官庁訪問では、熱意というか自身のもっている価値観がどのようなものか問われる機会が多かったように思います。
Y・K さん
●最終合格: 国家総合職
●内定:国税庁
●予定進路先:国税庁
● 受講講座 :〔司法試験講座〕 法科大学院・新司法試験コース本科生
はじめに
私は大学2年次から伊藤塾で司法試験本科生として講座を受講し、 法科大学院にも進学したという経緯があります。本格的に国家総合職の対策へとシフトしたのが2011年の12月以降ですが、そういった人も十分対応できる講座・試験でした。
伊藤塾に入塾したきっかけは、大学で開かれていた講座説明会に参加したことです。また、テキストもしっかりした内容であることをすでに講座を受講していた大学の先輩に伺い、その点でも信頼感を持ちました。
私がとった勉強方法
専門試験(多肢選択式)について
前述の通り司法試験コースの講義・教材を用いた対策となったのですが、多肢選択式試験に関しては基礎マスターテキストや情報シートといった教材が質・量ともに出題範囲を網羅していました。特にテキストの中で重要判例が数多く学べる教材でしたので、他の市販教材に手を出すことなく勉強に取り組むことが可能でした。
司法試験コースから転進すると、対策をはじめた段階ですでに比較的知識量は確保されているものだと思いますが、基礎能力試験の準備の中で記憶が薄れてしまう可能性もあります。私は定期的に過去問演習と基礎マスターテキストでの確認を行い、穴ができないように努めました。
専門試験(記述式)について
私が論文の書き方を身につけたのは伊藤塾で学んで2年目に受講した論文マスターという講座によってでした。講義内で各5問程度の答案を検討するのですが、特に苦手意識のあった民法に関しては答案構成と論点の暗記に事前に取り組んでから受講しました。
国家総合職の論文問題も対策としては同講座で対応しており、そのまま本番に臨むことができました。ただ、法科大学院受験や司法試験の類と違って、 憲法に関しては統治からも出題が多いので、 その点は薄くなった記憶を呼び戻す必要があります。基本は問題研究という論文テキストを繰り返しながらの学習でした。
基礎能力試験(多肢選択式)について
数的処理や判断推理は法科大学院受験に必要だった適性試験対策でほぼ同じ内容を学習していました。その時のテキストが残っていたので、過去問研究が済んだ後はそういったテキストの復習も行いました。
政策論文試験(記述式)について
これについては一般的な対策はなしに、過去問を直前期に10年分ほど検討しました。法律の論文対策で学んだ文章作成の方法論を基本に、問題提起や解決・具体化といったプロセスが役立つと思います。
面接対策について
特にしていません。民間就職活動の経験が役に立ったくらいです。
官庁訪問について
社会問題に取り組むことを求められる職場ですので、熱意というか自身のもっている価値観がどのようなものか問われる機会が多かったように思います。その意味で、官庁の主催する説明会などで、求められる人材像などを把握しておくことは有意義だと思います。
また、私は白書などで政策の概略を事前に調べておきました。知識をひけらかすことは悪印象ですが、話題をもっていることは良いことだと思います。基本的には、目の前の面接官の方がどのような人か考えて、お話しをするのが一番です。
受講形態と伊藤塾の学習個別フォロー
通学ライブクラスで受講し、当初は通学していましたが、途中から自宅でインターネットによる配信を活用するようになりました。午前5~7時で3講義を受講し、その後は大学へ行ったり東京校の自習室で勉強したりという取り組み方でした。家での勉強は誘惑が多いので、早朝のうちに講義を見てから出かける形なら、 集中を保てました。 これは公務員試験の講座を取られている方々にも通じる方法だと思います。
また、個別フォローは学習相談ですが、人と話す息抜きにもなるので、定期的に活用しました。
直前期と試験当日
まず、一次試験の直前期は、「あと5点底上げする」ということを意識して勉強していました。数的処理・判断推理を定期的に繰り返すことや、社会科学・人文科学など知識の薄い部分を集中的に学習することで、それを実現しようとしました。二次試験の直前は知識確認と過去問を10年分ほど検討しました。
当日はしっかり睡眠を確保したうえで取り組むほかにないと思います。ただ、一日くらいの寝不足は集中力でカバーできるものだそうです。
モチベーションの維持について
「健全な精神は健全な肉体に宿る」とはよくいうもので、定期的な運動に取り組めないと勉強への集中力が下がった記憶があります。 直前期は例外ですが週に1・2回の運動は必要なものであると感じます。
私の反省点ですが、独りで勉強するのではなく友人と自主ゼミや進捗状況の報告などができる環境にいると、学習が捗るとも思います。
最後に
国の財政赤字が深刻化している状況で、その解決の一端を担える職場で働くことになりました。その意味で、社会的な意義の大きさを肝に銘じて真剣に取り組みたいと考えています。一社会人としては、関わりを持つ様々な人たちから学び続ける姿勢を持っていきたいです。
つらい思いをしたり、その過程で失敗したりすることは、実は自分が目標に向かって努力していることの裏返しだと、昔ある人に言われました。大変で単調かもしれない受験生活も、そういった思いをもって取り組むといいのかなと思います。これから受験される皆さん、ぜひ前向きな気持ちで取り組んで、良い結果を出されることを望んでいます。