法学部以外の出身でも心配無用、伊藤塾入門講座からの受講で合格

新宮 信之さん (27歳)
 

日本大学文理学部卒業 受験回数:6回 【受講講座】
〔入門講座〕司法書士入門講座本科生

※プロフィールは、2010年合格時点のものです。

私はこうして司法書士を目指す決意をしました

私は大学生のときに少しだけ公務員になるための勉強をしました。公務員の勉強内容は実に多彩で、その中には民法や憲法などの法律科目もありました。そして、勉強して1ヶ月程経ったときに民法に初めて触れました。そこで、民法に興味を持ち、もっと法律の勉強をしたいと思うようになりました。その過程で司法書士という資格があることを知り、やるのだったら司法書士を目指そうと思いました。
そして、インターネットで早速受験指導校を探しました。とにかくお金がありませんでしたから、安いところを探していました。最初行った受験指導校はDVDブースで講義を試し受講できるということで受講しました。その講師は、その受験指導校では有名講師だったようですが、開始30分で聞くに堪えず、別を探すことにしました。そこで、家から近くの 伊藤塾に行き、説明を受け、無料 DVD を貰い試しに見てみました、ゆっくりとした口調で、確かに分かり易いと思いました。受講代金は自分だけではまかないきれず、家族に相談し一部出してもらうことができ、伊藤塾の門を叩く事ができました。

当初私は入門講座がスタートしてから4ヶ月程度遅れて受講を開始したため、ネットで今までの講義を消化してライブ講義に追いつく必要がりスケジュール消化が大変でした。もっとも、民法が理解できないと不登法は理解できませんが、民法が理解できなくても、会社法は理解できます。なので、科目が代わった所ではライブ受講生と何ら変わることなく受講できました。

わたしがとった学習方法

(1)勉強開始時期について
大学では心理学科に在籍していたため、もちろん憲法は知らないし、どういう法律があるのかも知りませんでした。しかし、先輩方の合格体験記を読んで、法学部か否かは関係がないと分かっていましたし、 実際自分が法学部の学生だったら良かったな、なんて思ったこともありませんでした
入門段階では、講義は必ず出席し、復習はその日か、翌日にはするようにしていました。復習といっても講義中に書いた、自分の汚い字を清書し、その際にテキストを軽く読み直す程度でした。時間にしても1時間とか2時間くらいだったと思います。その代わり、過去問はできる問題だけ少しずつ解いていました。この過程で分からないことは結構あります。読んで理解できないところは、講義前後にライブフォローしている合格者の方に毎回質問していました。夜コマの講義の場合には、夜11時近くまで、丁寧に教えてくださいました。ちょっと申し訳ないと思いましたが、有難かったです。とにかく入門段階では講義についていき、復習するというだけで手一杯でした。大学の試験と重なることもあり大変でしたが、 何とか最終講義まで一度も休むことなく出席できました。

(2)入門段階での「択一式対策」について

入門段階において、択一式対策として私が採った勉強法は、ありきたりなもので、講義の進度に合わせてもらう復習問題と過去問しかやりませんでした。私はアウトプットしながらインプットを行うのが自分に合っていましたので、インプットは講義を受けるだけで、改めて覚えようとテキストを読み込んだことはあまりありません。問題として問われない箇所はいくら覚えても意味がないので、時間のない人は講義後いきなり問題を解いていってもいいと思います。

問題を解くに際して、必ず解いた日付やできなかった問題・肢に印を付けていました。日付は、次回解いた時に何日程度間が空いてしまったかを把握するためです。印は、できた問題・肢とそうでないものを区別するためです。もし、印を付けなければできる問題、できない問題を同じように解いてしまい、メリハリが付かず非常に効率が悪くなってしまいます。それを避けるために、問題のみならず、肢レベルにおいても正誤の印は付けておきました。また、間違えた箇所は条文を引く、テキストに帰るという誰もがやっていることをしていました。とにかく、数多くこなすことを意識し、分からない問題があっても、どんどん前に進んでいきました。これも古くから誰もが言っていることを真似しただけのことです。

(3)入門段階の「記述式対策」について

入門段階において記述式をどう勉強すればいいのか、まったく分かっていなかったと今では思います。テキストに記載されている雛形をかたぱっしから暗記するというとんでもない事をしていました。当然すべては暗記できず、複雑な事実関係を把握することもできず、行き当たりばったり何となく雛形を思い出しながら、書いていくという事をしていました。もちろん、模試でも不登法と商登法合わせて10点いかない事も稀ではありませんでした。あとで述べますが、山村講師の「できる!記述式」を受講するまでは、記述の本当の勉強はしていなかったことになります。

(4)試験当日について
いつも聞いている環境音楽を聴きながら、試験会場に向かいました。試験会場には、伊藤塾長をはじめ多くの講師がおられましたが、集中するため素通りしました。自分の席に座り早めにトイレに行きました。人数に対して、トイレの数が明らかに不足しているので、いったん外に出て、近くのコンビニを利用したほうが良かったかなと思います。
私はいつも試験会場が寒いといけないので、厚手の上着を模試に持っていっていました。結局着ることはなかったのですが、本試験では違いました。冷房が効きすぎて寒すぎるのです、女性は皆上着をはおり足も冷えないように対策を施していました。もちろん、受験生からはあまりに寒いからクーラーを止めてくれと要望がありましたが、ほんの少しだけ温度を上げるだけでした。結局、試験中幾度と無く寒いと色々な人が申し入れをしても、聞き入れてもらえず、会場は寒いままで、寒い人は上着を着るように指示があっただけでした。このように試験監督者は試験監督に慣れていません。どんな状況にも対処できるように準備はしておいたほうが良いでしょう。
午前の部は、個数問題がここ数年ゼロか1問程度でしたので、当然今年もそんなものだろうという心積もりで、試験に臨みました。ところが個数問題が4問と多く、焦りました。しかし、憲法意外は正解できました。個数問題が出題されるのは、簡単すぎるから個数問題としたか、絶対に正解させないために個数問題にしたかのどちらかです。今年は、すべて前者だったと思います。今から考えればそうですが、現場では冷や汗ものでした。そのせいか、午前が終わってもできた手ごたえが無く、モヤモヤした感じで午後に望みました。
午後の部、はそんなに難しい感じはしませんでしたが、実際には択一式は28問とあまり良い出来ではありませんでした。択一は1時間弱で終わらせ、記述に取り掛かりました。模試ではいつも商登法からでしたが、会社分割だったので、不登法から手をつけ、簡単すぎだと思いながら、30分位で書き終えました。商登法は時間があったのですが、半分以上書いたところで書く欄を間違えていることに気がつき、全部×として空いている箇所に正しく書き直しました。とても汚い字だったので、採点してもらえているか心配でした。結果は9点でした。答案の開示請求をしなければ分かりませんが、書き直したときに焦って書き漏らしたか、読まれずに得点できなかったのかのどちらかだと思います。しかし、諦めずに書ききったので、試験後にまったく悔いはありませんでした。
(5)総論
今日においては、受験指導校も発達しておりますし、受験生も豊富な情報が簡単に手に入るせいか、自分の周りで間違った勉強法をしている人はほとんどいなく、ほとんどの人が過去問、選択と集中といったあたりまえのことができています。勉強法に差はほとんど見られません。差が顕著になるのは、どれくらいこの試験に対して熱意を抱けるか、どれくらい心を込めて受験勉強できるかだと思います。結局はこれに尽きると思います。自分独自のテクニックなんかありませんし、テクニックなんかよりこの試験にどう向き合うかを考えました。そして、勉強することよりも、「受かること」を考えました。勉強のことは全員死ぬほどやっていますが、受かるためにすべきことを考え、実践している人はそう多くありません。最後の年はそれをそれに特に注意を払っていました。
反省点もあります。この試験は最後の1ヶ月で決まります。しかしながら、私はいつも最後の3ヶ月を精一杯頑張ろうと欲張っていたのです。頑張るのは最後の1ヶ月だけでいいのです。とても3ヶ月頑張ることなんてできないのにやろうとして、途中で失速してしまうのです。4、5月は程よく勉強し、程よく遊べば良いのです。その代わり6月からは死ぬ気で頑張るのです。そこに最後の年に気づき、合格できました。

自宅での学習と伊藤塾の個別フォロー

できるだけライブで受講するようにしていましたが、 出席することができないときには、インターネットで受講しました。インターネット受講だと通学する時間や2倍速再生などで時間の節約にもなりますので、とても重宝していました

伊藤塾の各講師陣についての感想・各講師へのメッセージ

記述が苦手であった私にとって最も幸運だったのが山村講師に出会えたことです。単に勉強方法にとどまらず、心構えや人としてのあり方もお教え頂いたように思います。山村講師とは直接お話しする機会があまりなかったので、ここでお礼を申し上げます。

最後に

試験勉強をすることは辛いとか苦しいと思うのではなく、自分が勝手に始めたものなのですから、もっと楽しく、ラクに構えていいと思います。周りの人にも、自分は司法書士を目指していて、司法書士ってこんなこともできるんだよと、そして、自分が司法書士になったらこういうことをやってみたいんだと、わくわくした気持ちで言ってみてください。試験勉強はそんな感じでいいとお思います。だって、最後の1ヶ月はあまりに辛すぎますから。
皆様の合格を心よりお祈り申し上げます。
(2010年10月・記)