あきらめようとか、逃げようとか、一瞬も思わなかったのは講師のおかげです。

下手 優さん (24歳)
 

神戸大学法学部卒業 受験回数:3回 【受講講座】
〔入門講座〕司法書士入門講座本科生

※プロフィールは、2010年合格時点のものです。

私はこうして司法書士を目指す決意をしました

大学生活を送る中で、勉強に打ち込むわけでもなく、ただ時間だけが過ぎていく、そんな生活に焦りと不安をおぼえ、2回生の冬頃から、そろそろ将来のことを真剣に考えなければと考え始めました。 
そこでまず、これからの自分を想像しました。就職活動をし、一般企業に入るのか、公務員を目指すのか、それとも資格を取るのか。これらの選択肢が浮かびあがってきました。次に、さらに先の自分を想像してみました。結婚して、たくさんの子供に囲まれて、家族仲良く暮らしている。そんな自分でありたいなと思い、そうなるためにはきっと一定の期間は仕事から離れるだろうと考えました。とすれば、何か手に職を持っていたほうが、いつでもまた働き始めることができるのではないかと思い、資格を取ろうと決心しました。 
では、どのような資格を取るべきか。大学では、法律や政治、一般教養を学んでいましたが、その中でも法律の勉強は考え方が深くおもしろいものが多かったので、法律系の資格にしようと考えました。そして、合格後早く実務につくことができ、「まちの法律家」というイメージを持たせる司法書士に魅力を感じ司法書士を選択するに至りました。

伊藤塾の講座を受講して最初に感じたことは、「熱い!!!」ということでした。法律家としてどんな風であるべきかを、講師が最初の段階で熱く語っておられたのを今でも鮮明に覚えています。そしてその熱さに、とても魅力を感じました。

わたしがとった学習方法

(1)勉強開始時期について

法学部に在籍していたということもあり、抵抗もなく法律の勉強に馴染むことができました。また、落ち着いた語り口調で、しかもわかりやすく噛み砕いて説明してくださるので、楽しく講義を聞くことができました。テキストも、気になるところが詳しく載っていて、表や図が多く使われているので、わかりやすかったです。また、最初のうちにモチベーションを非常に高めてくださるような話をたくさんしていただいたのも、その後の受験生活の支えとなり、3年半の間忘れることなくずっと心に残っていました。あきらめようとか、逃げようとか、一瞬も思うことがなかったのは、講師のおかげだと思っています。

(2)入門段階での「択一式対策」について

1年目は、アルバイトをたくさんしていたこともあり、なかなか学習時間がとれず、毎週どんどん進んでいく講義になんとかついていくという感じでした。講師が何度も「講義を受けながら過去問も並行して解きなさい」とおっしゃっていたのに、なかなか過去問に取り組むことができず、勉強を始めてしばらくは焦りの毎日を過ごしていました。正直なところ、過去問を解き始めたのが秋ごろで、3月になってやっと民法を1度やり終え、本試験までに全教科をやっと解き終わったという感じでした。複数回解いたのは民法と不動産登記法だけでした。
もちろんこれで受かるはずもなく、1回目の受験を終えてから猛反省しました。しかし、2年目に入ってもなかなか勉強に身が入らず、年内は過去問を少しずつ解くというレベルでした。年明けから、このままではいけないと思い、気持ちを切り替えて、1週間ごとに計画を立て、特に苦手だった会社法に力を入れました。具体的には、会社法の過去問が少ないので、模試や演習問題などいろんなところから会社法の問題を集め、分野ごとに分けて自分流の問題集を作り、解いていました。そのおかげで、会社法はこの時期にぐっと伸びたように思います。また、他の教科もとにかく過去問を解こうと必死になり、直前期だけでもかなり回しました。

(3)入門段階での「記述式対策」について
1年目は、講義中に行われる演習問題を繰り返し解いていました。 入門講座でもらえる記述式基礎演習問題は、小問を集めたものであるので、基礎力の養成にかなりオススメです。 
そのようにして基礎力を養った後、2年目に「できる!記述式」を受講しました。山村講師から教わった「答案構成法」のおかげで、最後まで記述式の力が安定していました。 記述式が大好きになったのも、得意でいられたのも、「できる!記述式」を受講したからだと思います。直前期はある程度難易度の高い問題も集め、不動産登記・商業登記とも1日1問ずつ解くようにしていました。多くのパターンを解いていたからか、本試験でもかなり力を出すことができたと思います。 
最初の段階で基本的な演習問題を繰り返し、直前期に問題を多く解いたおかげで、記述式で大きくつまずくこともなく本試験を迎えられたと思います。 記述式を解くことによって、択一式で問われる知識が本当の意味で理解できる、ということも多々ありました。最初から記述式対策も意識しながら勉強すると結局択一式の対策もできるので、効率も上がると思います。
(4)試験当日について
試験当日は、思ったよりも緊張せず、むしろ1週間前のほうが緊張したぐらいでした。朝はいつも通りの時間に起き、予定していた時刻に試験会場に着き、試験前には自分の間違いノートと、覚えにくいところの暗記表ファイルを眺めていました。 
試験が始まり、いつも通り会社法から解いていくと、模試などで練習したのと全く違う感覚を覚えました。見たことのないタイプの問題もあり、「……難しい!!!」としか感じることができず、9問なんとか解いた段階で自信のあるものが4問しかなく、焦りばかりが募っていきました。しかし、時間は過ぎていくばかりなので、とりあえずいつもの順番で解こうと思い、民法→刑法→憲法と解きました。会社法でパニックに陥ったからか、得意の民法まで自信を持てず、全てに自信を持てず、時間もぎりぎりで、がっくりとした気持ちで午前の試験が終了しました。 
お昼休みを過ごしながらも、午前の手ごたえのなさにうなだれ、「どうしようどうしよう、午前で失敗してしまったかもしれない」と思い、午後を受ける気力がなくなりそうになっていました。しかし、そのとき「試験終了1秒前まであきらめるな」という講師の声が聞こえてきたような気がしました(これ本当です)。「ほんまや、まだ結果はわからんからやり切ろう!!」と気持ちをなんとか切り替え、午後の試験を受けました。午後は、直前1週間で過去問を完璧にしていたからか、過去問の肢が多く解きやすかったので、記述式を解いても30分余るという状態でした。

最後まであきらめず、集中力を切らさず、全力を出し切れて、本当に良かったと思いました。

(5)総論

受験勉強を通じてよかったと思う点は、最後まであきらめなかったことです。反省点は、たくさんありますが、時間がないと言い訳をして、もうちょっとがんばれたのにがんばりきれなかった時期があったことが最大の反省点です。あとは、合格したものの、まだまだあやふやな知識があることも反省点です。そんなことではいけないと思うので、今後もしっかり勉強し続けようと思います。 
基準点突破のために気をつけるべきことは、 
憲法:頻出判例は絶対におさえておく 
民法:条文を普段から読み込む、じっくり時間をかけて深く理解するような過去問の解き方をする 
刑法:過去問を完璧にする 
商法:会社法はとにかく模試や演習問題を集めて解く、判例もおさえる、商法は昔の過去問をする 
民事訴訟法:過去問はもちろん、暗記だけでなく頻出テーマをしっかり理解する 
民事執行・保全法:過去問を完璧にする 
司法書士法:過去問を完璧にする、法人おさえる 
供託法:過去問を完璧にする 
不動産登記法:過去問を完璧にする(常に登記簿を意識しながら) 
商業登記法:過去問を完璧にする、会社法と同様、模試や演習問題を集めて解く(会社法と併せて勉強した方が効率がいい)

以上です。ほぼ全科目に言えることは、やはり過去問が最重要であることは間違いないと思います。

自宅での学習と伊藤塾の個別フォロー

入門講座のときは通学クラスでしたが、講義に欠席したり、ペースが遅れてしまって受けられなかったときに、自宅でインターネットの講義を見ていました。何度も繰り返し見ることができ、大変助かりました。 
質問制度やパーソナルクラスマネージャーなど、あまり活用していなかったので、活用しておけばよかったと思っています。

スケジュールの管理について

スケジュールの管理は、本当に大切だと思います。私は2年目の本試験が終わってから1週間後の7月2週目から、大まかな計画を立てていました。発表後からは一週間単位での計画を立てていました。計画はずれてくるものですが、それでも最後まで計画は立て続けたほうがいいと思います。私は目標の時期や日にちを作り、このときまでに何をする、と考えて逆算して計画を立てていましたが、もう今日からこれを始めなければ間に合わない、ということがよくあったので、自分を奮い立たせるのに良いと思います。

伊藤塾講師陣について

山村講師
歯切れのいい口調で、わかりやすく解説してくださる山村講師の講義を毎回楽しみにしながらインターネットで受講していました。なぜそんなにすらすら言葉が出てくるのか、いつも「すごいな」と思っていました。受験生の立場になって話してくださる山村講師は、本当に受験生思いの方だと思いました。また、山村講師の「答案構成力」は、記述式において革命的な方法だと思います。最後までぶれずに記述式を解くことができたのも、山村講師のおかげです。本当にありがとうございました。

高城講師 
信託法の補講を受講しました。優しい人柄の高城講師は、わかりやすく説明してくださり、楽しく信託の勉強ができ、全くわからなかったのに理解できました。本当にありがとうございました。
蛭町講師 
本試験分析会で、試験委員の問題ミスなどについて怒っておられる蛭町講師が印象的でした。それも、受験生の立場に立って怒ってくださったので、本当に受験生のことを思ってくださっているんだと感じ、とてもうれしかったです。本当にありがとうございました。
小山講師 
「小山節」を本試験激例会で聞くことができ、とてもおもしろく、励まされたのを覚えています。本試験直前に元気をもらいました。本当にありがとうございました。ずっとそのおもしろい小山講師でいらしてください。

最後に

3年半もの間支えてくださった、お父さん、お母さん、お兄ちゃん、大切な友達、大切な人たち、伊藤塾の講師方やスタッフの皆様、本当に、本当にありがとうございました。この合格は自分ひとりで手に入れたものではありません。皆様がいてくださったから、健康に受験生活を送ることができ、自習室に通うことができ、笑顔を忘れることなく過ごすことができました。心から感謝いたします。このご恩に報いることができるよう、立派な法律家になれるようこれからも努力します。伊藤塾の、アットホームな暖かい雰囲気が大好きでした。ありがとうございました。

(2010年11月・記)