようですが、必ずしもそれが絶対ではありません。

大切なのは、自分のペースで就職活動を進めることです。

焦りすぎず、自分に合ったタイミングで活動を開始しましょう。

※認定司法書士や特別研修については、こちらの記事も併せてご覧ください。
認定司法書士とは?司法書士との違いや特別研修・認定考査についても解説

 

5-2.司法書士事務所に就職した場合の平均年収は?

日本司法書士会連合会によれば、勤務司法書士の年収は以下のような分布となっています。


参考:日本司法書士会連合会「第2回司法書士全国調査」

一番回答数が多かったのが、「300万円~400万円」で全体の21.0%、次いで「400万円〜500万円」で18.3%、「500万〜600万円」が15.1%となっています。

ただし、調査を実施した日本司法書士会連合会によれば、このデータには、年金所得がある司法書士の回答が多く含まれている可能性があるとのこと。

そのため、「300万〜600万円」程度がボリュームゾーンにも見える一方で、実態はデータより高水準となる可能性も高いといえるでしょう。

 

6.まとめ

​​この記事では、
 ◉ 司法書士が就職に有利な理由
 ◉ 司法書士の代表的な就職先
 ◉ 自分にあった就職先の見つけ方

についてお伝えしました。

司法書士は、未経験からでも、年齢を重ねてからでもチャレンジする価値のある資格です。

実際、伊藤塾の卒業生にも、40代や50代から司法書士試験に挑戦し、司法書士としてのキャリアをスタートさせた方はたくさんいらっしゃいます。

司法書士になりたいという強い想いがある方は、ぜひ法律専門指導校である伊藤塾をご活用ください。

伊藤塾の司法書士試験対策講座は、合格者の半数近くが利用しているという確かな実績を持っています。

さらに「合格後を考える」という理念のもと、「事務所説明会」などのイベントも開催しており、法律実務家として活躍できるまでのサポートの仕組みも整っています。

合格後をイメージする様々な取り組み

 

司法書士の仕事に興味を持たれた方は、ぜひ一歩を踏み出してみてください。

伊藤塾が、皆さんの挑戦を全力でサポートいたします。

 

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伊藤塾司法書士試験科

著者:伊藤塾 司法書士試験科

伊藤塾司法書士試験科は1995年の開塾以来、多数の法律家を輩出し、現在も業界トップの司法書士試験合格率を出し続けています。当コラムでは、学生・社会人問わず、法律を学びたいと考えるすべての人のために、司法書士試験に関する情報を詳しくわかりやすくお伝えしています。

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