インターネットの2倍速視聴で、空いた時間を自分のやりたいことに費やせたことが、最終的には官庁訪問の場で活かせたと思います。
菅野喜之 さん(22歳)
●最終合格: 国家総合職
●内定:厚生労働省
●予定進路先:厚生労働省
● 受講講座 :〔入門講座〕 国家総合職(法律区分)プラス国家一般職・地方上級本科生+リーガルトレーニング
私がとった勉強方法
専門試験(多肢選択式)について
総合職試験に変わって科目選択の幅が広がり、科目を絞れば経済学を捨てることも可能になりました。私自身の経験から言うと、試験本番では、科目ごとの難易度にかなり差があり、科目にこだわらず簡単な問題から選択していくというスタンスで受けて上手くいったので、捨て科目はつくらない方が良いと思います。
各科目の勉強法は講義を聴き、「これ完」を繰り返し解くだけで十分です。憲法・民法・行政法に関しては、間違いの選択肢を自力で正しい選択肢になおせるかを目安にして勉強しました。経済科目に関しては、青野講師が試験に出やすいところを指摘してくださるので、その部分だけを行えば十分合格ラインに届くと思います。
専門試験(記述式)について
択一式と同様に過去問演習を繰り返しました。具体的には、講義での指導を参考に後日解きなおし、解答と見比べる、解答の使える言い回しを論証カードにして覚えるといったことを行いました。この作業をすることで、問題文から必要な情報をどう抜き出すか、覚えた論証を解答にどう再現するかといった感覚を養うことができました。
また、論証カードを作る際に、講義レジュメが非常に役立ちました。国家総合職試験で問われる論点がコンパクトな形で載っており、これを覚えるだけで記述式に必要な知識が身につきました。
基礎能力試験(多肢選択式)について
問題数の多い数的処理をどう攻略するかが合否を分けると思います。私は過去問演習しか行いませんでしたが、その際、自分がなぜ間違えたかをメモすることにより、自分なりの解き方を確立でき、本番でも一番の得点源になりました。
政策論文試験(記述式)について
専門記述対策に集中したため、政策論文対策はほぼしませんでした。ただ、日々のニュースに関心をもち、また、各省の説明会に参加して、政策について自分なりの意見を言えるようにしておいたのが政策論文試験対策になっていたと思います。
面接対策について
「面接対策BOOK」に載っている質問集に対する想定問答を作成しました。その後、伊藤塾の模擬面接を受講しました。伊藤塾の模擬面接は、本番以上に厳しく、一度受けることで本番の面接が簡単に思えたので、ぜひ一度受けてください。
官庁訪問について
官庁訪問対策としては、各省の説明会に積極的に参加することが効果的だと思います。官庁訪問の面接は、《対話》という側面が強く、職員の話を聴き、それについて思ったことを述べるといった機会が多いのですが、この際に求められるスキルは説明会で講演を聴き、それについて質問するといったプロセスの中で身につけられるスキルと同じではないでしょうか。
受講形態と伊藤塾の学習個別フォロー
受験期も勉強だけでなく、サークルやボランティア活動に参加したいと考えていたので、自分の好きな時間に講義を受けられるインターネットクラスを受講しました。実際に受講してみた感想として、インターネット講義は(1)2倍速で再生できる(2)繰り返し視聴できるという点が非常に優れていると感じました。このメリットのおかげで、時間が限られている試験直前期においても効率よく講義を復習することができ、基礎知識の最終確認に役立ちました。
直前期と試験当日
2月の後半から勉強に本腰を入れ、試験当日まで毎日10時間程度勉強していました。その際、各科目をバランス良く勉強するために一ヶ月スパンで勉強計画を立てました。試験当日は、集中力を切らさないよう、こまめに水分補給やトイレ休憩をとり、リラックスできるよう、サンダルを履いて試験を受けたりしました。
また、後日談ですが伊藤塾の直前対策講義で講師が指摘していた最新重要判例が、本番では多く出題され助かりました。
合格、内定と進路決定
国家公務員総合職試験に最終合格し、厚生労働省から内定をいただきました。厚生労働省に決めた要因は、一緒に働きたいと思えた職員の方がたくさんおられた点だと思います。自分の興味と業務内容が合致することも当然大事ですが、官庁訪問で感じた、その職場の雰囲気も考慮することも必要だと思います。
モチベーションの維持について
モチベーションの維持については、やはり同じ公務員志望の友だちと切磋琢磨することが重要だとおもいます。私はインターネットクラスだったので、伊藤塾内ではなく大学でそのような場をつくっていましたが、伊藤塾にも法律職ゼミでそういう場が提供されているのでぜひ活用してみてください。
最後に
ここまで、アドバイスを述べてきましたが私自身受験当時、成績も思うように伸びず、自分は行政官にふさわしい人材なのか不安でいっぱいでした(今でも多少不安ですが)。しかし、そんな自分を認めたうえで必死に勉強したからこそ結果がついてきたのだと思います。
私見ではありますが、行政官の仕事のやりがいとは制度を変えることで常識を変え、ひいては個人の価値観をも変えることができることにあると思います。ですので、日本をもっとよりよい国にしたいと思っている方は、ぜひ情熱あふれる行政官を目指してください!