真の法律家・行政官を育成する「伊藤塾」
  {} カート

官庁訪問を通じて新司法試験からの転進を決めました。

内閣府

伊藤 建さん(24歳)
 

合格者イラスト
慶應義塾大学法科大学院(既修)修了
●最終合格:国家公務員Ⅰ種試験 法律職
●内定:内閣府
●予定進路先:内閣府
●受講形態:通学ライブ
●受講講座:〔司法試験対策講座〕 司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング
〔オプション〕 司法試験全国公開模試

※プロフィールは、2011年合格時点のものです。

はじめに

私は、法科大学院を修了した年に、国家Ⅰ種試験と新司法試験の両方を受験しました。国家Ⅰ種試験は、新司法試験のための基本的知識の再確認という趣旨で出願しましたが、官庁訪問を通じて転進を決意しました。
私は多くの一般市民がもっと容易に法律サービスを利用できるようにしたいと思って弁護士を志し、諸外国の消費者保護制度を学ぶために海外ロースクール留学を考えていました。
しかし、留学支援のある企業法務を行っている法律事務所は私の理想と異なり、また、一般民事の法律事務所では留学が何年先になるか不透明です。このため、消費者行政に関わることができ、海外留学支援のあるキャリア官僚の道は、私の理想の職業であると考えるようになりました。

私がとった勉強方法

私は、「(1)専門科目択一、(2)専門科目記述で攻勢をかけ、(3)教養科目択一、(4)教養科目論述は最低ラインを維持する」、という戦略で試験に臨みました。

専門科目試験(択一式)対策について

法科大学院入試時代に使用した条文判例マスター、情報シートが非常に役に立ちます。私は、情報シートの重要な部分を判例六法に貼り付けていました。経済学の問題は、基礎的な部分を勉強するだけで十分でしょう。

専門科目試験(記述式)について

法科大学院修了生にとっては解けなければならないものです。盤石な基礎力を問われるため、論証パターン集で知識の確認をしました。ただし、憲法、民法の重要条文は番号を覚えておく必要があります(六法参照不可。行政法のみ、問題文に参照条文が添付。)。

国家Ⅰ種総合試験科目(択一式)対策について

法科大学院 の適性試験での勉強の成果を活かすことができます。
適性試験の貯金があれば、文章理解、数的処理、英語読解で点を稼ぐことができるので、一切対策しなくても合格できると思います。自然科学、社会科学、時事問題は潔く捨てました。

教養科目試験(記述式)について

法科大学院 入試の小論文での勉強の成果を活かすことができます。 
試験では、「現代社会の問題点」と「それに対する国家の役割」を論じることが要求されました。私は、教養がないことに定評がありましたが、新聞を購読していたため、何とか対応することができました。

面接対策・集団討論について

面接対策も法科大学院入試の面接対策と同様ですから、法科大学院 入試時に坂本講師の講義を受講していれば十分でしょう。 
以上のように、国家Ⅰ種試験は、法科大学院での勉強と大部分が重なるため、合格することはさほど困難ではありません。

官庁訪問について

しかし、法科大学院修了生は、官庁訪問が大きな障害となります。「なぜ弁護士ではなく行政官なのか」ということを徹底的に問い詰められるため、答えをキチンと用意する必要があります。また、合格者のメインは「学部」の「新卒」です。このため、学部や法科大学院で何を学んだか、それをいかに活かすことがで きるか、強くアピールする必要がありました。
私は、伊藤塾の「合格後を考える」という理念に賛同し、「明日の法律家講座」、「沖縄スタディーツアー 2006年」、「法学館憲法研究所」の研究会などに積極的に参加しました 。そこで得たことは、かけがえのない経験として私の 志望理由の礎となっています。

直前期と試験当日

直前期は、国家Ⅰ種試験の1次試験が新司法試験の直前であったため、法律の勉強のみをしていました。2次試験は、前日に重要な論証をチェックしたのみです。人事院面接も、ありのままが大切であると思い、特に準備はしませんでした。
試験当日は、とにかく緊張しないことが肝要です。過度の準備で寝不足になってしまっては本末転倒です。お手洗いの時間の管理だけに気を使い、生活リズムを崩さないようにすることで足ります。

合格、内定と進路決定

官庁を選ぶ際は、明確なビジョンを持つべきです。私の場合、法による弱者保護というビジョンで、金融市場を監視・監督する金融庁、市場全般の公正の番人である公正取引委員会、消費者庁を所轄する内閣府を選びました。
官庁訪問の途中で、3つを2つに、2つを1つに絞らなければなりません。そこで羅針盤となったのは、自分の将来のビジョン、その組織の人とのマッチングでした。

モチベーションの維持について

モチベーション維持には、気分転換が最適です。私は、受験の前年の11月にサイパンへ5日間、受験する年の3月に韓国へ5日間旅行しました。毎日勉強していると、無益な時間が必ずあるはずです。「旅行をするために普段は無益な時間を過ごさない」という目的意識を持つことで、効率的に勉強と気分転換を両立させることが可能になります。

最後に

自分の将来をどうするかは、固定観念にとらわれず、過去の自分との対話により決定するものです。青臭いかもしれませんが、「夢」を持つことが一番大切です。官庁訪問でお会いしたキャリア官僚の方々は、明確な「夢」を持っていました。
末筆ながら、今まで支えてくれた家族、恋人、幼馴染、伊藤塾の講師の方々、夢を追うことの勇気をくれた音楽・芸術分野の友人などに、心からお礼申し上げます。本当にありがとうございました。